レレレへの道

日々鑑賞した映画の中で、レレレに書かない映画の感想です

子連れ狼 冥府魔道

2024年06月14日 19時10分44秒 | スペクタル/史劇/時代劇

「子連れ狼 冥府魔道」
1973年 日本 90分
■監督:
 三隅研次
■出演:
 若山富三郎
 富川晶宏
 大楠道代
 佐藤友美
 山城新伍
 大滝秀治

●あらすじ
幼子の大五郎を乳母車に乗せてさすらいの旅を続ける、元公儀介錯人の拝一刀。
彼ら父子に筑前黒田藩の密使たる剣の使い手たちが次々と襲い掛かるが、
実はそれらは、一刀の実力のほどを測る腕試しだった。
同藩の存続に関わる重大な機密情報を知った公儀探索方の隠密が、密書を持って江戸へ向かうのを、
どうか阻止して密書を奪ってほしいと、くノ一忍者たる不知火から同藩の苦しい事情を聞かされた一刀は、
その仕事を引き受ける。
(WOWOWより)

★感想など
シリーズ第五弾。
全体的な雰囲気が過去4作と何か違うなと感じていたら、本作から勝新太郎が製作から外れて
代わりに主演の若山富三郎が製作に入ったらしい。
そのせいか、一本芯が通っているブレない作風になった感じがする。
何と言うか王道とでも言うか。
今までのは娯楽要素であれば、とにかく何でもかんでもドカドカとバランス関係なくぶっこんでいたイメージ。
その辺の感覚が、まるで当時の香港映画っぽくてこのシリーズの良いところでもあったのだが
一転本作のような、どっしりと構えた時代劇と言うのも悪くないね。
今までは過剰にあった女の裸と、ホラー映画さながらの残酷描写はしっかり無くなり
主人公の一人なのに、只の人形のような扱いでしかなかった大五郎に
初めてとも言えるくらいの見せ場まで用意する辺り、ドラマ部分に重点を置いた、新しい試みとも言えるかも知れない。
とは言え、映画版のシリーズは次作が最終作。
この作風チェンジがどのような影響を及ぼしたのか。
次回はその辺を楽しみにして、観る事としよう。
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赤穂城断絶

2024年02月15日 18時33分05秒 | スペクタル/史劇/時代劇

「赤穂城断絶」
1978年 日本 162分
■監督:
 深作欣二
■出演:
 萬屋錦之介
 千葉真一
 松方弘樹
 成田三樹夫
 渡瀬恒彦
 森田健作
 西郷輝彦
 江波杏子
 丹波哲郎
 金子信雄
 近藤正臣
 峰岸徹
 橘麻紀
 宮内洋
 野口貴史
 曽根晴美
 天津敏
 遠藤太津朗
 大滝秀治
 三船敏郎

●あらすじ
「柳生一族の陰謀」の深作欣二と萬屋錦之介が忠臣蔵に挑んだ大型時代劇。
様式美にとらわれないドキュメンタリータッチの作風は、まさに深作欣二ならでは。
小林平八郎を演じた渡瀬恒彦がブルーリボン賞、キネマ旬報賞、報知映画賞、市川雷蔵賞などを受賞した。
吉良上野介に対し刃傷に及んだ浅野内匠頭が切腹させられ、赤穂はお家断絶となり、領地を召し上げられてしまう。
大石内蔵助は家臣たちから誓紙血判を集め、仇討ちの準備を始める。
(TSUTAYA DISCASより)

