アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

地球上最後の最果ての地…

2013年12月29日 | Weblog
 北海道の東部をドライブしていると、人里を遠く離れた原野に朽ち果てた家の痕跡を目にします。こんなところに人が住んでいたのか!と驚かされます。と、同時に「人間って凄いなあ」と思います。厳しい自然環境の原始林に入植するのですから。

 地球的規模では、北海道の原始林より厳しいところで暮らす人もいるだろうなあとギネスブックをめくると…ありました!「世界一孤立した有人島」に登録されているのは、「トリスタン・ダ・クーニャ島」というイギリス領土の島。息子が高校で使った地図帳で島の位置を確かめようとしましたが、全然相手にしていただけない。東○書籍の「新高等地図」に告ぐ!「もっと勉強してくださいよ!」

 インターネットでは、しっかり位置を特定できました。ケープタウンの南西およそ2,800km、ブエノスアイレスの東およそ3,500kmのところにありました。
 島の名前など覚えていなかったのですが、ここで、思い出しました。日本でも上映され、人気を博した、「最果ての地よりさらに遠く」。これは、トリスタン・ダ・クーニャ島そのものを描いたものでした。
 そのあと、同じ題名で文学座が上演。あの舞台だったのか!観には行きませんでしたが、噂は聞いていました。

 トリスタン・ダ・クーニャ島から最も近い人が住む島が、あのナポレオンが流されたセントヘレナ島。距離は、なんと約2,430km。日本の裏側の海域近くなので、「人が住む日本から最も離れた土地」ということができます。
 トリスタン・ダ・クーニャ島、伊豆大島とほぼ同じ大きさで、人口は260人。2,160mの火山がある(グーグルアース)。だから、雨が降るので植物も生育するから人が暮らせるのでしょう。
 それにしても、ギネスに登録されている辺地中の辺地がイギリスの領土だという。「陽が沈まない国」と言われたイギリスの面目躍如?ということか。

 その島へ観光客は行くのかって?た、たぶん行かないでしょう?
 波止場で尋問されてしまいますよ…「YOUは何しにトリスタン・ダ・クーニャへ?」と。空港はなく、漁港が1か所あるだけなのだそう。外界との接触は…時折ケープタウンから船が来る…片道1週間かけての航海。もちろん不定期便。

 そんなわけで外部との交流がない。いきおい、近親婚が繰り返されている。華僑がチャイニーズレストランを開けばいいって?華僑でも行かないでしょう。
 やがて、トリスタン・ダ・クーニャ島から人がいなくなり、廃屋は朽ちていく…。

 最果て…最果てが地球上からなくなりつつある…。寂しいけどしょうがないね。
 「だったらお前が行って住めばいいだろう!」と、言われても、私にはどーしょうーもないから…「行ってみたいな」とは思うけど。