1969年
エースの山本は176㌢、75㌔、右のスリークォーターから外角への速球を武器にしている。球威はさほどないが、プレートを一球ごろに踏みかえる丁寧な投球とコントロールのよさで補っている。しかも強みは走者を置くと投球がさえてくる勝負強さで、167イニングを投げて失点は23しかない。心配なのは登板が多くなったときに腰痛が再発しないかだ。
横浜・山本もさすがのピッチング。ノビのよいストレートと、切れのよいカーブで浅野から13三振を奪う力投。
前日、14回を投げ抜いた山本はやはり疲れていた。それに大会前から痛めていた腰とヒジ、一、二回、低めに決まっていたシュート、速球を押えがきかず、この回安打されたのはいずれも高めに浮いていた。だが、五回からガラリとピッチングを変えた。超スローカーブで東海の目先を狂わせて上西の2安打と、四球だけに押え、六回無死一、二塁、九回無死一塁も併殺で守備陣がよくバックアップした。