そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

『1947』 長浦京

2024-09-01 16:48:00 | Books
日本人を猿呼ばわりする差別主義者が主人公の小説なんて前代未聞ではないだろうか。そういう点ではかなり変わった小説。

終戦直後、占領下の東京は荒廃と混沌が渦巻いていて、小説の舞台としてなかなか魅力的だし、アクションシーンの臨場感とスピード感ある描写は秀逸なのだが、とにかく説明セリフが多くて読んでいて辟易としてくる。

主人公と数名の女性を除くと、登場する英国人も米国人も、日本人の元軍人もヤクザ者も、キャラが立っていなくて印象が被ってしまう。それでいて、説明的で理屈っぽい似たようなダイアログが繰り返されるので、誰がどんな思惑をもっているのか、その関係性が非常にわかりにくい。

読み終わった際には、ああやっと終わってくれたか、と思ってしまった。

#ブクログ




コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『最新理論を人生に活かす「... | トップ | 『奇跡の脳―脳科学者の脳が壊... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Books」カテゴリの最新記事