久しぶりに、浅田次郎の小説を読んだ。
小説新潮 2006 1月号に載っていた15ページほどの短い
「夕映え天使」というものだ。
父親と50歳になる一郎のやっている
昭和軒というさびれた中華料理店の正月から小説は始まる。
<おととしの夏のかかりに純子はやってきて、>
<(あのう、住み込みで雇っていただけませんか)>といい、
<年が明けるとどこかに行ってしまった。
昭和軒の薹のたった看板娘でいてくれたのは、半年ばかりだった。>
正月の4日、長野県警軽井沢警察署から電話が入る。
去年の11月に発見された身元不明者の持ち物の中に、
昭和軒のマッチがあったという。
一郎は、さっそく軽井沢に飛ぶ。
<警察署の玄関で、風体の良からぬ男>に会う。
大阪でうどん屋をやっている男だった。
昭和軒から消えた女が次に行ったところのようだ。
そこでは「ちよ子」と名乗っていた。
その男も中年で独身だった。
うどん屋の男は、女と結婚してもいいと思っていた。
<どうやら、あいつに惚れていたらしい。そう気づいたとたん、
親父とおふくろにとんでもない不幸をかけたような気になって、
一郎もぐずぐず泣いた。>
これまでもいくつか浅田次郎の小説を読んだが、
あらためてうまいなと思った。
小説新潮 2006 1月号に載っていた15ページほどの短い
「夕映え天使」というものだ。
父親と50歳になる一郎のやっている
昭和軒というさびれた中華料理店の正月から小説は始まる。
<おととしの夏のかかりに純子はやってきて、>
<(あのう、住み込みで雇っていただけませんか)>といい、
<年が明けるとどこかに行ってしまった。
昭和軒の薹のたった看板娘でいてくれたのは、半年ばかりだった。>
正月の4日、長野県警軽井沢警察署から電話が入る。
去年の11月に発見された身元不明者の持ち物の中に、
昭和軒のマッチがあったという。
一郎は、さっそく軽井沢に飛ぶ。
<警察署の玄関で、風体の良からぬ男>に会う。
大阪でうどん屋をやっている男だった。
昭和軒から消えた女が次に行ったところのようだ。
そこでは「ちよ子」と名乗っていた。
その男も中年で独身だった。
うどん屋の男は、女と結婚してもいいと思っていた。
<どうやら、あいつに惚れていたらしい。そう気づいたとたん、
親父とおふくろにとんでもない不幸をかけたような気になって、
一郎もぐずぐず泣いた。>
これまでもいくつか浅田次郎の小説を読んだが、
あらためてうまいなと思った。