2003年〜2010年に各誌で発表された短編を集めた一冊。それぞれに共通のテーマや関連はないが、どれをとっても長嶋節という感じ。
穏やかならぬ展開を見せる作品も中にはあるものの、日常の他愛ない場面を切り取って、誰しもが心にちょっとだけ引っかかっている感情を呼び起こすテイストが通底している。
PHS、オザケンの『LIFE』を録音したMD、木村カエラの『sakusaku』、「四角いニカクがまあるくおさめる」やつ、などスマホ前時代の風物がちょっと懐かしい。
さらには、浅香唯の『セシル』や夕方の『特捜最前線』再放送など、作者と同い年の自分からするとノスタルジーも甚だ。
高校時代の不良との甘塩っぱい思い出をクールかつエモーショナルに描く『マラソンをさぼる』と、非日常シチュエーションに似つかわしくない由無し事がつい頭に浮かんでしまう女性主人公のアンビバレントさが面白い『噛みながら』が特に印象に残った。
#ブクログ
穏やかならぬ展開を見せる作品も中にはあるものの、日常の他愛ない場面を切り取って、誰しもが心にちょっとだけ引っかかっている感情を呼び起こすテイストが通底している。
PHS、オザケンの『LIFE』を録音したMD、木村カエラの『sakusaku』、「四角いニカクがまあるくおさめる」やつ、などスマホ前時代の風物がちょっと懐かしい。
さらには、浅香唯の『セシル』や夕方の『特捜最前線』再放送など、作者と同い年の自分からするとノスタルジーも甚だ。
高校時代の不良との甘塩っぱい思い出をクールかつエモーショナルに描く『マラソンをさぼる』と、非日常シチュエーションに似つかわしくない由無し事がつい頭に浮かんでしまう女性主人公のアンビバレントさが面白い『噛みながら』が特に印象に残った。
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