プロ野球 OB投手資料ブログ

昔の投手の情報を書きたいと思ってます

パークル

2025-01-15 21:19:34 | 日記
1997年
196㌢、101㌔の巨漢助っ人に、隠された顔があった。ここまでオープン戦で打率・295、3本塁打とパワフルな打撃を披露しているパークルだが、実は昨年、3Aタコマで抑えとしてマウンドに上がった経験があった。成績は申し分ないものだった。2試合に登板し通算6イニングで被安打1、無失点、2奪三振、MAX150㌔を超えるストレートとスライダーは威力満点。実はハイスクールまでは投手をやっていたのだ。この秘めた右腕の球歴を、王監督はただ指をくわえてみてはいなかった。昨シーズンのチーム防御率は、パ・リーグ最低の4.04。特にリリーフ陣がピリッとせず、大量失点を招いた。今季も、抑えで獲得した新外国人選手のニコルズが、オープン戦でここまで防御率7.71の期待外れの成績で、依然としてコマ不足は解消されてない。だから「打撃も大いに期待しているが、投手としてシーズンで使う可能性がある。窮余の策になるかもしれないからね」と、王監督も期待するのだ。さらに内野手登録をしていても、投手で起用することはルール上問題ない、とパ・リーグに確認済みだ。指揮官の言葉は、決してジョークではない。その証明として、ナゴヤドームトーナメントの空き日となる二十七日の練習試合で、1イニングをめどにして「登板させる」と断言。相手はトーナメントの勝敗で左右されるため未定だ。二刀流は公式戦ではないが、昨年のオールスターで、オリックスの外野手イチローが登板。今年はオリックスの外野手嘉勢がオープン戦で既に登板している。王監督は「イチローはシーズンで使う気がなかったが、こちらはシーズンで使うことを考えているからね」と本気そのものだ。開幕まで十日余り。いくら実績があっても、来日して打者相手に登板していない不安は確かに残る。果たしてこの秘策が十九年連続Bクラスから脱出できる武器となり得るか。初登板が注目される。

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宮崎元忠・栗本光明

2025-01-15 15:43:04 | 日記
1963年
初登場の大洋は宮崎(三年)が先発した。得意のドロップがよく決まり、コーナー・ワークもうまくなったが、スタミナ不足。五回同点とされたあと、二死二塁で栗本にうまく右前に合わされて逆転。七回には斎藤に2-2から右翼席にたたき込まれて敗戦投手となった。大毎の栗本もプロでは宮崎同様三年目だが、ノンプロ(倉レ岡山)で七年という経験の持ち主。スライダーがよく決まり配球も群を抜いていた。四回味方のつまらない失策で点を許したが、被安打2本と大洋打線を押えた。「二十一日の巨人戦ではリリーフに出てさっぱりだったが、きょうは彼本来のピッチングを見せた。さっそくあすは一軍に送り込む」とは三浦コーチの話。栗本は三十六年七月十日に大毎入り、翌三十七年十五試合に登板して1勝4敗。六月三日の対南海戦で1勝を記録している。

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押田令三

2025-01-15 15:32:48 | 日記
1963年
大毎の押田が初めて完封勝ちした。最終回「つい肩に力がはいって」(押田投手の話)2安打されピンチに立ったがイースタン打撃10傑の1位山本久を敬遠、後続を凡打にしりぞけた。「シュートがよかった」(押田投手の話)そうだが速球にも威力があった。八回は黒崎から主軸三打者いずれもスイングアウトの三振に取ったほど。石谷と大坂の安打による初回の1点を守り切った。また五月に巨人から大毎へ移った岩本がこの日からゲームに出場したが練習不足で変化球が打てなかった。

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平尾邦彦

2025-01-15 14:39:58 | 日記
1963年
巨人の新人平尾(久留米商)が東映の長南におとらぬ好投をみせた。シュート、カーブを低目に集めて七回まで散発4安打に押えていた。八回に2安打されて種部にかえられたのは体力的な問題だが、スピードが加わると巨人では唯一の下手投げだけにおもしろい存在になろう。

