「ロマンシング・ストーン/秘宝の谷」
原題:ROMANCING THE STONE
1984年 アメリカ/メキシコ 106分
■監督:
ロバート・ゼメキス
■出演:
マイケル・ダグラス
キャスリーン・ターナー
ダニー・デヴィート
●あらすじ
トラブルに巻き込まれた姉を助けるため、コロンビアへ向かった女流作家を待ち受けていたのは
秘宝をめぐっての争奪戦だった。
主人公の書くロマンス・アクション小説ばりの展開も楽しく、
キャスリーン・ターナーの魅力がフルに発揮されたアクション編。
(TSUTAYA DISCASより)
★感想など
1980年代前半は「レイダース/失われたアーク≪聖櫃≫」の大ヒットにより、秘境冒険物と言う映画があった。
本作が公開された1984年~1985年辺りがピークな感じがしていて
1984年には本作と本家「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」が公開。
翌1985年には超大傑作である「ロマンシング・アドベンチャー/キング・ソロモンの秘宝」が公開。
個人的にはこの3シリーズが、メジャー系秘境冒険物3大シリーズだと思っている。
しかしその3大シリーズで、このシリーズだけ今まで観ていなかった。
女性が主人公だけに、女性版インディ・ジョーンズと良く称されていたよね。
しかも結構面白いとの評判だった。
そこで観始めてみたら、マイケル・ダグラスがプロデュースしていて監督があのロバート・ゼメキス!
さらにダニー・デヴィートも共演しているとあれば、これ絶対に面白いじゃん!
と期待しながら観始めたら、その期待は粉々に打ち砕かれたね。
まずこの映画は冒険物ではないな。
インディみたいなハラハラドキドキするシーンでハラハラドキドキさせない。
クライマックスで念願の秘宝を見つけるシーンも、全然冒険じゃなく、
まるで近所の裏庭にちょっと足を踏み入れちゃったくらいの超ゆるさで、ハラハラドキドキ感はゼロ。
途中の冒険も全部巻き込まれと言うか、主人公たちが頑張ってる感が薄いのも盛り上がらない一因。
さらにたまーに挿入されるコメディっぽい演出が全てすべっていてサムイ。
これは名優のダニー・デヴィートをもってしてもだ。
さらに音楽が冒険映画には致命的にあっていない。
そして極めつけなのが、登場人物の相関関係がさっぱり分かりづらいところだ。
姉の旦那を殺して姉をさらった連中の阿保さに加えて、
現地入りした途端に主人公たちを執拗に追いかけてくる警察官。
彼らの目的がさっぱり分からないため、この映画を観ている最中、常に何でこいつらに追いかけられているんだろう?
と言う疑問が頭を離れない。
そしてトドメが主人公のヒロインに魅力がない事かな。
この作品のヒロインが、「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」のあの女の子だったら、もっと面白くなったと思う。
頑張って最後まで観た結果、この映画は30代独身女性が思い描く少女漫画だなって感じだった。
脚本家が女性らしいし、結局やってる事は白馬の王子様との恋愛映画って感じなんだよね。脚本の骨子が。
と言った訳で、結構期待したら大いにスカされた本作。
まあ興味がある人は是非。当時は大ヒットしたらしいし。
さらに「ナイルの宝石」という続編もあるし。