アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

ルンルン

2017年04月08日 | Weblog
 4月6日の小学校の玄関、2年生数人が騒いでおりました。「下駄箱の名前の姓に変化がある…」ということで。
 「(3月26日まで)かねださくしろう(仮名)だったのに、いまむらさくしろうになっている!」
 物知りの一人が叫びました。(ちなみに、このもの知り男は、両親とも教員)
 「離婚だ、離婚。離婚すると名字が変わるんだ。(通りがかりの私に向かって)ね、先生、ね、離婚でしょ!」
 
 そこへ、さくしろうくんが登校。
 「さくしろう!オマエの母さんと父さん離婚したべ!」
 「ん?」

 さくしろうくんは、離婚の意味が分からなかった。姓が変わったことすら意識がない。たまたま居合わせた私も、こんがらがってその場の状況をよく理解できませんでした。整理しますと…(ただし、整理しすぎると本人が特定されてしまいますので、特定されない程度に)。

 1 さくしろうくんの母親は、4人目の子である「さくしろうくん」がお腹にいるときに離婚した。どんな修羅場があったかは知りませんが、凄まじい。
 2 母親は、4人の子を一人で育ててきた。
 3 夜遅くまでぇというべきか、明け方までというべきかぁ、一生懸命に働いた。そのため、子ども達は、「ゲーム」のし放題。朝方まで、ゲームをしているので、学校では兄弟皆さんで居眠り。彼らに共通しているのは、「不登校」という選択肢がないこと。学校の方がよく寝られるのか?
 4 母親は忙しいので、子どもたちのスキー授業のためのスキーの準備すら出来ない。三番目の子が小2の時、「自分のスキーと偽って」母親のスキーを持ってきた。子どものスキー靴と母親のスキーの金具が合わないので私が調節してあげた。
 これに母親が激怒し、日曜日の早朝、電話で担任を罵倒した。「勝手なことしやがって、すぐに来て元に戻せ!ザゲンナヨ(ふざけるなよ)!」
 この担任が情けない奴で、矛先を私に向けた。母親からの電話の直後、つまり日曜日の早朝、「スキー金具をいじったのは、アンティークマンさんですよね!すぐに、金田さん宅へ行って、金具を元に戻しなさい!金田の母さん、もの凄く怒ってるよ」と、電話してきた。オイオイ、オマエが「出来ない、やり方分からない」というからやってあげたんじゃないか!…こういう奴、いるんですよ。窮地に立たされると責任転嫁。
 私は、担任の馬鹿さ加減に腹が立ちましたが、大人の対応をしました。つまり、日曜日の朝、朝食もとらずにマイナスドライバーを持って金田宅へ行ったのです。 バカ担任は、安岡力也を崩したような風貌ですが、私の「腰車」で一発KOさせる自信がありましたけどね。
 なお、私としましては、「金田一家がどんなところに住んでいるのかを見る事が出来るチャンス」というとらえ方をしておりました。
 5 母親の「ぶち切れ」は、スキーの金具事件だけではない。スクールゾーンで時間帯によって進入禁止のところを、軽四で堂々と進入。折悪しくパトカーがサイレンを鳴らして追跡。母親は、停止せず、学校玄関前まで入ってきた。子どもの一人に忘れ物を届けに来たらしく、学校内に入り込んだ。なんと、パトカーの警官も校舎内に入ってきた。「さわるな!警察呼ぶぞコラ!」と、暴れる母親を捕まえた。呼ばなくても、すでに警察は来ているわけでぇ!激しい気性の女です。
 6 さくしろうくん誕生から6年経った。親らしい親はなくても子は育つ…。お菓子とゲームで、子は育つのです。(乳児にハチミツはいけません)
 さくしろうくんは、小学2年生になった。で、どうして今、「名字」が変わったのか?離婚しているのにさらに離婚はぁー、ないっ!

 長期休業が明けたら、児童の名字が変わっていたということは、特に珍しいことではありません。普通なら、「ああ、保護者が離婚したんだなあ」と理解して、それで正解なのですが…。この度のケースは、6年前に離婚している…。それなのになぜ、6年経って名字が変わったのか?

 正解を知って、愕然としました。答えは、「母親が結婚したので姓が変わった」という、赤ちゃん以外なら分かるようなものでした。
 私の思考の欠陥は、「4人の子連れの、あの人類史上まれに見るマットドック母親に、同性も異性も興味を示すはずがない。つまり結婚するはずがない」と、頭から思い込んでいた事ですね。

 自分に対し腹立たしいのは、一時でも母親に同情したことです。
 「4人の子を一人で育てて偉いなあ!夜遅くまで働いて朝方帰宅する日々、偉いなあ」
 よく考えると、政府関係の出先のパートで、朝までの仕事などありゃしない。午後5時から翌朝の明け方まで、子ども達をほったらかして、ルンルンだったのかよっ!子ども達も、ゲーム漬けでルンルン!家族全員で、ルンルンだった!コップの中でも嵐は起こる。コップの中でもルンルンは起こる…。

 スキーの金具事件ですが、この度いくつかの疑問が氷解しました。なぜ、スキーなどという洒落たモノを母親が持っていたか?・・・おつきあいしていた男性とスキーにいくために購入したのでしょう。なぜ、日曜日の早朝に金具の調節の件で「ぶち切れ」したかというと、おつきあいしていた男性とスキーに行く日だった…。日曜日ぐらい、子ども達と過ごしてあげればいいのにね。子ども達より男性優先ね!ルンルン!

 家庭事情をよく知る人によると、「さくしろうくんは、母親の再婚相手を、『オトヤン(お父さんがなまった)』と呼んでいた。母親が離婚してすぐに(オトヤンと)ルンルン関係になった(ヤレヤレ…日曜日の早朝、マイナスドライバーを持って走り回った私は一体何だったんだろう。オトヤンは、スキーの金具調整が出来ないのか?)、実の父親を全く知らないさくしろうくんにとっては、オトヤンは、実の父親のようなものだった」とのこと。ルンルン。
 これから、あの家族はどうなっていくのでしょうか…。
 子ども達は、「愛情を受けているのか、いないのか?」「生活では、母親の腹の虫の居所にさえ注意すればよい。対外的には、母親が無敵であることをとっくに学習している。警察さえ無視するわけで…」「お菓子類は、好きなときに好きなだけ食べられる」「ゲームは、四人兄弟なので奪い合いは起こるが、深夜とか明け方は比較的プレイ出来る」・・・「負の連鎖」ですね。家庭学習ですか?宿題など一切しません。知能は低くはないのですが、玉磨かざれば光なし。見通しが暗い。
 だけど、母親をはじめ子ども達が皆、「ルンルン」なんです…。ルンルンに不満はないんですけどね。