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ロバート

2025-01-15 13:46:25 | 日記
1997年
ナゾに包まれていたロバートがついにベールを脱いだ。あまりのスロー調整に、この日の朝「二十日までに投げなかったら催促する!」と放任主義が看板の東尾監督も気色ばんでいたが、その雰囲気を鋭く察知したのか、ブルペンで初の力投を演じた。「今日は60㌫の力ぐらいかな。徐々にペースを上げていくよ」と涼しい顔のロバートに、首脳陣は一様に安どの表情を浮かべた。台湾プロ球界セーブ王の前評判で入団したロバートも、キャンプではマイペース調整。投手陣の練習最後に行う長距離走はやらない。ブルペンでも毎日20球程度で終えていた。今キャンプで平均1000球程度投げている他の投手陣に対して、ロバートは約五分の一の通算200球。練習態度も日本球界に慣れようと必死のギブンス投手(31)とは対照的で、森繁投手コーチも「ギブンスの姿勢をもう一人も見習ってほしい」と苦言を述べていた。それが突然の変身ぶり。それも直球が握りを変えて三種類ある。この日は直球とチェンジアップだけだったが、歴代10位の251勝を挙げた東尾監督でさえも魔球に「スライダーとチェンジアップ、シンカーを投げていたみたいだな」と幻惑されたほどだ。森繁投手コーチは「直球でも三種類のサインを考えないとな」とロバート専用の特注サインを用意する構え。色めき立つ首脳陣を横目にロバートは「今後も球数は60‐70球程度。毎年こんなもんだよ」と最後までマイペース調整を貫くことを宣言した。日本人以上に日本的なギブンスにオレ流のロバート、二人の個性派助っ人がレオ投を救えるか?


ウワサの怪腕がついにベールを脱いだ。六回表、ネット裏でスピードガンを構えるスタッフ陣が突然、騒然となった。この回から登板したロバートの直球が、何とMAX150㌔も出たのだ。ブルペンでの本格投球が四日間しかないのに、この快投ぶりだ。ロバートは「自信が付いたと言うより最初から自信はあった」と不敵に笑った。マイペース調整に焦りを感じていた東尾監督も「報告通り。安心したよ」と満面の笑みだった。いまだブルペンでセットポジションを披露していないが、この日も三者凡退でお預け。森繁投手コーチは「本当は走者が出てセットから投げる姿を見たかったなあ」とぜいたくな悩みに頭を抱えて見せた。一様に安どの表情を見せる西武首脳陣に対し、ネット裏で警戒心を突よけたのが青波スコアラー陣だ。「真っすぐに速球だけではない。この日の変化球はカーブ主体で、スプリット(SFF)が1球だけ。この他に握りを変えた三種類の直球にフォーク、チェンジアップと七色の球種を持つ。「イチローもニールもなかなか打てんだろう。マーク?それどころじゃないな」と岡田スコアラーはペンを走らせるのに忙しかった。昨年は台湾・兄弟で一年間プレーし、最多セーブと最優秀防御率に輝いた実績の持ち主。「日本、米国、台湾とどこでも自分の制球力と速球があって、失投がなければ抑えられる」とロバートは胸を張った。ちなみに昨年の被本塁打はゼロだった。「本塁打なんてだれでも打たれるよ」と余裕の表情で笑った。

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茂木忠之

2025-01-15 13:23:05 | 日記
1963年
茂木は大毎を5安打の散発、無四球に押えてシャットアウトした。大毎は茂木が速球のときと変わらないモーションから投げるカーブ、シュートにバットが合わず、一人も三塁を踏めなかった。

