そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

核心:日本企業が日本でお金を使わないのは

2015-12-05 10:57:34 | Economics
日経朝刊マーケット総合面のコラム「大機小機」、最近はお決まりのリフレ論やら構造改革論やらばかりであんまり面白くなかったのだが、昨日12月4日のは久々に切れ味がちょっと鋭かったので、以下メモしておく。
タイトルは「解せない内部留保課税論」、文責は「冬至」氏。

・企業が内部留保をためて使わないから経済が良くならない。
・放置するなら内部留保に課税する、いやなら設備投資や賃上げをしろ。
・設備投資や賃上げにつながらないなら法人税減税は無駄だ。

筆者は、政治家を中心に語られる、上記のような最近の風潮に疑問を呈する。

・そもそも内部留保課税は二重課税という意味で問題がある。
・内部留保を減らす早道は、配当という形で社外に吐き出すこと。配当増によって個人投資家の懐を潤して経済を活性化する、というのなら解るが、そういう理屈になっていない。
・税制面から設備投資を促進するなら、即時償却を認めればよい。
・賃金を増やせと言いながら、法人税減収の穴埋めに外形標準課税を強化するというのは矛盾。外形標準課税では給与も課税ベースに含まれ、賃金増加の逆風になる。
・法人税減税の目的は、世界と比べて高い日本の法人税率を下げて、ビジネス環境を海外標準に近づけて経済活性化を図るること。設備投資や賃金像を目的にした政策ではない。

まあ、このへんまでは普通の議論なのだが、肝心なのは以下の引用部分だろう。

結局のところ、問題の核心は企業がなぜおカネを使わないかでなく、なぜ日本でもっと使わずに、世界で使うのかである。
カギは投資や雇用を増やしたくなる環境を日本につくりだすことだ。事業コストは低いか。ビジネスがしやすい規制や法制度が整っているか。グローバルに通用する人材や新技術に明るい人材を確保できるか。こうした点が重要になる。
税逃れをしているわけでもないのに「守銭奴」呼ばわりされる。そんな国で企業は投資を増やしたいと思うだろうか。


まさに核心。
どうも安倍ちゃんとその取り巻きの人々の言動を見てると、日本を中国みたいな国にしたいんじゃないかと思えてくるんだよね。
実は憧れてたりして。

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