レレレへの道

日々鑑賞した映画の中で、レレレに書かない映画の感想です

地獄(1999)

2024年08月25日 14時15分20秒 | 怪奇/スリラー/幻想

「地獄(1999)」
1999年 日本 101分
■監督:
 石井輝男
■出演:
 佐藤美樹
 前田通子
 平松豊
 薩摩剣八郎
 丹波哲郎

●あらすじ
中川信夫監督「地獄」を、神代辰巳監督以来2度目のリメイク。
前2作がフィクションだったのに対し、本作は、連続幼女誘拐殺害事件、オウム事件、毒入りカレー事件等々、
実際に平成日本を震撼させた事件を生々しく再現し、事件を引き起こした犯罪者たちを地獄で裁くという戦慄の問題作。
人生に思い悩む少女リカは、公園で出会った老婆によって、地獄へ連れていかれる。
そこでリカが見たものは、現世で大罪を犯した亡者たちが閻魔大王の裁きによって、
鬼たちに地獄の責めを受ける阿鼻叫喚の修羅場であった。
(TSUTAYA DISCASより)

★感想など
何故か20年周期くらいで作られている地獄映画。
ラストとなる三本目は、監督が問題児石井輝男だけに、これまた大変な問題作となっていた。
まず肝心要の地獄描写は全然薄い。
過去二作とは比べ物にならない。
と言うかほとんどオマケみたいなもので、この映画はほとんどオウムの再現ドラマみたいな様相である。
そこに監督が石井輝男なので、無駄に女性の裸が出てくる。
恐らくこの映画に出ている30代くらいまでの女性は、ほぼ全員裸になっているんじゃないかな。
何せ主人公であるリカ役の佐藤美樹ですら、オウムの教祖に強姦されそうになるシーンがあるだけでなく
ラストに至っては、30人くらいの女性たちの主導者になるのだが
全員がオウムの服ならぬ下着までを脱ぎ棄てて、全裸で太陽に向かって両手を上下する謎の一体感で映画が終了するからね。
ちなみにこの両手を上下する謎の動きは、「ベスト・キッド2」でダニエルさんが沖縄で金を掛けて氷を割らされるシーンあるじゃん。
あの直前に精神統一するためにやってた動きあるじゃん。
ほとんどアレだと思ってもらえればOK!
さてそんな無茶苦茶な中に、さらにカオス要素を足すのが丹波哲郎で
最強剣士の役らしいのだが、これが三途の川で出てくる鬼たちをなぎ倒すわけわからない展開。
何でもこの役は、石井輝男監督の過去作で丹波哲郎が演じた役と同じらしいのだが
ちょっと未見なので元ネタが分からなかった。
まあ本作は地獄映画の要素はちょっと薄いと思うけど、まあ気になる人がいたら。
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地獄(1979)

2024年08月25日 14時14分51秒 | 怪奇/スリラー/幻想

「地獄(1979)」
1979年 日本 131分
■監督:
 神代辰巳
■出演:
 原田美枝子
 岸田今日子
 石橋蓮司
 林隆三
 田中邦衛
 金子信雄
 天本英世

●あらすじ
不義によって産まれた娘が、成長して母親と同じ罪を犯してしまう。
死後、彼女は地獄に堕ち、七大地獄を目の当たりにする。
業の恐ろしさを描いた幻想劇。
(TSUTAYA DISCASより)

★感想など
本作もタイトルはただの「地獄」なんだけど、前のと区別が付かないため製作年度を足してます。
さて二度目の地獄映画は、何を思ったのか東映が製作。
まあ東映は1970年代の終わりの方は、角川の横溝正史ブームにあやかって変なオカルト映画をいくつも作っていたから
本作もきっとその流れの中の一本なのだろう。
だけど閻魔大王役を金子信雄にする辺りは
流石東映だねって感じだ!
今回の人間界の話は正に横溝正史の映画の雰囲気まんまで進むのが、
いかに東映がこういった映画が作りたかったのが良く分かる。
母親が村人に殺され、死んだ後に腹から生まれた娘が主役となる話。
あっと言う間に20年後くらいになり、昔の因縁が云々とかやり出すのは、マジで横溝正史の世界だよね。
今回の主役の娘は、生まれた瞬間から地獄を背負っていると言う凄まじい設定。
そして今回地獄に落ちる理由は、ずばり”近親相姦”
色々な意味で今では作れなそうな題材にしている辺りが、いかにも東映って感じで大好きだ。
地獄描写もそれなりに良かったとは思うが、元々東映には特撮の技術力が低いのもあって
1960年版よりもチープに感じてしまうのは、いささか残念なところだ。
あと特筆すべきなのが本作のOPで流れる歌。
まず何分間も真っ暗な映像の中で、ずっと暗いフォークソングが流れるだけなのは、
映画が始まってすぐなのに、もう地獄を連想させる感じがして暗い気持ちになる。
そのフォークソングを歌っているのは山崎ハコと言う歌手で、私は聴いた事はないのだが名前は知っていた。
「課長バカ一代」と言う漫画の中で、課長たちがバンドを組んでデビューを目指すんだが
デビューと同時に解散しようと言う事に決定する。理由は斬新だから。
そこで解散する理由を決めようとなって、主人公の課長が部下たちにこう聞く。
「音楽の方向性があわないから解散することにしよう。オレは山崎ハコが好きだがお前らはどうだ?」と聞くと
何と部下たち全員が山崎ハコが大好きな事が判明。解散できなくなってしまうと言うオチで終わるんだが
その中の部下の一人が言った台詞。
「山崎ハコのオールナイトニッポン。毎週聴いてました。」
そのラジオ、気になるっ!
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地獄

