レレレへの道

日々鑑賞した映画の中で、レレレに書かない映画の感想です

憲兵と幽霊

2024年01月31日 18時43分47秒 | 怪奇/スリラー/幻想

「憲兵と幽霊」
1958年 日本 73分
■監督:
 中川信夫
■出演:
 天知茂
 中山昭二
 久保菜穂子
 三原葉子

●あらすじ
軍の機密文書が何者かに盗まれた。
波島はそれを田沢の仕業であると断定、田沢は無実にも関わらず自白を強要された末射殺される。
だが全ては田沢の妻に目を付けた波島の謀略であった。
田沢は亡霊となって甦り、その怨念に悩まされた波島は破滅の道を歩んでいく。
(TSUTAYA DISCASより)

★感想など
「憲兵とバラバラ死美人」とあわせて、新東宝憲兵二部作と言われている作品。
一般的にはこちらの「憲兵と幽霊」の方が評価が高いようだが、
私は「憲兵とバラバラ死美人」の方が好みであった。
まずストーリーや話の構成は、圧倒的に「憲兵と幽霊」の方が上。
話の骨格がブレてなく、一本道のストーリーは観ていて安心感がある。
また前作ではチョイ役だった天知茂が、今回は最初から最後まで出ずっぱりなところもポイント高し。
ただ随分と小物な悪役だが、それでも本作の話の中心に座っているのは、天地茂で間違いない。
タイトルにあるような幽霊物としては、結構弱いかなと言う気はする。
だがラストの墓場でのシーンは、公開当時としては相当怖かっただろうなとは思う。
何せ1958年と言えば、まだ昭和33年だからね!
昭和33年当時の本物の国鉄列車が走る街並みで撮影されている本作。
それだけでも堪らん魅力だが、中国の街を再現したセットも中々雰囲気が出ていて
話がきちんとまとまっているから、安心して楽しめる一本と言える。
ただ前作の「憲兵とバラバラ死美人」が持つ荒々しさとか、結果的に複雑化したプロットとかの
怪しげな雰囲気も、捨てがたい魅力がある。
果たしてどちらの方が良いのかは、それぞれ見比べてみて下さい。
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憲兵とバラバラ死美人

2024年01月29日 17時50分52秒 | 怪奇/スリラー/幻想

「憲兵とバラバラ死美人」
1957年 日本 73分
■監督:
 並木鏡太郎
■出演:
 中山昭二
 天知茂
 鮎川浩
 小高まさる
 細川俊夫

●あらすじ
帝国陸軍内で発生した猟奇事件を描く怪奇スリラー。
日本軍の歩兵部隊で、井戸から死体が発見されるという事件が発生した。
調査に赴いた小坂憲兵は、死体が陸軍病院でバラバラにされたことを突き止めた。
やがてその線から一人の男が浮かび上がる……。
(TSUTAYA DISCASより)

★感想など
天知茂の大ファンである私は、江戸川乱歩の美女シリーズは全作観終わっているので
新作を求めると、若手の頃の新東宝映画を探すしかないんですよね。
本作も1957年と相当古い作品で、憲兵を主役にすると言うのも今ではもう作られない内容であろう。
内容の方はホラー風味強めのスリラーと言う言葉がピッタリである。
推理物の要素もきちんと骨格としてありながら、序盤は帝国陸軍内の理不尽な描写が目に留まる。
実際序盤の、とある特殊な状況の井戸水で作ったご飯を新兵に食べさせるシーンなどは、おぞましい事このうえない。
その後は東京から来た憲兵の助手役である鮎川浩の、ちょっとコミカルな演技を楽しむ。
彼は後に「ゴジラ」シリーズで、何回か見た顔なので、本作でも出会えてちょっと嬉しかった。
そして天知茂が拷問に耐えるシーンで関心し、謎解きへ進む構成と。
天知茂の拷問シーンは中々凄くて、逆さづりにされた状態で水をぶっかけられると言う過酷なもの。
こういったシーンを頑張って演じていた若き日の天地茂を見られるだけでも、本作には価値があるかも。
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その後の仁義なき戦い

2024年01月28日 17時30分35秒 | やくざ/マフィア/ギャング/ノワール/不良

「その後の仁義なき戦い」
1979年 日本 128分
■監督:
 工藤栄一
■出演:
 根津甚八
 宇崎竜童
 松崎しげる
 原田美枝子
 ガッツ石松
 松方弘樹
 小池朝雄
 成田三樹夫
 山城新伍
 金子信雄
 山崎努
 松尾嘉代
 小松方正
 宮内洋
 泉谷しげる

●あらすじ
監督も深作欣二から工藤栄一に代わり、いわば“仁義なき戦い”の番外編的作品。
暴力組織の内部抗争の渦の中で、翻弄される若いヤクザたちの
友情や裏切りなどその激烈な生きざま、死にざまを描く。
大阪に本家を置く、大暴力団・石黒組。
その石黒組の若頭が交通事故で急死した。
傘下の浅倉組と花村組は、空いた若頭の椅子を巡って対立が深まっていく……。
(TSUTAYA DISCASより)

