副題は「データマイニングを超えた価値センシングの技術」とあります。
「価値センシング」とは、消費者の言葉や行動など現に存在している情報から、目に見えない潜在的なニーズや価値要求を感じ取り、発掘すること、とでも云えばよいでしょうか。
単に過去のデータの延長線上でITを用いて予測する技術とも違っていて、未来の売れ筋を発掘するのはあくまで人間の感性・センスであり、ITはそれを補助するためのツールでしかない、というスタンスです。
価値センシングは、「思い出す」→「こと語る」→「高め合う」→「感じる」というプロセスをぐるぐると回すことで実行され、各プロセスごとに著者の研究室が開発したツールや技法が紹介されます。
マーケティングの本なのかな…と思って読み始めたのですが、思いのほかアカデミックな内容で、理論と研究成果の紹介が中心になっています。
そんなに難しい理論が語られているわけではないし実例も豊富に登場しますが、実際にツールを使ってケーススタディを体験してみないことには、文字と簡単な図表だけではなかなか全容をイメージするのは難しいなというのが正直なところです。
以下、日常の生活やビジネスに活かせるかもと思ったところを部分的にピックアップ。
・「書く」ことによって価値センシング能力は向上する。
例えばブログは他人に読まれることをどこか意識して書き留めるものであるがゆえ、書いているうちに自他に心情的な接点があることを改めて感じるようになる。
自分と外側の世界の間に確かな関係性があることに気づき、様々な物事や出来事の価値への意識を高めていくことである。
本の中では書かれた文章をキーグラフというツールを用いて構造化・可視化することでさらに価値センシングが発揮しやすくする手法が紹介されているのですが、ただ書くだけでもセンシング向上につながるという見解には共感します。
だからこそこうして細々とブログを続けてたりするのですが。
・「アホ発言」にこそ価値が潜んでいる。
会話の中で唐突に発せられ、他の会話者から反応されず放置されてしまう発言を、この本では「アホ発言」と呼んでいます。
会話の中から「アホ発言」を選別する条件を定めてコンピュータで解析してみると、周りの人に受け容れられず放置された発言にこそ日頃感じていながらその価値が未だ具体化されていない潜在的な価値がありそうなことが分かってくる。
これはちょっと目から鱗でした。
「価値センシング」とは、消費者の言葉や行動など現に存在している情報から、目に見えない潜在的なニーズや価値要求を感じ取り、発掘すること、とでも云えばよいでしょうか。
単に過去のデータの延長線上でITを用いて予測する技術とも違っていて、未来の売れ筋を発掘するのはあくまで人間の感性・センスであり、ITはそれを補助するためのツールでしかない、というスタンスです。
価値センシングは、「思い出す」→「こと語る」→「高め合う」→「感じる」というプロセスをぐるぐると回すことで実行され、各プロセスごとに著者の研究室が開発したツールや技法が紹介されます。
マーケティングの本なのかな…と思って読み始めたのですが、思いのほかアカデミックな内容で、理論と研究成果の紹介が中心になっています。
そんなに難しい理論が語られているわけではないし実例も豊富に登場しますが、実際にツールを使ってケーススタディを体験してみないことには、文字と簡単な図表だけではなかなか全容をイメージするのは難しいなというのが正直なところです。
以下、日常の生活やビジネスに活かせるかもと思ったところを部分的にピックアップ。
・「書く」ことによって価値センシング能力は向上する。
例えばブログは他人に読まれることをどこか意識して書き留めるものであるがゆえ、書いているうちに自他に心情的な接点があることを改めて感じるようになる。
自分と外側の世界の間に確かな関係性があることに気づき、様々な物事や出来事の価値への意識を高めていくことである。
本の中では書かれた文章をキーグラフというツールを用いて構造化・可視化することでさらに価値センシングが発揮しやすくする手法が紹介されているのですが、ただ書くだけでもセンシング向上につながるという見解には共感します。
だからこそこうして細々とブログを続けてたりするのですが。
・「アホ発言」にこそ価値が潜んでいる。
会話の中で唐突に発せられ、他の会話者から反応されず放置されてしまう発言を、この本では「アホ発言」と呼んでいます。
会話の中から「アホ発言」を選別する条件を定めてコンピュータで解析してみると、周りの人に受け容れられず放置された発言にこそ日頃感じていながらその価値が未だ具体化されていない潜在的な価値がありそうなことが分かってくる。
これはちょっと目から鱗でした。
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大澤幸生/東京大学工学部 | |
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