そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

マネーの行き場

2011-08-08 23:33:12 | Economics
しかし、債務問題で米国債が格下げされたことをきっかけに世界同時株安が起きているというのに、米国債自体は買われていて長期金利も下がっているってホントわけわからん。

日本だって、こんだけ財政赤字、国債残高の累積が云われているにも関わらず、長期金利暴騰なんて気配もないし、円は買われてるし。

いくら信用が毀損されているといっても、他に行き場がなければマネーは流入するってことですね。
コモディティ市場だって、無尽蔵にマネーを吸収できるはずもなく。

一つの市場カテゴリーに閉じた世界での理屈では、もはや事象を説明できない時代になっているということなんだろうな。
カテゴリーのボーダーをマネーは自由に乗り越えて行き来する。
その動きに翻弄されてオーソドックスな理論は力を喪う。

そう考えていくと、「日本の財政破綻は待ったなし、今こそ増税による財政再建を」っていう一見まともそうに聴こえる議論も、「日本は内国債比率が高いのでギリシャのようにはならない。まだまだ国債発行しても大丈夫」って強気な議論も、どっちも頭デッカチで的を外しているような気にもなってくる。

結局は相対論。
絶対基準での経済の良し悪しよりも、他の市場と比べて「マシ」かどうかで、破綻が訪れるかどうかは決まるのでしょう。

まあ、いつまでもゆでガエル状態でいるのが幸せなのかどうかは別として。

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