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上崎泰一・克公

2025-01-15 13:14:36 | 日記
1963年
中日の双生児バッテリー、兄の泰一捕手、弟の克公投手が別府キャンプ入りして間もなく、夕食後舞台のある大広間で、隠し芸大会をやったことがあった。名物江藤慎一の黒田節、山中巽の物マネ・橋幸夫に拍手がわいたあと、舞台に上がったのがこの二人、さすが双生児、ぴったり息の合ったコーラスに声があった。「ようーッ、ドーナッツ」「さすがだね。声もきれいだ。道を語ったのと違うか」とはそのときの江藤の評だったが、以来二人はピーナッツの無効を張ってドーナッツと呼ばれることになった。泰一・克公両君は福岡県飯塚商の出身。飯塚商からは松竹ロビンス時代のホームラン王小鶴誠ほか、幾多の名選手を世に出している。中日の柴田スカウトもそこの出身で、同スカウトが飯塚市の運動具店主に紹介されたのがきっかけだった。八月テストした結果は「兄の泰一君は筑豊大会で2ホーマーしているだけに使えそうだが、弟の方は…」ということだったが、高田代表はそれを聞き「双児のバッテリー、それはおもしろい。成功したら人気倍増だ。十年かかってもいい。まだ十八歳だ」とめでたく採用されることになった。これまで阪神の藤村、中日の野口、国鉄の金田と兄弟選手はかなりあるが、プロ球界初の双生児のバッテリー誕生にはこんないきさつがあった。兄の泰一君は身長1㍍71で、弟の克公君より1㌢小さいが、肩幅もあり、どっしりしている。だが克公君の方はなんともたよりない。カーブ中心の変化球で、昨夏の県予選三回戦で敗れるまで19勝5敗の好成績だったそうだが、ブルペンではファイター江藤に「コラッ!それでもプロ野球のピッチャーか。もっと力を入れて投げろ」と一カツを食ったこともある。「ノンプロへ行くつもりだったが、せっかくテストに合格したので…。プロにはいった以上、なんとかして一人前になりたい」と兄の泰一君がいえば弟の克公君も「いままでは考え方が甘かった。郎何年かかってもいい。公式戦で1勝でもいいから、勝利投手になるまでがんばる」と闘志を燃やしている。もちろん、合宿で同室の二人が仲がよいのは無類。どこへ行くのもいっしょで背番号も62と63で「ニイサン」と並んでいる。

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村上誠一

2025-01-15 12:56:42 | 日記
1997年
猪俣が肩の痛みを訴えて登板を回避。5-5の同点で迎えた5回から予定外で回ってきた2イニングの紅白戦初登板のチャンスだった。昨年一軍実績はゼロ。一軍に踏み止まるためには黙っていても「結果を出さなければならない立場」この日、村上は制球重視のセットポジションからの投球に切り替え、覚え立てのシンカーを徹底駆使した。スライダーも見せ、勝負はこれでもか、これでもかの新球種・シンカー。新庄に左前打1本を打たれたが今、売り出し中の新人今岡を右邪飛、この日、初回に待望の紅白初アーチをかけたハイアットも中飛に、いずれもそのシンカーで仕留めた。村上は「向かっていく姿勢を出したかった。良かったです」と第一関門パスの喜びを隠せなかった。この日、熊本工の大先輩・川上哲治氏が訪れ、外野手の高波文一(20)と内野手の田中秀太(19)の熊本工トリオであいさつ。高波は桧山に並ぶ紅白戦第二号を放ち、田中も打点付きの二塁打を放って気を吐いた。ともに同じ紅組で先輩のマウンドを援護、村上の紅白勝利を祝った熊本工デーでもあった。

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ウエスト

2025-01-15 12:28:14 | 日記
1997年


ウエストは一回に5点を失ったが、二回以降は落差の大きなカーブで六回まで6連続を含め13奪三振。ホセー木村とつないで逃げ切った。
ウエストが初回に5点を失いながらも、二回以降をほぼ完ぺきのピッチング。六回で降板したがロッテから先発全員の三振13個を奪う力投で味方の反撃を呼び、2勝目を手にした。「小坂のバント処理をうまくできずにリズムがくずれてしまった。でも二回以降は調子は上がっていったし、三度目で一番のピッチングができた」王監督も(二回以降の)ああいうピッチングをしてくれれば計算が立つ」と一応は合格点。ただ、普通なら初回の5失点で降板のケース。結果オーライの逆転勝ちでは先が思いやられる。


