先週の13日(木)の新体制発表記者会見の席で、松橋力蔵監督から「素走り(すばしり)」という言葉が発せられました。
記者会見も終盤にさしかかった頃に、記者からの「キャンプであげていきたい部分は?」という質問に対して松橋監督が答えたのがこの言葉「素走り(すばしり)」でした。直後に「冗談です」と付け加えた監督でしたが、その時に後ろのコーチ陣(達也さんとフィジカルコーチの安野さん)が「あっ監督言ったな」って感じで笑ったのを見て、ボクは「これって冗談なんかじゃなく、監督がコーチ陣に話していたチーム育成に関する重要なポイントなんじゃないかな?」って感じました。
昨シーズン、勝ち試合でも負け試合でもゲーム終了のホイッスルが鳴った後に、ピッチにひっくり返る選手やしゃがみ込む選手、両手を膝について顔をゆがめる選手の姿を何度も見ました。もちろんアルビの選手だけでなく相手チームの選手にもそんな姿を見たので、「あぁ精も根も尽きるほどの死闘だったんだな」「最後まで選手たちは全力で戦いきったんだな」って思ってはいたんですが、少し不安も感じていました。
だって数年前のアルビのゲームでは、こんなことはありませんでした。ゲーム終了時に相手チームの選手が疲労で顔をゆがめピッチにひっくり返っていても、アルビの選手たちは平然とゲーム終了後の整列に向かっていたように記憶しています。そんなアルビ戦士たちの姿を見て、「キャンプでの鍛え方が違うんだよ!」って誇らしく思っていた記憶が蘇ります。
きっと松橋監督はこの2年間のアルベルト流のキャンプや練習を内側から見て、アルベルト流の弱点を見抜いていたんじゃないかな。「鍛え方が足りない」(もちろん精神論ということではなくてね)という弱点を。それを「なんとかしたい」という思いが、インタビューでの「素走り(すばしり)」という言葉に繋がったのではないかと思うのです。
選手の皆さんにとって、今日から始まる高知キャンプは相当キツいキャンプになりそうですね。充実した高知キャンプになることを期待しています。至恩はスーツケースの鍵と暗証番号を忘れないようにね。