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『人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか?』 山本一成

2017-08-01 22:59:04 | Books
人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか?―――最強の将棋AIポナンザの開発者が教える機械学習・深層学習・強化学習の本質
山本 一成
ダイヤモンド社


Kindle版にて読了。

著者は将棋の電王戦で名人に勝利したAIソフトウェア「ポナンザ」の開発者。
囲碁の世界トップ棋士イ・セドルを破ったGoogleのアルファ碁の解説を交えながら、将棋や囲碁の世界で人工知能が如何にして人間を凌駕するようになったのか、その技術が紹介されていく。

人工知能関連の本を読むのは、『人工知能は人間を超えるか』『よくわかる人工知能』に続いて直近3冊目だが、ポナンザが強くなった過程を通じて、「教師あり機械学習」と「強化学習」の違いを具体的に理解できるという点ではいちばんわかりやすかった。

人工知能が人間に勝つという点では、チェス、将棋、囲碁という順で難しくなる。
チェスは、局面の良し悪しを測る基準が将棋よりも明確でコンピュータに計算がしやすい。
将棋では、駒と駒との位置関係すべてに点数をつけることで機械学習を可能にした。
ところが、囲碁ではそもそもどの関係に点数をつければよいかがわからず、囲碁の局面をコンピュータに「評価」させることが不可能だった。

アルファ碁は、それをどのようにして克服したのか。
強くなったキーポイントは、囲碁の盤面を「画像」として読み込ませる手法をとったこと。
そして、ディープラーニングを使ったことだという。
プロ棋士による実際の局面を「画像」に分解してディープラーニングに読み込ませ、教師あり学習をさせることでプロ棋士の打ち手を予想できるようにする。
さらに強化学習を組み合わせることで勝敗予測を可能とし、ついに囲碁を「評価」することに成功する。

機械学習・強化学習の解説に比べると、ディープラーニングの解説はかなり省略されていて、この辺はちゃんとは理解できなかったのがちょっと残念。
ただ、丸暗記させないようにすることで、ディープラーニングは必死で入力の特徴をつかもうとするという「過学習」の話は面白かった。

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