誰か (文春文庫 み 17-6)宮部 みゆき文藝春秋このアイテムの詳細を見る |
久々の宮部みゆき。
やはりこの人のストーリテラーとしての力は凄い。
一旦読み始めると先の展開が読みたくなって仕方がなくなる。
だいぶ前に「理由」を読んだときには本を離せなくなって、一日で読み切ってしまったこともありました。
が、本作に関しては、そのように先へ先へと読み進め最後まで行ってもイマイチ満足感を得ることができなかったような。
まず、宮部みゆきってこんなに説明描写がクドかったっけ?というのが読み始めの頃の印象。
とにかく冗長に感じられました。
行間を読ませるところがまったくないというか。
ま、読んでるうちに慣れてきて気にならなくなってはくるんだけど。
もう少しハードボイルドなタッチの方が好み。
それと、登場人物のキャラクタに魅力が感じられない。
いやある意味魅力的ではあるんだけど、どれもこれも「造られたキャラクタ」としての魅力というか。
血が通っていない気がするんですよね。
それは何も現実離れした人物設定だから、というばかりではないと思う。
文体同様、ちょっとクドいんです。