おやつ堂 のあ in 黒部・宇奈月

黒部・宇奈月のちいさな手作りお菓子屋「おやつ堂 のあ」の日々あれこれそれこれぶつくさ日記。今日は何を書こうかな***

天知る、地知る、子知る、我知る

2007-10-11 21:37:26 | 日記
結構好きな言葉です。
中国の後漢の時代の楊震のことばだそうです。

楊震が東莱郡(山東省掖県)の太守に任命され時のことだそうです。
赴任の途中で宿泊した時、夜遅くに県令の王密(おうみつ)がひそかに尋ねてきました。
王密は、楊震が以前、刺史(しし-監察官)だった時に、その学識の高さを認めて官吏(かんり)に登用してあげた男です。

久しぶりに会ったので、二人とも話しがはずみましたが、やがて王密は懐から金10両を取りだし、楊震の前に差し出すと言いました。

「別に賄賂(わいろ)などではございません。ただの昔のご恩返しでございます。」
すると楊震は言いました。
「恩返しなら世間に対して行えばよい。」
王密は言いました。
「そのように堅苦しくお考えくださいますな。それに、今は夜中ですから誰も知るものはおりません。」
すると、楊震の目は鋭く光り、言いました。

「天が知っている。地も知っている。お前も知っている。私も知っている。どうして知るものがいないと言えるのか。(天知る、地知る、子知る、我知る、寧(な)んぞ知るもの無しといわんや)」

王密はこの楊震の言葉に恥じて引き下がりました。

この言葉は、「楊震の四知」として有名です。
また、「十八史略(じゅうはっしりゃく)」では、上記のとおり、「天知る、地知る、子知る、我知る」ですが、「後漢書(ごかんしょ)」では、「天知る、神知る、子知る、我知る」となっています。

 
どんなに隠そうと思っていても、何よりも自分が一番知っている。
あなたの良心がそれを刻んでいる。