アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

奈良市~長谷寺~今井町、超濃密度の一日(その1)

2017年04月23日 | Weblog
 いやはやクオリティの高い一日でした…!
 平成29年4月16日、日曜日。早朝JR奈良駅前のホテルを出て、艱難辛苦の末、夕刻、生きたまま、橿原市今井町の「嘉雲亭」に辿り着くことが出来ました。まさに、ご先祖様のご加護があったからでしょう。

 早起きして、東大寺 (大仏殿)、春日大社、興福寺(国宝館)と回りました。興福寺では、本来、阿修羅像が安置されているところが工事中。アシュラー(阿修羅像のファン)としては、なんとしてもご対面しなければ。そんなわけで、疎開先の建物(興福寺の敷地内にあるんですけどね)まで阿修羅像に会いに行きました。
 「阿修羅像」を見終わったのが、午後1時。そのあとの予定は、レンタカーで、桜井市の長谷寺へ行き、橿原市今井町の「嘉雲亭」に入る。…でした。道路状況が不明なので、とにかく早め行動をしたかった。
 ところが思わぬ伏兵が…!カミサンが、「暖暖(のんのんと読ませている)の、茶がゆが食べたい」と、言い出した。興福寺から、暖暖までは1km歩かなければならない。午前中の寺社巡りで、私の足腰は悲鳴を上げている。自慢じゃないが、脊柱管狭窄症。カミサンは、暖暖目指して歩を早めている。そのあとを私は、「斬られ与三郎」状態で追いかける。猿沢の池のカメたちが、私を見て憫笑していました。タクシーを使えばいいだろうって?入り組んだ細い道に、流しのタクシーなど来ません。
 なんで昼食が、「茶がゆ」なんだぁ~!それって、朝に食べるものでしょ?
 ともあれ、半死半生で茶がゆをたべて、暖暖からまたまた徒歩1kmで、レンタカー屋さんへ。

 レンタカーは、「アクア」。午後2時に奈良駅前を出発。169号を南下。バイパスもあり、30分もかからずに長谷寺近くまで行けました。
 しかし、試練はここからでした。長谷寺の参道は車1台なら徐行すれば通れる(徒歩の参詣客がいるので徐行しなければなりません)。折悪しく、午後3時近くでしたから、長谷寺へ向かうのは私どもの車を先頭に5~6台。長谷寺から帰る車、つまり対向車が列をなしている!左へ寄りすぎると側溝へ脱輪するか、参道にびっしり並んだお土産屋さんを壊すか…。二進も三進も(にっちもさっちも)行かない。少なくなった頭髪は逆立っている。必死のハンドル操作が続いた。カーナビ(カーセンサー)からは、「障害物ありの警報音」と、「左前です」「右後ろです」というアナウンスの連続。ミラーをたたまなければぶつかるので、こちらも対向車もミラーをたたんですれ違う。車と車の隙間は、5cm程。5cmですよ!50cmじゃない。少し傾くだけで、擦ってしまいます。
 カーナビ:ピー、右後ろです。ピー、左前です。ピー、周辺です周辺です。
 カーナビすらパニックになっている。

 この試練を乗り越え、駐車場に入れたときは正直、「茫然自失」でした。強烈な危機に直面したとき、人は妙に冷静になるものです。危機を脱したときは、「茫然自失」…なのです。

 やったぁー!我が家の菩提寺(奈良県桜井市の)長谷寺に到着ぅー!
 ところがまたまた試練が!本堂に辿り着くまでに、399段の階段(登廊)がっ!きいてないよーっ!正直無理だと思いました。朝から寺社を歩き、暖暖まで歩き、レンタカー屋さんまで歩き、長谷寺の参道の運転で神経をすり減らした脊柱管狭窄症の高齢者が、399段を上ることが出来るとは思えない。
 長谷寺では、「牡丹祭」の旗が。しかし、牡丹はまだつぼみでした(4月16日)。カ、カミサンが楽しげに登廊を登っていく。斬られ与三郎は、手すりを頼りに追いすがろうとするが…。399段というのは、「煩悩を消す数字」なのだそう。煩悩でも何でも消してほしい。脊柱管狭窄症を消してくれるとなおありがたいが。
 結局、登り切りました。「茫然自失」ではなく、清々しい達成感がありました。
 長谷寺は、西国三十三所観音霊場の第八番札所。巡礼の装束の人が次々と399段を登ってきました。皆さんご高齢で、「ハアハア」と荒い息をして汗だく。私は、息も乱れていないし、汗もかいていない。毎日の、アクアウオーキングの成果か?実は、ゆっくり登ってきたから…。

 長谷寺の本尊は十一面観音。ご先祖様もお参りした十一面観音、しっかりお参りさせていただきました。
「枕草子」「源氏物語」「更級日記」など、多くの古典文学に登場する長谷寺。我が家の菩提寺。そこに自分が居るということが、なんとも不思議。奈良恐るべし!

 ここまででも、ハイクオリティの一日。しかし、この日のクオリティはまだまだ高くなったのでありました。さて、次なる試練は…?!明日書きます。