アマゾンわんわん日記 2018

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今日の絵本「Asas de um Sonho 夢の翼」

2019年04月25日 | 読書

先日 会社の文化研修でいただいたという絵本を 娘からもらいました。

すごく素敵な絵本だと言うこと。

まずは表紙の空の色に目を惹かれました。

朝日の差し込む青の色が明るいのに深みがあって、なんともいえない色です。

本の中は 一言も言葉が書かれていない、前ページ イラストだけ。

でも、その絵がどんな言葉よりも雄弁に語っているんです。

物語の主人公は 一人の少年。

少年は、学校の社会科見学で 小型の飛行場を訪れます。

その夜、少年は夢の中で「飛行機の父」と呼ばれる「サントス・ドゥモン」に会います。

少年はドゥモンの飛行船でパリへ。

パリはドゥモンが 家庭の事情でブラジルを去った後に 暮らした土地。

その後二人はドゥモンが完成させたエンテ型の動力機「14-bis」号で夜の空を遊びます。

そして夜明け。

ドゥモンは14-bisで帰っていきました。

夢から覚めた少年は、「自分でも何かを作ってみよう!」と思いつきます。

倉庫からいろいろ引っ張り出し、あっちをひっつけ こっちをひっつけ…

できた!

少年の夢の飛行機が空に飛び立つ日はいつでしょう。

 

絵本の作者André Ceolin氏は 今ブラジルで一番話題のイラストレーター。

FBはこちら。

様々な絵本を出版していますが、細かい筆致で丁寧に描かれたイラストは、どんな言葉を連ねた絵本より 美しい言葉を紡ぎだしているように思えます。

 

実際のサントス・ドゥモンは 第一次世界大戦の時に戦争に飛行機が使われたことに失望し、フランスからブラジルに戻ったのち 自殺してしまいます。

しかし、最後に少年が自分で作った飛行機に乗って(実際には空を飛べないものだとしても)、広い空を仰いでいる姿は ドゥモンの志が少年に受け継がれている、そんな姿なのだと思います。

一言も言葉が書かれていないにもかかわらず、それだからこそ 読む人の心の言葉を引き出す絵本なのではないかと思います。

コメント
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