そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

「となり町戦争」 三崎亜記

2005-06-28 23:02:56 | Books
となり町戦争
三崎 亜記
集英社

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ある日届いた「となり町」との戦争の知らせ。僕は町役場から敵地偵察を任ぜられた。だが音も光も気配も感じられず、戦時下の実感を持てないまま。それでも戦争は着実に進んでいた(「帯」より引用)

小説すばる新人賞受賞。「帯」には五木寛之、井上ひさし、高橋源一郎・・・そうそうたる顔ぶれからの賛辞が並ぶ。かなりの期待をもって読み始めた。

が、正直期待ほど、或いは設定の興味深さほど面白いとは思えなかった。
どこか村上春樹的な世界にも通じる雰囲気。それはいいのだが、どうも読前に予測していたものと物語の方向性が違ったようだ。

もっと「戦争」を描いた話なのかと思っていた。
「戦争」よりもむしろ、知らないうちに見えない大きな力により、恐ろしい事態が進められてしまう現代社会の怖さを描いたもの。
或いは、お役所仕事に対する皮肉と捉えるとかなりリアルな面があるのだが、もちろんそんなものを期待していたわけではない。

一番気になったのは「主任」という登場人物の存在。普通の人間が、見えない戦争に巻き込まれていく様を描いた物語なのに、どうして「主任」のような特殊なバックグラウンドを持った人物を登場させなければならなかったのか?理解に苦しむ。

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2 コメント

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読みました (おかてぃ)
2005-07-12 11:11:24
たっつぁんの日記を見て読みました。

たしかに、帯ほどのインパクトは・・

とはいえ自分は引き込まれるように読み干してしまいましたが。
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好みの問題? (緑雨)
2005-07-12 19:26:55
期待し過ぎってのと、後は好みの問題かな。

サラッとした感じの、あんまり好きじゃないもんで。

どうやら直木賞候補作になったみたいですね。
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