風の数え方

私の身の回りのちょっとした出来事

あれからのポポ

2008年04月18日 | 清水ともゑ帳
深夜、仕事中に思いがけない帰宅をした夫が、再び職場へ戻るため玄関で靴を履いていると、犬のポポは私の後ろに隠れながら、彼に向って吠え続けた。
私が抱きかかえると、静かになったけど、彼が手を出すと警戒し、顔をそむけた。

騒動から一夜、昨日の朝、彼が帰ってきたときのポポはいつもどおりの出迎えをした。
夫の足にじゃれるようにまとわりついて喜ぶ。
何事もなかったかのように。


(いつもはこんなふうに仲良しなのです。 by ポポ)

夫と私は、前夜のことを互いに思い出してはゲラゲラ笑った。
私はただ叫んだつもりでいたけれど、彼によれば「やめてぇーー!」とも言っていたらしい。
そんな私を静めようと「俺だってば、俺だってば!」と言い続けていたのだとか。
「警備会社へ通報されたら、えれぇ騒ぎになって大変だっけなぁ」
「これからは、あたしを起こしてでもいいから、電話を入れといてね」
と、やれやれの顛末だった。



昨夜のポポは、夕飯を食べ終わると、ふだんと変わらず、リビングのいつもの場所で寝始めた。
私も10時半ごろには、寝室へと行った。

どのくらいか経ち、寝室のドアに物がぶつかる音で目が覚めた。
ポポが体当たりをして、部屋に入ろうとしているのだ。
しばらくすると、切なそうな声で、「クーンクーン」と鳴く。
目覚まし時計を手に取ると、時刻は2時半。
私はドアを開け、ポポを抱き上げ、彼女の寝場所へと運んだ。
しばらく体をさすったあと、ちょっとだけ厳しく「ここで寝なさい」と言った。

数分後、また、ポポが寝室のドアに体当たりし、そして鳴く。
どうしたものかと考えたけど、犬の本の多くには、「そんなとき心を鬼にして一緒に寝てはいけない」と書いてあったのを思い出し、布団の中でじっとこらえた。
あと数ヵ月で4歳になるポポが、仔犬のころのような行動をする。
私たち夫婦には笑い事で済んだ前夜のことが、よほどショックだったらしい。
胸が痛んだ。

私はもう一度、彼女をいつもの場所に戻した。
観念したのか、そのまま眠りについたようだ。
いつもなら7時ごろ起きるのに、今朝、もうすぐ9時になろうとしている時間でもまだ寝ている。
今夜はどうなのかなぁ。


(うーん、あたしにもわかりません。 by ポポ)

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