★感想など
「忠臣蔵」若しくは「赤穂浪士」
有名な話であり、昔は良く映像化されていたキラー・コンテンツ。
よくテレビ東京で大晦日に12時間連続でドラマ放映してたよね。全6部構成とかでね。
とは言っても「忠臣蔵」って観た事がなかったので、深作欣二版で初鑑賞。
監督が深作欣二の時点ですでにちょっと違うんだろうなと思いながらも早速鑑賞。
江戸城の松の廊下のシーンから始まるのは、あまり無いパターン?
吉良上野介役が金子信雄と言うのが、いかにも深作欣二って感じで最高だが
この出だしだと、金子信雄にちょっとイヤミ言われただけなのに
浅野内匠頭がいきなり切りかかったようにしか見えず、何故そのような行為に及んだのかが不明。
他にも大石内蔵助が仇討ちをするのかしないのかが、全編を通してどっちつかずで良く分からない。
特に中盤で大石内蔵助が妻子を故郷に返した後に、酒と女遊びに狂ってしまったのは、一体何でだったのかが不明のままだった。
まあこの映画を観ても、正しい「忠臣蔵」のストーリーは分からないが
監督が深作欣二で、出演者に金子信雄・松方弘樹・成田三樹夫・渡瀬恒彦・丹波哲郎・遠藤太津朗と
いつもの「仁義なき戦い」メンバーが揃っているので、そういった楽しみを見出して鑑賞すれば吉でしょう。
他にも千葉真一の風貌が。新日本プロレスの内藤哲也にそっくりだとか
今では放送禁止用語連発の会話により、もうテレビでは放送不可だろうなあとか色々考えつつも
豪華なセットや、大量のエキストラの数などをみると、この時代の超大作時代劇は楽しくなれて幸せだなあと思えるよ。
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子連れ狼 親の心子の心

2024年01月16日 18時14分35秒 | スペクタル/史劇/時代劇

「子連れ狼 親の心子の心」
1972年 日本 81分
■監督:
 斎藤武市
■出演:
 若山富三郎
 富川晶宏
 林与一
 山村聡
 東三千
 小池朝雄

●あらすじ
幼子の大五郎を乳母車に乗せてさすらいの旅を続ける元公儀介錯人の拝一刀は、
今は亡き尾張藩士の妻女から、夫を殺した女性剣士・お雪を斬るように依頼される。
お雪の消息を探るうち、一刀は、彼女が大道芸人たちの集団・乞胸の出身者であることや、
尾張藩主に護衛役として取り立てられた彼女が、
妖術を操る武芸者・孤塚円記にたぶらかされて辱めを受けたこと、
そして、いまや彼女が円記との雪辱戦に燃えていることなどを知る。
(WOWOWオンラインより)

★感想など
まあいつもだけど、このシリーズって脚本は弱いと思っている。
メインとなる話があまり展開しないところに、関係ない話がぽんぽん混じってきて
そこに敵との血みどろアクションと、女性の裸が挿入されると。
シリーズ第四弾となる本作も正にそれで、特に今回は話の核となるお雪が
敵を欺くために乳房に彫った入れ墨を相手に突然見せ、驚いた隙に切ると言う技を使う設定なので
まるでこれは必然だろと言わんばかりに、脱ぎまくる。
こう考えるとまさに、観客を大人の男のみにしか向けて作ってないよね。
あと、子連れ狼と言えば有名な”しとしとぴっちゃん”って言う歌。
あの歌が突然挿入歌として出てきたんだけど、かなり浮いた感じだったなあ。
あまり深く考えていないと言うか、このシリーズ自体が全て勢いで作っているような感じだからな。
でもまあそれがこのシリーズの良いところだけどね!
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忍者武芸帖 百地三太夫

2024年01月10日 19時47分35秒 | スペクタル/史劇/時代劇

「忍者武芸帖 百地三太夫」
1980年 日本 117分
■監督:
 鈴木則文
■出演:
 真田広之
 千葉真一
 蜷川有紀
 夏木勲
 佐藤允
 志穂美悦子
 丹波哲郎
 火野正平
 小池朝雄

●あらすじ
鈴木則文監督が手掛けたアクション時代劇。
伊賀の忍者・百地三太夫の一族が将監に滅ぼされて10余年後。
中国で修業を積んだ三太夫の遺児・鷹丸は残党と再会し、豊臣への復讐と一族の復興を誓う。
主演は本作が本格的デビュー作となる真田広之。
(TSUTAYA DISCASより)

