1987年
昨年からエースナンバーを背負い、キャリア十分、県大会与四死球5の制球力が光る。速球とカーブのコンビネーションがよく、めったに連打は浴びない。バント処理などにも格段の成長を見せている。
1989年
大洋の秘密兵器は石井忠徳投手。ドラフト外の高卒ルーキーながら、スピンのかかったストレートの切れは、稲川投手コーチを「本当にこれが、ドラフト外か」と言わしめるほどである。その石井が、沖縄キャンプの2月22日、プロで初めてフリー打撃に登板。対戦した片平晋は「カーブは好調時の水野(巨人)みたいや。掘り出しもんだよ」若菜も「体格のわりに、マウンドでは大きく見えた」と感心。石井自身は「緊張しましたよ。球が浮いちゃったですから」と興奮ぎみ。
大洋のルーキー石井が好投した。一回にいきなり荒井の先制本塁打を浴びたが、二回以降は落ち着いたマウンドさばき。大きなカーブをうまく使って10三振を奪い、プロ初先発で初勝利を挙げた。
完投は逃したものの、大洋のルーキー石井(足利工出)がプロ初先発で初勝利を飾った。谷繁との新人バッテリーは息もぴったり合い、大きなカーブ、今年覚えたばかりのフォークボールで計10三振を奪った。九回、失策をきっかけに完投まであと二死で降板したが「勝ちが決まるまで足が震えて止まらなかった。何がよかったのか自分では分からないが、うれしくて仕方ないです」と、声を弾ませていた。