春なんだな~

2006年04月07日 | 健康・病気
女房の作ってくれた粗末な弁当をバックに入れ家を飛び出す。
粗末といってはあいつにわるいな。
毎日、東京の西荻の事務所に行って、
フリー(元NHK)のアナウンサーのアシスタントをしているのだ。
先週の土曜日は徹夜であるデーターをワードに移し替えていた。
仮眠して、ラジオ深夜便の「にっぽんの歌・こころの歌」の調べ物だ。
けっこう家に帰っても仕事をしている。
当然、フラメンコの練習もしている。
弁当に、昨日の残り物がすっかり入っていようと文句はいえない。

風はちょっと冷たいが晴れていて気持ちいい朝だった。
送迎車で所沢駅に向かう。
春休みのせいか道路が空いている。
8時25分東口のロータリーの端に車を停める。
すでに来て待ってるやつもいる。
駅からのんびり歩いてくる通所者もいる。
私は外に出てたばこを吸っている。
駅に向かう人、駅から出てくる人。
私はけっこうこの時間が好きだ。

車いすのKさんが来ていない。
ケータイを見ると施設長から、
背中が痛いためKさんが休む、とメールが入っていた。
たばこをポケット灰皿に入れ車に乗り込み発車する。

62歳になる I さんが、
「昨日は2時までテレビを観ていた」とうれしそうに話す。
「健康のために、I さんは睡眠をとらないとダメだよ」
血糖値が高いとかなんだとかでしょっちゅう入院している。
知的障害者の彼に生活をコントロールしろといっても
難しい話なのだろうが、むなしい。
Hくんは、ウォークマンを聴いているから静かだ。
Sくんは、いつも喋らない。

その時間、送迎車で私はいつも
NHKの「わくわくラジオ」をかけている。
全国の支局からの地方の報告が終わったあと、音楽が流れた。
女の子の歌だった。
車は所沢名物のけやき並木を走っている。
フロントガラスから青空が見える。

助手席のダウン症のAくんを見ると、
音楽に合わせて、膝においた右手でリズムをとっていた。
いつもスローな行動をとる彼が、リズミカルに調子をとっていた。
私としては“驚愕”です。
ほんとにじつにいつもは、見ていてじれったいぐらい
のんびりしている彼なんです。

春なんだな~

コメント
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