三年ぶりの三夜連続完投勝利。しかも、ダイエーとしては初、ホークスとしても十四年ぶりの2試合連続のシャットアウト劇をウエストが熱演した。ストレートを柱にチェンジアップ、カーブのミックス。武田の2安打に続き、この夜はわずか3安打完封で助っ人が3勝目をマークした。これまでで最多投球数となる132球の力投で来日初完投。あの青波打線が手も足も出ない。「後半はチェンジアップがよかった。ストレートはきれもよかったし、コントロールが今までで一番よかった」との言葉通り、三振5個に加え、18個のポップフライが神戸の夜に舞った。直球もただの直球ではない。わずかだが握りを変え、指を掛ける縫い目も変化させた。「ストレートが内にも外にもよく動いてくれたよ」といたずらっぽく笑顔を浮かべた。この夜、先頭打者に一度も出塁を許さなかった。ピンチらしいピンチは四回の一死一、二塁と、五回の二死満塁だけ。五回のピンチで迎えた打者は、前打席で中前クリーンヒットを打たれたイチロー。「ベリーベリーケアフル」と顔をしかめたウエストだが、城島のサイン通り2球連続ストレート。結果、平凡な右飛に打ち取った。「今日はストレートが走ってた。とにかくストレートは思い切り、変化球は低めに投げろ」と言い続けた。会心のリード」と女房役の城島も胸を張った。ナイスピッチングには暖かくなった気候も影響している。試合前の練習中、ウエストは「大好きだ」と降り注ぐ太陽を見つめていた。五月の陽気とともにやっと期待通りの投球を披露した助っ人。王監督は「ウエストがいいピッチングをしてくれた。こういうピッチングができたのは大きい」と前回の日本ハム戦、7安打3失点で四回途中降板のウエストの変身を喜んだ。5連敗の後に3完投で3連勝。疲れが見えていた中継ぎ陣も短いGW休暇を消化中。チームは再び首位へ急接近。地元9連戦を前にチームの雰囲気はグーンと良くなった。「早く5連敗を取り戻したいね」監督の自信に満ちあふれた言葉が今の上昇ムードを表している。


重苦しい東京ドーム5連敗も、チーム4連敗もすべてストップ。ウエストがハーラーダービートップタイの5勝目をマーク、七回以降を無失点に抑えた中継ぎ、抑え陣とともにチームを救った。「投げてみないと分からない」と酷評された助っ人はこの夜、違うものになった。力でねじ伏せようとしてきた投球を改め、緩急と制球を重視。初回からカーブを多投して、ダイエーには強い日本ハム打線をほんろうした。


苦笑いを浮かべながら、近藤監督はベンチを出てきた。「打たにゃあな」悔しさを通り越してしまったか、もう怒りの表情はない。内山、岡本の好投があったとはいえ、中盤以降はロッテの勝ちゲームだった。立ち上がりに打ち込まれた薮田が完全に息を吹き返し、鷹打線はすっかり勢いを失った。スタートからすれば、ダイエーが大勝していてもおかしくないゲーム。試合の流れが一転したのは、ウエストの不安定すぎる投球のせいだ。本当に外国人投手かと首をひねりたくなるほどテンポが悪い。とくにセットポジションになると、球を置きにいくような感じになる。それでもストライクが入らない。四苦八苦の綱渡りは、スタンドばかりか味方野手陣も疲れさせる一方だ。四回、簡単に二死を取ってからは連続四球、諸積への初球もボールとなった時点で、古賀ヘッドコーチがマウンドに走った。「クイックモーションばかり気にしているから走られてもいい。ちゃんと足を上げてバランスよく投げろと言ったんだ。それしか言うことないもんね」それで目が覚めたか、一ゴロで危機を脱出。五回も何とか無失点で抑えた。それにしても、これでハーラートップの7勝とは摩訶不思議。「ツキとしか言いようがないね。7勝なんて、おこがましいけど…」古賀ヘッドもまた、苦笑いを浮かべていた。

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ウエスト

2025-01-15 12:01:57 | 日記
1997年
「ホークスでプレーするチャンスをうれしく思うし、サダハル・オー監督の下でプレーできることは光栄だ」ウエストは笑みを浮かべながら白い歯をみせた。メジャー通算9年間で31勝を挙げた本格派の左腕。MAX146㌔の速球でグイグイ押しまくる強気なピッチングが武器だ。王監督も「ビデオを見る限り、攻撃的なピッチングをする投手。先発で少なくとも15勝はしてほしい」とノルマを課して期待の大きさを示した。日本の打者の対応はロッテから巨人へ移籍したヒルマンから既に伝授。ヒルマンとはメッツ時代にヒルマンがメジャー、ウエストがマイナーにいた時の知り合い。「日本の打者のバランスの崩し方を教わった。生活面でもオープンマインドで行けといわれた」具体的な内容は明かさなかったが、日本で二年連続で二ケタ勝利を挙げたヒルマンからの助言だけに余裕すら感じられた。この日、ウエストは早速チームに合流。キャッチボールなど軽めのメニューだったが「数字はともかく、日本シリーズ出場にチームを導きたい」と、197㌢、115㌔の巨体同様に、何とも頼もしいセリフを残した。弱投といわれるダイエー投手陣だけに、新助っ人の左腕に注目が集まる。


