天下人の茶 | |
伊東 潤 | |
文藝春秋 |
個人的に、安土桃山時代にはこれまであんまり興味を持ったことがなくて、ここに登場する、牧村兵部、瀬田掃部、古田織部、細川忠興といった人物たちにも馴染みがなかった。
そもそも、千利休という人物についても然程のイメージを持ったことがない。
そういえば、自分が学生だった頃、利休ブームみたいな時期があったな。
映画が幾つか作られたりして。
あれは没後400年とかだったのだろうか。
そういう身からすると、本作は新鮮だった。
利休のミステリアスな存在感、茶の湯という文化に時の権力者たちが狂わされていく様が、よく表現されているように思う。
この時代に馴染みのある人から見ると、ややステロタイプなのかもしれないが。
それにしても朝鮮半島まで出兵しちゃうんだから、考えてみたら改めてダイナミックな時代だよね。
ちょっと関心が芽生えた感あり。