レレレへの道

日々鑑賞した映画の中で、レレレに書かない映画の感想です

危うし!タイガー

2025年02月17日 20時53分40秒 | 功夫/空手/武侠片

「危うし!タイガー」
原題:硬漢/TOUGH GUY
1972年 台湾 91分
■監督:
 江洪(チャン・フン)
■出演:
 陳星(チェン・シン)
 于洋(ユー・ヤン)
 張力(チャン・リー)
 山怪(サン・カイ)
 馮克安(フォン・ハックオン)
 火星(マース)

●あらすじ
いままでにもチェンシン(陳星)というゴツいタフガイが何度か出てきたであろう。
年はとっているが、空手4段というスゴ腕で、
7年間もショウ・ブラザーズでアクション映画ばかりに出たあと、スターになった。
”鋼鉄”というアダ名がある。
この映画では007みたいな秘密情報部員を演じ、頭がい骨割り、虎口わざ、
大跳躍げり、天山越えなどのスーパーテクニックをみせる。
事故で左足をケガしたが、みごとに再起した。
(ドラゴン大全科より)

★感想など
最近、陳星(チェン・シン)の事が気になっているので、一本観てみた。
陳星が気になったキッカケは、倉田さんのインタビューで語られるエピソードが面白いからだ。
当初は下っ端の役ばかりで、倉田さんにいつも愚痴っていたらしい。
愚痴の内容も「俺には妻子がいるのにこの稼ぎじゃあ」とか「飯を食わしてくれよ」とか
とにかくいつもかねが無かったらしい。
だがそんな陳星も「蕩寇灘」という主演映画が大ヒットしたら人柄が変わってしまったらしい。
それでもケチは相変わらずだったらしいが。
そんな陳星の異名は、”香港のチャールズ・ブロンソン”
でも本作の冒頭では、瘦せた顔にさらさらの長髪が、イメージと違っていて違和感が凄かった(笑)
映画の内容の方は恐ろしく単純な話で、長さ的にショートショートの小説でも、
捻りくらいは入っているぞと突っ込みたくなる程の、一本道ストーリーだった。
さらに当時の台湾映画ぽく、とりあえず功夫シーンは沢山入れておけの精神で、とにかく戦うシーンは多い。
だが「ドラゴン大全科」の日野先生の解説にある、
頭がい骨割り、虎口わざ、大跳躍げり、天山越えなどのスーパーテクニックが
一体どの技を指していたのかは、さっぱり不明だったけどね(笑)
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武道大連合 復讐のドラゴン

2025年02月10日 19時59分23秒 | 功夫/空手/武侠片

「武道大連合 復讐のドラゴン」
原題:方世玉/THE PRODIGAL BOXER
1972年 香港 90分
■監督:
 歐陽俊(チャイ・ヤンミン)
■出演:
 孟飛(リー・フォアマン)
 倉田保昭
 李琳琳
 白虹(パイ・ハン)
 王青(ワン・チン)
 馮克安(フォン・ハックオン)
 劉家榮(ラウ・カーウィン)

●あらすじ
「嵐を呼ぶドラゴン」で、フーシェンが演じた有名人物フォンサイヨーをリー・フォアマン、
彼に殺された暗黒街のボスの用心棒を倉田の悪役。
倉田にとっては好きな映画ではないそうだ。
が、殺し屋ぶりは堂々。
(ドラゴン大全科より)