エンジン全開とはいかなかった。来日して初の実戦マウンドは3回51球を投げ被安打4、3失点。だが、197㌢、111㌔の巨漢左腕・ウエストには結果は関係なかった。「久しぶりだったが、まずまずだった」フィリーズに在籍していた昨年九月以来の打者との対戦は「ストレートでどれだけストライクを取れるか」というテーマを持っての投球だった。初回に池山にタイムリー二塁打、二回には古田に本塁打。三回には再び池山にタイムリー、毎回1点ずつを失ったが、MAX143㌔のストレートは切れがあり、変化球もカーブ、スライダー、チェンジアップを試投した。「いい球を投げていた。変化球もあるし、いけるんじゃないか」と田村捕手。王監督も「まだストレートはスピードが出るんじゃないの」と次回の登板に期待を膨らませた。


先発ローテ入りが期待されるダイエーの新助っ人ウエストがまずまずの上がりをみせた。二度目の先発登板で3回を四球3と制球に難を残したながらも、被安打3の失点1。「コントロール、フォーム含めて修正箇所はあるけど、もう少しコーナーに決まりだしたら心配ない」と自信のコメント。立ち上がりがもうひとつだった。一死後、大島、イチロー、ニールに三者連続四球でいきなり自分の首を絞め、D・Jに左前打を浴びて1点献上。しかし、二、三回は140㌔台のストレートを中心に追加点を許さずに交代。この試合は70球4回がめどだったが初回に30球以上投げたための降板で「出来は納得いかない。でも、つぼは押えた。あとは他球団スタメン選手の長所、短所を覚える」と勉強をアピールした。六日の初登板(対ヤクルト戦)では3回51球で被安打4の失点3。調子は右肩上がりで「次は90‐100球をめどに投げ、もう1試合、シーズンの感覚で登板して仕上げたい」期待の左腕は本番をにらんだ。


マウンドにそびえたつ197㌢、111㌔の巨漢が思わずニヤリと会心の笑み。「満足できる投球だった。順調にきている」5回を被安打3、無失点。鷹の助っ人・ウエストの左腕が横浜打線をほんろう。工藤、武田に次ぐ先発ローテを確実なものにした。この日のウエストのテーマは省エネ投法。ここまでオープン戦で二度登板。初登板が3回を51球投げて3失点。2回目が3回を66球を投げて1失点。これを反省して「90球で6回を投げ抜く」ことを目標に、球数をいかに減らすかを考えての投球だった。そのテーマは初回の25球と五回の29球を除いては完ぺきだった。低めに球を集め二回から四回まではパーフェクトピッチング。この3回の球数はわずか24球。「ドームの暑さで、初回は息苦しかったが、上体も傾かず、ひじも下がらなかった。低めに球を集められた」三塁側へ傾くフォームもきっちり軌道修正。初回とも五回に相手の走塁ミスがあるなど、ラッキーもあったが、オープン戦から含め先発投手陣で初めて5イニングを無失点で抑えた。だが、ウエストの力はまだ完全ではない。なんと体の大きさがマウンドで少し投げづらさを生じさせている。足のサイズは14インチ(35㌢)と超ビッグサイズ。さらに長い足。投げる時の歩幅が広すぎるため、相手投手が踏み込んだ時にできる穴に、その巨大な足が引っかかってしまう。「踏ん張れないんだ。でも徐々に慣れれば、もっと低めにボールがいくし、速い球を投げれれる」ウエストは自信満々な表情で顔をほころばせた。ピリットしなかった先発投手陣だが、頼もしい助っ人のピッチングに王監督も「工藤、武田に次ぐ三本柱のメドがこれでたったね」と笑顔、笑顔。

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