アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

嘉雲亭 奈良

2017年04月26日 | Weblog
超濃密度の一日をすごし、今井町の町屋民宿「嘉雲亭」に到着。自分たちへのご褒美の夕食は…!宿から150m程歩くと今井町の端に。そば屋と、寿司屋と、イタリア料理店がありました。散々歩いたので近鉄八木西口駅の近くへは行かず、この3軒のうちのどれかに決めることにしました。
 夕食に、「そば」は軽すぎる。寿司は奈良へ来て2日連続いただいている。奈良と言えばぁ、イタリアン!私の本音は、生ビールを1.5リットル飲めればそれでよし、そばでも寿司でも何でも良かったのですがね。
 なぜ奈良ではイタリアンやフレンチが多いのか?私は、奈良県人の、「進取の気性」だと思います。ふれあう人の全てが前向き。路を曲がれずに難儀していると、6人も集まってくれて何とかしてくれようとする。料理でも、個性を持たせることに躊躇がない。今井町にイタリアンレストランがあるのって、ある意味、出色。
 生ビール(中ジョッキー 600円)を三杯と、「斑鳩の里」を一杯飲みました。飲み過ぎで、フラフラ。カミサンへは、「今日は歩きすぎで腰がだるい」と、フラフラの言い訳。本当は酔っ払っておりました。

 さて、町屋民宿「嘉雲亭」。今井町では、室町時代以降、初めての「宿」だと(ネットに載っていた新聞の切り抜きで)知りました。そもそも、全く知らなかったのですが、御所市出身の方に情報を頂きましてね。あと、JR奈良駅前のトヨタレンタカーで借りた車を、橿原市の近鉄「大和八木駅」近くのトヨタレンタカーで返却できるという情報も頂きまして、これは使えますよ。(乗り捨て不可のレンタカー屋さんもありますので、予約の際確認を)

 嘉雲亭への宿泊予約は、インターネットでOK。アクセスとしては、恐怖の「外部からの侵入者を拒絶した町」ですから、車での進入は困難。今井町を迂回して今井保育所か今井小学校の近くへ来たら、嘉雲亭のご主人に電話して、指示を仰ぐこと。これだけは、守る方がいいです。

 二階が客間。箱階段を上がって行きます。箱階段ですよ!一段一段が、引き出しになっている。室町の香りがします。手すりがないので、酔っ払いはこけます。
 「今日の宿泊は、お客さんたちだけです。二階の三部屋を全て使って下さい」これも、ご先祖様の思し召しか。
 道路に面した二間続きの部屋に、蒲団が敷いてありました。「使っていい」と言われたもう一部屋は、カミサンと二人ですから、使おうにも使えませんでしたワ。

 お風呂は、「お湯が出る」ようになっていました。これは、客のニーズに合わせたモノでしょうねえ。江戸時代の頃は、「五右衛門風呂」だったんじゃないかなあ。私は飲み過ぎなので湯船には入りませんでした。
 お風呂、洗面所、トイレは、近代化してあります。しかし、風情を大切にするためか、冷暖房施設はありません。これは譲れないところだったのでしょう。
 B&Bで、朝食がつきます。ご主人がサイフォンで、コーヒーを淹れてくれました。我が家では、朝食時に2杯飲みますので、嘉雲亭でも、もう一杯飲みたかったのですが、「もう1杯!」とは、言い出せませんでした。シャイなもので…。
 パンも、「胡桃パン」を7枚出してくれまして…全部食べると、「品がない」と思われては沽券に関わるので、1枚残しました。私同様、3枚食べたカミサンも、あとで、「あの1枚、食べたかったぁ」と、言っていました。体重は私より30kg軽いのに、食べる量は同じ。旅先の胡桃パンでも、ライバルがいたわけです。

 そんなこんなで、「タイムスリップ不思議体験」をさせていただきました。貴重な経験です。
 おっと、忘れるところでした。「外部からの侵入者を拒絶した町」その当時、よそ者は今井町では宿泊できなかったのか?出来なかったんですねえ。それで、親類縁者とか、どうしても外部の人を宿泊させたいときは、「許可証」を頂かなければならなかった。私どもも、ご主人から、「宿泊許可証」をいただきました。遊び心ですが、嬉しいモノです。

 そして翌朝、出発の時、ご主人が「火打ち石」で火花を飛ばして、私どもの道中の無事を祈ってくれました。こういうサービス、いいですねえ。お陰様で、道中無事で帰ってこられました。