★感想など
いやあ、本当に「ドラゴン大全科」の日野康一先生の解説は最高だなあ。
本作は倉田保昭にとって、「帰ってきたドラゴン」に続いて日本で公開された二作目の映画。
なのに、倉田にとっては好きな映画ではないそうだ。だもんね。
まあ香港功夫映画ファンの間ではかなり有名な作品だが、実際そんなに面白くはなかった。
まず主人公の方世玉が倉田さんたちに挑む⇒負ける⇒特訓する⇒また挑む。
この全く同じ流れを三回行う。
なので30分物の同じ話を三回連続で見せられているような気になる。
おまけに主人公の方世玉の性格が中々最悪で、過去ここまで自分勝手で嫌なやつだった方世玉は初めてだ。
おまけにその方世玉役を演じている孟飛(リー・フォアマン)は、この当時功夫が出来なかったらしく
その動きは正に素人そのものなので、格闘シーンが見ていられない。
一方悪役側は、倉田さんと王青(ワン・チン)が兄弟で、ワン・チンは拳技を極め
倉田さんは蹴り技を極めると言う分業作業にしたのだが、なまじ技を分けたせいか
この二人戦う時はいつも二人一緒である。
それは例え相手が一人でも、彼らはいつも二人セットで戦うので、卑怯極まりないように見えてしまうのだ。
またそれぞれが一対一で戦うと弱い点も、なんだか小物臭さが滲んでしまっている。
倉田さんの殺し屋ぶりは確かに堂々としていて格好いいんだけどね。
さてそんな風であり、出演していた倉田さんもリー・フォアマンが功夫できないから手加減していたと語っていたり
共演のワン・チンの事を思い出すのに、「ああ、あの口のでかい」と面白い思い出し方をするくらい
確かに何か全体的にこの映画の事を好きではない雰囲気は感じられるのだが
本作はフィリピン等東南アジアで猛烈にヒットしたらしく、その事は事実として語っていましたね。
でも「何故かヒットした」と疑問系なところが笑っちゃうけど。
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アイアンマンと不思議な仏像

2025年02月07日 23時20分43秒 | 功夫/空手/武侠片

「アイアンマンと不思議な仏像」
原題:BAMBOO GODS & IRON MAN
1973年 アメリカ/フィリピン 95分
■監督:
 チェザール・ガラルド
■出演:
 ジェームズ・イングルハート
 シャーリー・ワシントン
 チキート
 マリッサ・デルガド
 ボニー・ケイ・エディ

●あらすじ
アメリカのボクシング世界チャンピオンであるキャル・ジェファーソンは
新婚旅行先の香港のお土産屋で、木彫りの仏像を購入する。
しかしその仏像には世界を制覇できるほどの不思議な秘密が隠されていると言われ
二人は仏像を狙ったマフィア一味に追いかけられる事になる。

★感想など
この映画、大昔からタイトルとジャケット写真だけは知っていた。
いつか観てみようかなリストにはあったので、内容を良くしらないまま鑑賞スタート。
そうしたら黒人とユルイ功夫が混ざった、ブラックスプロイテーション映画だったよ。
まあ制作年度が1973年なら、そりゃそうか。
だが本作はフィリピンのプロデューサーであるシリオ・H・サンチャゴが
アメリカからの依頼で制作されたらしい。
だからか舞台は最初は香港で、すぐにフィリピンに移動するし
フィリピン映画界のスターであるチキートも出演して、どちらが主役が分からないくらいの活躍を見せる。
と言っても本作の功夫シーンのレベルは本当にヒドクて、
ほぼ素人と言っても過言ではないくらいの出来だったよ。
おまけにストーリー展開の進みも遅く、全体的にかなりのユルい映画であった。
だが駄作と言うわけでもなく、どこか不思議な魅力があって気づいたら最後まで観ていた感じ。
まず冒頭に香港の街並みを映しているのだが、これが「燃えよドラゴン」に良く似ている。
だが当時の香港映画ではそういった街並みの映像は見た事がないから、
あの香港の風景って、外人から見た香港のイメージなのかなあと思って見ていると、とても楽しい。
あと、ブラックスプロイテーション映画って、エロ描写が結構多いね。
過去に観たいくつかのブラックスプロイテーション映画も同じだったので、
功夫・音楽・エロで構成されているブラックスプロイテーション映画って、正に映画は娯楽だね!
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激殺! 邪道拳

2025年02月07日 23時20分21秒 | 功夫/空手/武侠片

「激殺! 邪道拳」
1977年 日本/香港/タイ 94分
■監督:
 野田幸男
■出演:
 千葉真一
 志穂美悦子
 春田三三夫
 山下タダシ
 鹿村泰祥
 楊斯(ヤン・スエ)

●あらすじ
空手道場の師を殺した同僚サムソンと対決し瀕死の重傷を負った主人公が、
不思議なタイ娘の神秘的な笛の音と奇妙な電気メカ治療で奇跡的に体力を回復する。
主人公が再び復讐を誓ったとき、この電気マシーンが
筋肉と反射神経を刺激して彼を異常な肉体に作り上げた。
狂気と化した腕や脚で、麻薬シンジケートのボスにおさまったサムソンと
その一味に超人的な闘技を仕掛けて対決していく…。
(一般社団法人日本映画製作者連盟より)

