ふとしたことで思い出したのですが。
以前、何かで読んだお話。
ま、あいまいな部分や記憶に基づくお話なので、正確なトコではないのは、いつもの通り。
フリーハンドでピンストライプを描くヒトが、エラソーに言ってる。
イベントで店を出して、その場でパーツにストライプやらあの独特の文字を入れたりする。
まぁ、こういったイベントなんかは頻繁に出店しているのか、馴染みや、友人とか顔見知りも行き会うそうで。
そこで。
「いいじゃん、お願いしますよ~っ」とか。
「ほんのちょっとなんだから、やってよ~」とか。
イベント外のプライベートなんかでも。
タダで作業を要求(お願い)する輩がいるそうで。
彼は、ほんの一文字でもタダではやりたくない、これら失礼な要求は許せん、と主張している。
彼の技術は、訓練・学習され経験に基づいて商品として販売されてるものであって、たとえ一文字でも、こういった要求は万引きに等しい、と言うわけだ。
なにをエラそうに、とは思うが、至極ごもっともなお話だと思う。
タダ単に、ピンストライプ描くのが上手いだけなのか、血のにじむような訓練を経て獲得された技術かはわからないけれども、ソレは商品で、彼の持ちうる資本なのではないか。
ソレを無償で提供しろ、ってなハナシは、脅迫か強盗か万引きに等しいと思う。
いや、彼の申し出で、「サービスでやりますよ、さぁ御要望は」ってのならわかりますが。
人間関係など商売ヌキの立場を利用してソレを要求する、示唆する、お願いするってのは決してほめられたことではないと思うのです。
だって、彼はそれでメシ喰ってる(給料もらったりしてる)わけで、逆の見方をすると彼から現金せびるのと大きく違わないじゃないですか(笑)。
オレの周りでも、みんなそれぞれお仕事もってて、プロとして生活してらっしゃる。
今、振り返ってみてこういう場面が、少なからずあったと思う。
恥じ入るばかりですな。
反面。冒頭で「エラソーに」とか思っちゃいましたが、ピンストライプの彼、良くも悪くもプロフェッショナルなんだな、と思う。
オレのように「何コノ、エラソーなヤツ」とか「原価(ま、ペンキ代とかはあるでしょうが、しかもピンストライプはかなり特殊なものらしい)無いんだから、ケチケチすんな」とか言われるのわかってて、そうのたまうってのはちょっと、マネできない。
それも、そういう要求ってかお願いってのは親しいヒトからしかないだろうから、なおさらだ。
親しいヒト達に向かって「オレの技術は有償なんだからちゃんとカネ払え」ってゆーのはなかなかムツカシイ。
そういう意味では、このテのハナシは「お願いする側」の品位の話かもしれない。
だから、ピンストライプの彼が「カネ払わねーお前らは節操がねーんだよ」って訴えてるに等しいので、オレなんかには反感買っちゃうんだろう。
そんなプロ達の中で、最も軽蔑すべきなのが、「プロサラリーマン」だと思うね。
人間関係を利用して経済的利益を享受したり、溜飲を下げたり。
プロの仕事なんだか、そういう人間関係なんだか全く不明瞭。
カンチガイしてんだかチガウんだか、意図的なんだかそうでないんだか、信用できるんだかできないんだか、サッパリわからない。
結局は、経済的利益か、時間的負担か、精神的満足か。
ソコに、高邁な理想や、一徹な主義や、ステキな夢、は見当たらない。
会社の中では、オレも、かなりプロサラリーマンを演じている。
不本意な、と思うことが多いけど、ま、生きていくにはおカネが要るし、お仕事なんだから仕方ないのよ。
ま、サイテーのプロサラリーマン、ってのは、密かに自負してますがね(笑)。