★感想など
真田広之の主演デビュー作との事だからか、全編真田広之のアピール映画な感じ。
とにかく出ずっぱりな印象で、真田が走る! 真田が動く! 真田が笑う! 真田が歌う!
で2時間終わる感じ。
だがそんな彼を千葉真一率いるJACが全面バックアップって感じで、アクション面が相当ヤバイ事になっている!
真田広之のアクションは、完全に当時の香港映画を超えていて、レベルで言えば1985年前後のジャッキーレベル。
高さ25メートルのお城のセットからジャンプするシーンなんて、「プロジェクトA」の時計塔のシーンを彷彿とさせるし
細かな一つ一つのアクションも、完全に香港映画より上。
そこに先輩である志穂美悦子が「女必殺拳」ばりに中国女性に扮し、ピンクのダブルヌンチャクで大暴れもしてくれる。
御大千葉真一の悪役も格好良いし(途中真田広之のキンタマ鷲掴み拷問とかするけど)
丹波哲郎の師匠役も最高に格好良かったり、
「トラック野郎」シリーズの春川ますみが淀君の役で出てきたりなど、もうとにかく最高だ!
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魔界転生

2023年12月21日 06時43分52秒 | スペクタル/史劇/時代劇

「魔界転生」
1981年 日本 122分
■監督:
 深作欣二
■出演:
 千葉真一
 沢田研二
 佳那晃子
 緒形拳
 室田日出男
 真田広之
 松橋登
 成田三樹夫
 岩尾正隆
 内田朝雄
 野口貴史
 丹波哲郎
 若山富三郎

●あらすじ
山田風太郎の忍法帳ものから「忍法魔界転生」を映画化。
寛永の時代のある夜、島原の乱で殉死したはずの天草四郎が再び命を取り戻す。
彼は自分と同じように不本意な死に追いやられた人々を集め、時の将軍家綱に復讐を開始するが、
彼ら魔界衆の前に柳生十兵衛が敢然と立ちふさがった。
(TSUTAYA DISCASより)

★感想など
この映画は昔から傑作として有名だよね。
確か沢田研二の妖艶な演技と、男同士のキスが有名なんだっけ?
でもそんなの全体から見たら些末な事で、このおどろおどろしい雰囲気や
アクションも演技も、全て本気なのが圧巻過ぎて、最高に楽しい超娯楽作である。
この辺は流石、深作欣二と言ったところで、本当に彼の監督作にはハズレが無いなあ。
ラストシーンもマジでヤバく、物凄い炎の中央で殺陣を披露する千葉真一と若山富三郎の格好良い事。
物凄い炎の中に登場するシーンも最高に格好良く、登場するのは千葉真一のみならず沢田研二もだが
特撮ではなく本物の炎の中での撮影なので、これが本当に格好良い。必見である。
また脚本の方も山田風太郎の原作らしく、荒唐無稽な展開も多いが、それがあまり嘘くさく感じないのが素晴らしい。
この辺は深作組による映画化パワーと言ったところだが、一つ気になったのは真田広之の役どころ。
何でも真田広之の役は原作にはなく、映画化するに当たって追加されたキャラクターらしいが
そのせいかこのキャラクターだけ、映画の世界観から浮いているように感じた。
なんか一人だけしっくりこないなあと言う感想だったのだが、原作にはいないキャラとの事で、それも納得と言った感じだった。
ただそこまで変だとかと言う訳ではなく、何か違和感を感じるとかその程度なので、そこまで気にする程でもないかも知れないが。
まあ他にもすぐにおっぱいが出てくる無駄なエロさがある辺りも含めて、
本当に当時の邦画は大人を楽しませるための娯楽映画なんだなと思った。
とにかく必見の面白さです!
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