そもそも論者の放言

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壮大な八百長

2011-02-03 23:59:50 | Society
官房長官、相撲協会の公益認定困難=首相「八百長は国民への背信」(時事通信) - goo ニュース

賭博に絡んでるなら犯罪だが、八百長自体は違法行為でも何でもない。
単なる経済取引。
高い番付を維持することで利得を得ることができるシステムになっている以上、星を融通し合うことで相互利益が生まれる。
経済的動機が存在する以上、八百長が行われてたとしても全くもって不思議はない。

30年以上相撲を観ているけど、7勝7敗のカド番大関が千秋楽で負けるケースはまず見たことがないし、7勝7敗の力士と8勝6敗の力士が対戦した場合前者が勝つ確率はかなり高い。
合理的に考えれば当たり前のこと。
そこで星を譲っておけば、次に逆の立場になったときにお返しをしてもらえる。
そんな相互扶助、社会で普通に行われている。

だからといって相撲の取組がすべてインチキでシナリオが決まっている、とも思わない。
そんなことしたら却ってコスト高になる。
ただ、特定の場面では八百長したほうが得になるケースがある、というだけのこと。

それくらいのこと、ある程度合理的にものを考えることができる人間なら簡単に想像がつくはず。
だけど、この国では、そういう真理には口をつぐんで「けしからん」と怒ってみせることが「正しい」態度とされているらしい。
「正しい」政治家や「正しい」マスコミは相撲協会を糾弾し、「正しい」国民はそれを支持する。
その周りでサイレントマジョリティが白けて傍観している。

国技の名を汚す、などというが、国技なんてどこかに明文化されて規定されているわけでもない。
みんなが国技だと思えば国技だし、国技じゃないと思えば途端に国技ではなくなる。
たいした意味はない。

相撲協会が公益法人なのは、江戸時代からの伝統文化を継承しているから。
八百長してたら公益に反するなんて誰が決めたんだろうか。

なんだか国全体で壮大な八百長をやっている。
滑稽。
コメント
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