デカダンとラーニング!?
パソコンの勉強と、西洋絵画や廃墟趣味について思うこと。
 



最近、中国やアメリカに関する本や小説を読む割合が多かったが、そろそろ日本の古典を読まないとなと思い始め、紫式部『源氏物語』を瀬戸内寂聴 訳で読み始めた。
『源氏物語』を現代語訳ではあれど初めて手がけたのは12・3年前だが、なにかといろいろな作品を割り込ませてずるずると読まないままできてしまった。世界に向けて影響力の強い現代の日本人作家も『源氏物語』の影響を受けたことがないという人はほぼいなく、恋愛小説・姦通小説をお家芸にしている外国の評論家やエッセイストにとっても、近現代のどろどろ恋愛小説の名作に匹敵するような物語が、平安時代の時点で優雅でスノブで重層なおそるべき恋愛模様として描かれていたことに驚愕するこの作品。
おそらく一生「読みたいとは思うが」とか「読まねばなといつも思っていたが」と口癖のようにくりかえすばかりで読まず仕舞いになるだろうから、体力と集中力が続く今ならばという希望的観測でもって臨む。
なにはともあれ、この手の作品にすんなり受け容れられるようになったのは、たぶん、『源氏物語』から多大な影響を受けた谷崎潤一郎の『細雪()』を面白く読めるようになったこともあるだろう。『細雪』もいろんな意味で日本的で身につまされる話の連続で苦笑してしまうおもしろさがある。『源氏物語』の場合はあらすじ自体、大体分かっているので今ならばきっとたのしく読める気がする。

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