16番観音寺から徒歩3キロ。
一日中歩きっぱなしになか、日差しが照りつけ風もなく、その3キロの道のりは長く感じました。
途中、焼山寺からなべいわ荘まで送っていただいたT先達と再会、同行となりました。
今日の最後のお勤めのお寺です。
山門をくぐると、気持ちが高揚してきて、嬉しくてなりません。
正面の本堂は昭和43年の焼失以後に再建されたコンクリート造りの建物。
縁起によれば、天武天皇の勅願道場として白鳳2年(674)に開創され、そのころは妙照寺とよばれ、八町四方の広大な寺域と十二坊を有する大寺であったそうです。
本尊の七仏薬師は聖徳太子の作。
脇仏の日光・月光菩薩は行基菩薩の作。
弘仁五年弘法大師はこの地にとどまり、ご本尊を拝して修行され、十一面観音立像を刻まれて安置したそうです。
また、この地方の水が悪いのを憂いて、錫杖で井戸を堀ると、清水がこんこんと湧き出たそうで、水に映ったご自身の姿を石に刻まれたそうです。
面影の井戸と呼ばれ、井戸寺の名もこれに由来。
立派なお寺です。
今回の巡礼で、T先達にお会いできることはもうないでしょう。
お礼を言ってお別れしました。
これから私は、今夜の宿「13番大日寺」まで8.4キロを戻らなくてはなりません。
「今日のお勤め終えたのだから、タクシーで戻ったらいいよ」とT先達にアドバイスを頂きましたが、そうせずにしたのが失敗でした。
途中のコンビニで買い物した際、お杖を店においてきてしまったことにやがて気がつきます。
だけど、T先達がタクシー会社の電話番号のメモをお寺から頂いてくれたので、コンビニとタクシー会社に電話して、私のいる場所まで届けてもらうことに。
T先達にはいつも助けて頂き、感謝しています。