アマゾンわんわん日記 2018

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今日の一冊「アルジャーノンに花束を」

2019年04月14日 | 読書

久しぶりの読書ネタ。

 

先日サンパウロに行ったときに 娘の本棚にこの本を発見!

「Flores para ALGERNON」

あら?あなた、こんな本読んでたの?

日本語訳はこの本。

「アルジャーノンに花束を」

         ダニエル・キイス著   小尾芙佐訳

ペケママは小学6年生の時に初めて読んだのよね。

でも、全く面白くなかった。

理解ができなかった。

その後、大学生の時にもう一度読んだ。

読んだ後、何とも切ない気持ちになって 涙が出てきました。

少しは私も大人になっていたからかしら?

マナウスに帰ってから娘に電話しました。

「あんた アルジャーノン読んだんだ。ポルトガル語訳が出てるなんて知らなかったよ。

 どうだった?」

「初めて読んだのは お母さんの持っている日本語の本だよ。11歳ぐらいの時だったよ。」

「へー。理解ができた?」

「うん、初めて読んで泣いたの覚えてるよ。」

ほー、すごいね。

むむっ 母より 理解力が優れているか?

 

私や娘が涙した、その話とは…

知恵遅れの青年が 知能を高めるための 脳の手術を受けました。

その後、賢くなった青年はそれまで自分を取り巻いていた 理不尽な状況を理解するようになり、感情と知能のバランスがうまくとれなくなります。

以前に感じたことのなかった孤独感に悩まされるようになった青年。

そんなある日、青年は自分と同じ手術を施されたネズミにおかしな様子があることに気が付きます。

調べていくうちに、手術によって高められた知能はやがてピークを迎え、そしてその後は以前より能力が落ちていくということを知ります。

すべてを理解した青年は、知能の衰えを感じ始めると、自ら身辺を整理し 障碍者収容施設へと向かうのです。

まだ 文章を書く能力が残っているうちに 青年は最後の手紙を書きます。

その最後に「ついしん」として こう記します。

どうかついでがあったら、うらにわのアルジャーノンのおはかに花束をそなえてやってくださ

 い」

 

脳の手術により急激な知能の発達に対して、感情の成熟が追い付いていかずに周囲と摩擦を起こしていた青年が、最後に急激に退行していく知能を振り絞るようにして 死んでしまったネズミを想う気持ちが何とも切なくなります。

多分、近い将来自分の身にも起こるだろうということを 予測しているようです。

初版訳が1959年発行と 今となってはずいぶん前に書かれているにもかかわらず、今読んでも全く時代を感じさせないのが不思議です。

かえって、今だったら本当に青年が受けたような手術が実際にできそうで、切実感がある分 怖いような気がします。

クローン技術の発達、遺伝子操作、人間は何でもできる、と考えがちな昨今、もう一度多くの人に読んでもらいたい物語かもしれません。

 

コメント
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