★感想など
楊斯(ヤン・スエ)が原案と言っているけど、本当かなあ?
まあそれはさておき、キャスト陣の豪華さは物凄いものがある。
千葉真一に志穂美悦子、さらに山下タダシと鹿村泰祥とくれば、
当時の東映カラテ映画の主力メンバーがほぼ揃っていると言っても過言ではない。
そこに香港の楊斯も加わるのだから、正に東映カラテ・オールスター映画。
まあ本当はここに倉田さんがいれば完璧と言えるのだが。
だがそんな観る前の大きな期待感は、無残にも打ち砕かれた。
まずストーリーが面白くない。
続いて千葉真一のキャラクターが終始ブスっとしていて、全く魅力がない。
そしてアクション面が全くイケてない。
これはかなり大きく致命的な事だ。
当時のJACと香港映画が合体したら、一体どれ程のアクションが見られるのかと思ってしまうが
本作はその真逆で、かなり平凡で期待外れだし、何より千葉真一の動きが全然シャープじゃない。
これは一体どうしたものなのだろうか。
さらに期待していた、千葉真一VS楊斯の戦いも、二人は一度も手を合わせないまま映画は終了してしうのだ。
なんでだよ!
思えば楊斯って「燃えよドラゴン」でもブルース・リーとは結局戦わなかったし、
いつもそうやってこちらの期待をスカしてくれるよな。
後に「大福星」に出演した時も、結局BIG3の誰とも戦いはしなかったしな。
まあ何故かDVD化されていない本作だが、この内容だからスルーされたのかな?
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盲(めくら)坊主対空飛ぶギロチン

2025年02月01日 18時47分36秒 | 功夫/空手/武侠片

「盲(めくら)坊主対空飛ぶギロチン」
原題:盲俠血滴子/The Blind-Swordsman's Revenge
1972年 台湾 92分
■監督:
 屠忠訓
■出演:
 勝新太郎(ソックリショー)
 康凱
 陳鴻烈(チェン・ホンリエ)
 陳佩玲
 龍飛(ロン・フェイ)
 山茅(サン・マオ)

●あらすじ
勝新太郎のモノマネで活躍した“勝新太郎(ソックリショー)”こと
酒巻輝男が主演のアクション時代劇。
故郷・中国を離れ、単身日本で剣術を学んだニセ座頭市。
帰郷の際に兄が決闘に敗れたことを知り、仇の“空飛ぶギロチン”使いを討つことを決意する。
(TSUTAYA DISCASより)

★感想など
主演の勝新太郎(ソックリショー)と言うのは、まんまこの通り字幕で出てくる。
ちょっと調べてみると勝新太郎のそっくりさんとしてショーをやっていたらしい。
そのショーの名前がソックリショーで、その時の芸名は勝利太郎なのかな?
まあどっちにしても偽者なのだが、顔はまあまあ似ている。
だが仕込み杖を使ったアクションがまるでダメだった。
物凄い素人感があり、例えるならファミコン版勝新太郎と言えるくらい動きが違う。
そしてこのDVD、恐ろしく状態が悪い。
フィルムの色が途中でセピア色になるとかは、古い香港映画なら当たり前だが
本DVDは恐らくVHSを何十回もダビングしたものがマスターなのだろう。
VHSを再生した時のあの波も出てくるし、何よりひどいのが音で、途中で音が途切れるどころか
無音になるシーンも多々あり、ここまでヒドイ状態のものは初めてだなあと思いながら観ていた。
だがそんな状態は我慢できる。
歴史的にレアな映画が観れるのであれば、そんな事は我慢できる。
だがそれ以上に本作はストーリーが滅茶苦茶過ぎて訳が分からなかったなあ。
当時の台湾映画なので闘いのシーンはそれなりに多いのだが、その時闘っている二人が
一体何で闘っているのかが観ていて分からないのだ。
ラストにタイトル通りに偽座頭市と空飛ぶギロチンが闘うのだが、
そもそもこのギロチン使いは何で偽座頭市を襲っているんだっけ?
と言った辺りがさっぱり分からなかったのだ。
他にもこういった組み合わせは多数あり。
まあ功夫映画マニアであれば本作をチェックしてみてください。
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