★感想など
「仁義なき戦い」とタイトルについていながら、本家シリーズとはかけ離れた内容から
「仁義なき戦い」のシリーズとして認めるか否かと言う、
まるでブルース・リーの「死亡の塔」をブルース・リー作品として認めるか否かのような論争を生んだ作品。
今回、意を決して観てみたが、個人的にこれは「仁義なき戦い」ではないな。
まず音楽が全然違う。あのテーマも流れないし、音楽担当が柳ジョージだし
劇中にダウンタウン・ブギウギ・バンドが出ているのもあって、ずっとそういった歌が流れている。
さらに最初からずっと松崎しげるのモノローグが続くし
主演三人が根津甚八、宇崎竜童、松崎しげるなので、全然やくざ映画っぽくない。
どちらかと言うと、70年代ヒッピー物語って風情だ。
一応松方弘樹、小池朝雄、成田三樹夫、山城新伍、金子信雄とオリジナルメンバーや
新から山崎努なども出ているが、ちょっと全然仁義っぽくなかったなあ。
これならタイトルから「仁義なき戦い」を外した方がしっくりくると思うが
それならそれで誰も興味持たなかったかもね。
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死刑確定 III

2024年01月25日 18時50分07秒 | アクション

「死刑確定 III」
2005年 日本 88分
■監督:
 宮坂武志
■出演:
 竹内力
 村井美樹
 本宮泰風
 小沢和義

●あらすじ
しがない交番勤務を続ける如月優二は、拉致監禁人身売買グループを追い詰めるため、
元同僚で親友のエリート刑事・武藤を訪ねるが、
武藤は拉致グループに娘を人質にとられ、人身売買の片棒をかつがされる。
正義か友情か?
優二と武藤はお互いに命を懸けて銃を向けあう──!
(東映ビデオより)

★感想など
と言った訳で、こちらも続き物だったので後編となるパート3を鑑賞。
2に比べるとストーリーが良く展開するので、3の方が面白かった。
だが段々と1の世界観が壊れていってきていて、竹内力のアクションは1の時はクールな感じで
どちらかと言うと「マニアック・コップ」みたいな感じだったのに、
本作では目をむき出して感情あらわに敵を射殺するシーンは、まるで張學友(ジャッキー・チュン)のようであった。
他にも警察マニアのやつも、今までは竹内力に無理やり突き合わさせられる気弱な感じだったのに
本作ではイケイケな性格になっちゃってた。
他には小沢和義がかなり渋い役どころで、演技面での主役は完全に小沢和義と言ったところ。
ラストのあのオチもベタ中のベタなのだが、このシリーズではむしろ正解と言った感じで格好良かった。
とまあ勢いで2,3と観てしまったが、どうやら4と5も前・後編となっているらしいので
その内まとめて観る事としよう。
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砂の器

2024年01月25日 18時49分26秒 | ドラマ

「砂の器」
1974年 日本 143分
■監督:
 野村芳太郎
■出演:
 丹波哲郎
 森田健作
 加藤剛
 島田陽子
 加藤嘉
 笠智衆
 佐分利信
 緒形拳
 渥美清

●あらすじ
松本清張の同名小説を、野村芳太郎監督、橋本忍・山田洋次脚本で映画化した社会派サスペンス。
迷官入りと思われた殺人事件を捜査する二人の刑事の執念と、
暗い過去を背負うがために殺人を犯してしまう天才音楽家の宿命を描く。
ある日、国鉄蒲田操車場構内で扼殺死体が発見された。
被害者の身許が分らず、捜査は難航した。
が、事件を担当した今西、吉村の両刑事の執念の捜査がやがて、
ひとりの著名な音楽家・和賀英良を浮かび上がらせる……。
(TSUTAYA DISCASより)

★感想など
と言う訳で「砂の器」を観てみました。
こちらは松竹と言う事で、沢山の色々な日本の風景及び、当時の国鉄列車も堪能でき、なんか松竹っぽいなと感じた。
そう言えば渥美清や笠智衆と言った「寅さん」でお馴染みの面々に出会えるのも、松竹だからだね。
しかし主演は丹波哲郎であり、ほぼ最初から最後まで丹波哲郎中心で話が進んでいく。
丹波自身もいつもとはキャラクターが違い、良いことがあると飲み屋で楽しく飲む明るいおじさん像なところなど、新鮮である。
しかしコンビを組む森田健作が、若さが暴走したキャラクターで、これがちょっとウザかった。
だが他は名優揃いなので、安心して観る事ができる。
脚本の方も事件を追いかけていく事に終始してブレていないので、じっくり事件を追う事ができる。
風景も昭和の日本を見る事ができるし、やっぱりこの頃の邦画の雰囲気は最高だなあと実感してしまった。
と言う訳でミステリーとしてはいささかご都合主義な部分もあるが、
骨太なドラマである事は間違いなく、本作のテーマに興味がある人は楽しめるかも。
ところで「飢餓海峡」とあわせて、邦画の名作か。と言う点においては、
両作とも力作である事は間違いないが、名作かと言われるとそこは難しい。
名作とはなんぞやの定義付けは、きっと人それぞれだと思うので。
そう言えば東北弁で鎌田を言おうとするとカメダに聞こえると言うネタが「踊る大捜査線」の映画にあったけど
それの元ネタが本作らしいね。
そういった「踊る」ファンの方にもオススメかも。
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