山咲雛子の日記

毎日何かを好き☆と感じ、感謝して、頑張っています。時間が沢山あったら、ゆっくり自然の中で過ごしたいです♪旅もしたいな♪

書写山 円教寺 一日修行体験

2019年04月09日 | 神社・仏閣

書写山 園教寺では毎月一日修行体験・健康道場を行っています。

8:30 ロープウェイ山麓駐車場を出発

     山麓駐車場から圓教寺まで 徒歩又はロープウェイで上がります。

9:00~10:00 妙光院にて受付

           一日修行体験(5000円)

           一日修行体験・健康道場(1泊2日12000円)

私は園教会館に前泊したので、9時45分に受付を済ませました。

好きな席に座って下さいとのこと。

作務服を渡され、着替えて待ちました。

10:00 開会の辞

      妙光院の住職様がいらっしゃいました。

      一日、あるいは2日間共に修行する仲間がどんな者か知らないのはおかしい。

      場の雰囲気が大事だからと、参加者による簡単な自己紹介を促されました。

10:30~11:30 住職様による説法と座禅指導(座禅:10分位)

11:30~12:30 園教寺会館 館長による食事作法と昼食

 

食事作法は5つ。

私が簡単に説明するとするとこんな感じ。

1.植物にも命あり。食事のかたちになるも様々な人の命を借りて食事となる。それを自分が頂くのだという感謝の気持ち、体に命を取り込むことで、自分の命を人のために役立てようと思う気持ちで頂く。(随分私の解釈が入っています)

2.作法は適格。静寂。機敏。

3.一切の音声禁止。

4.食器の位置を乱さず、器は手に取って食す。

5.諸作法はすべて隣席の上座に倣う。

 

自分で食べれる量のご飯を取分けて着席。

斎食儀を奏上した後、食事となります。

 

一切音声禁止ですから、沢庵も胡瓜も音を立てないで噛んでいただくことになります。

それは想像以上に難関です。

沢庵1枚を全く音を立てずに頂くとしたら、数十分はかかるそうです。

しかもお吸い物の小ネギさえ、シャキシャキと音がでます。

静寂の空気が漂う中、自分から音が出ていないか、気にしながらいただきます。

 

そんなことに、なんの意味があるかって?

多分ね、食事中に自分が無となることで、頂く命の尊さを慮るとか、他の方が不愉快になる様な場の雰囲気を作らない(=調和)とか、食べる事に集中することで胃の活動を強めて健康に導くとか、たくさんの知恵がそこにあると思います。

もう亡くなってしまいましたが、仲良くさせて頂いた真言宗の副住職様は、訳があって曹洞宗、真言宗とふたつの修行をされた時の記憶の中で、一番つらいのが食事作法だったとお聞きしたことがあります。

さっさと食事を済ませる、音を立てない、朝の食事はご飯に沢庵2枚と汁だけで、茶碗は一杯のお茶で全てを洗うなど、普段の暮らしでは考えられないのが、修行中はそれが普通なのだと。

音を立てないで頂くためには、前歯の上下を使い、時には奥歯で噛んで、時には歯ぎしりのように横にモノを動かして繊維を分断するなど、様々な口技を思いついていると、アッと言う間に時間になりました。

よく噛むことの素晴らしい点は、胃弱な私でも消化液がシャパシャパと分泌しているのが分かったくらいです。

いつも食べ物を水で押し流すような食べ方をしていたので、食事のたびに大量の水分が必要でしたが、お茶にはひと口も手を付けないで完食できました。

体って、すごく高性能にできているのに、その使い方が間違っていたのだな、と悟ることができました。 

食堂に移動して写経をしました。

墨を擦り、心を落ち着かせると、この写経場、最高の舞台ではありませんか!

観光客が自撮棒であっちこっちやっていても、心は乱されず、般若心経を墨でなぞることに集中できました。

こんな素晴らしい場所で写経が完成したことに、喜びが沸きあがるような気がしました。

 

その後、坐禅止観の前に写真撮影がありました。(後で郵送されてきました)

 

14:00~15:15 常行堂の本尊・阿弥陀如来坐像の前にて坐禅止観。

20分、30分の2セット。

この坐禅の体験、良かったです。

すごく寒い日だったんです。

でもアッという間に時間が流れていきました。

寒いはずなのに、坐禅の時だけは寒さに囚われないというのでしょうか。

寒いと感じるのは体ですよね。

心は寒いって感じないんですよ。

体が悲しいと感じませんよね。

心は悲しいと感じることができます。

という例えをすれば、坐禅の時間は、常に呼吸を深くすることで、体と心のそれぞれの役割を見つめなおすきっかけになるのではないでしょうか?

よくわからないんですけどね、たった合計1時間の坐禅の体験だから。

宿泊コースは夜も坐禅があり、参加者の多くは一日目の夜の坐禅が一番印象に残った、というアンケート結果があるそうです。

坐禅の後、妙光院に戻って、あたたかいコーヒーを頂いて、参加者の皆さまとお別れの挨拶をしました。

もっと一緒に居たかったねぇ~。

また修行体験で会いましょう。

など、そんなに皆様と個人的なお話しなどする機会もなかったのに、その時間だけはまるで家族みたいな雰囲気でした。

 

心がほっこりしして、様々な気づきにも出会い、修行体験は想像以上に実りある良い経験でした。

妙光院のご住職様も、園教会館の館長様も、とてもお優しくて素晴らしい方々で、本当に恵まれていました。

園教寺で過ごした時間は、私にいろんなことを授けてくれました。

西国三十三観音巡礼が結願できるよう、これからも頑張って行きたいと思いますし、このような西国さん巡りをお勧めしてくださったお四国の先達の皆さまにも感謝したいと思います。

合掌。