コンビニ人間 | |
村田 沙耶香 | |
文藝春秋 |
話題の芥川賞受賞作。
コンビニ店員のマニュアルを介することで始めて世の中との折り合いをつけることができる人間、というテーゼは面白いとは思う。
が、これが現代なのだ、と言わんばかりなのはさすがに短絡的なのではないかという気がする。
主人公にしても、主人公と同居することになる男にしても、やっぱり単に「おかしな人」としか思えない。
「おかしな人」をスタンダードに据えられても困ってしまう。
マイノリティの悲哀を描こうとしたというのならまだ解るが、そうだとしたら凡作だろう。
読んでも特に得るものがなかったな、と思ってしまう自分は、今の世の中が見えていないだけなのかもしれないが。