Aくんの誕生日

2007年05月15日 | 健康・病気
今日、5月15日は私の勤めていた作業所のAくんの誕生日だ。
私が20日なので毎年一緒にお祝いしていた。
お祝いといったって、2人で「おめでとう」といいあうだけですが。

ダウン症の彼はもう38歳ぐらいになるのかな。
所沢駅の送迎車のところまで送って来るお母さんが私にいっていた。
「Aが小さいころ、寿命は5、6年と医者にいわれたので、
 可哀想と思い甘やかしてしまった。
 ここまで生きるとわかっていたら
 もっときびしく育てればよかった」

Aくんのことはこれまで九想話に何度も書いている。
現在、私が一番気になる人です。
今日、ケーキでも家に持って行ってやるかな、と考えた。
仕事が終わってから彼の住む団地のスーパーまで行った。
電話をしてお母さんに住所を聞こうと思った。
作業所にいたときは彼のことで母親と連絡をとることが多かったので、
携帯電話に彼の家の電話番号が登録されていた。

電話をすると、
「現在この電話は所有者の都合で通話ができません」
というアナウンスが流れた。
何かあったのか、と心配になった。
家に帰って、施設長にメールを打った。
すると、
おそらく電話代を払ってないからだろう、ということだった。
Aくんは今日の昼休み、
「今日はボクの誕生日です」とみんなにいっていたという。
どうせ誰も聞いていないんだろうな。
お祝いの言葉などいわないんだろうな。
あの子たちは、自分の誕生日には異常に執着心があるのだが、
他人のそれには無関心だ。

「Aくん、誕生日おめでとう」
大きな声でいってあげたかった。

コメント
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