2024年08月25日 14時14分16秒 | 怪奇/スリラー/幻想

「地獄」
1960年 日本 101分
■監督:
 中川信夫
■出演:
 天知茂
 沼田曜一
 中村虎彦
 三ツ矢歌子
 嵐寛寿郎

●あらすじ
“地獄”を特撮を駆使して描いた猟奇絵巻。
前途洋々たる青年・清水四郎の周囲で、次々と不幸な出来事が出現。
やがて彼を含め、全ての関係者が死んでしまう。
そして死後、彼は地獄に落された人々を目の当たりにする……。
(TSUTAYA DISCASより)

★感想など
子供の頃は、地獄と言うものが結構身近な存在であった。
悪さすると地獄に落ちるよと大人から脅されるのは常套句だったし、
地獄大百科みたいな子供向けの本も多数発売されていて
その本には閻魔大王とか極卒の姿とか、八大地獄の紹介とかが定番だったなあ。
そしてその定番通りに作られたであろう映画が本作だ。
人は悪い事をしたら地獄に落ちる。そして地獄とは三途の川を渡って閻魔大王様の裁きを受け
八大地獄のどれかにて刑を受けると。
何でそんな映画を観ようと思ったのかと言うと、主演が天知茂だから。
しかも新東宝作品とのことで、これまた興味倍増。
新東宝の映画って、当時の言葉を借りれば”通俗長編”と言った趣きで、
江戸川乱歩とか横溝正史とかで育った私には、堪らなく魅力的なんだよねえ!
さらに地獄の映画を調べてみると、同名タイトルで3本もあるらしいじゃないか!
こうなったら全部観てしまえ!
「地獄」映画三連発じゃあ!
と意気込んだのが、実はお盆の前辺り。
お盆に地獄の映画を観るとは、自分どうかしてるんじゃないかとも思ったが、観始めてみたら
仕事が地獄のようになり、この2週間全然映画を観ることもできなかった。
最後の地獄映画を観終わったのが、ようやく昨日だったことを考えると、
ここ二週間の仕事地獄は、地獄なんて映画を観ていたからかもしれないとか思ってしまった。
とまあそんな事はさておき、まず一本目となる本作。
まず地獄の描写は大変素晴らしい!
この特撮は、昭和35年当時ではかなり衝撃的だったと思われる。
それくらいきちんと地獄を描こうとしてる感じがする。
ただストーリー展開の方はちょっとダルくて、主演の天地茂が学生役と言うのもちょっと見えないが
何より彼は全く悪くないのに、自分は地獄に落ちるべきみたいに自分で自分を責めていく展開がちょっと話の筋にあってない。
そんな風に話が展開していき、美しく可憐な三ツ矢歌子含め、中盤で登場人物が全員死亡する事態に発展。
ちなみにこの全員と言うのは、多分40~50人くらいの規模である。
そしてクライマックスは登場人物全員が地獄の責め苦にあう描写で、話を盛り上げる。
まあ製作年度からも、昔からある地獄のイメージをそのまんま実写化したかのような内容は
地獄映画のスタンダードと位置付けて良いのではないか。
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アッシャー家の惨劇

2024年02月14日 18時04分47秒 | 怪奇/スリラー/幻想

「アッシャー家の惨劇」
原題:HOUSE OF USHER
1960年 アメリカ 78分
■監督:
 ロジャー・コーマン
■出演:
 ヴィンセント・プライス
 マーク・ダモン
 マーナ・ファイ
 ハリー・エラービー

●あらすじ
フィリップは婚約者のマデリンを訪ねて、ニューイングランドにある彼女の実家であるアッシャー家にやってきた。
しかし、マデリンの兄ロデリックは不気味な男で、さらにマデリンも痩せて青ざめていた。
また、屋敷の地下室には、奇怪なことにロデリックとマデリンの名を刻んだ柩があった。
フィリップはマデリンを屋敷から連れて逃げ出そうとしたが、彼女は突然死んだ。
やがて、フィリップはアッシャー兄妹の恐るべき秘密を知る…。
(Amazon Prime Videoより)

★感想など
ロジャー・コーマンが一躍メジャーになった作品。
世界初の推理小説を書いたエドガー・アラン・ポーの原作を、低予算ながらも重厚感溢れる作りにし
さらに主役のヴィンセント・プライスの名演技も加えた結果、名作との評価を頂き
ポー原作の映画化としてシリーズ化されたほどだ。
今観ても映画全体の怪奇ムード溢れる雰囲気とか、アッシャー兄妹の迫力ある演技など見所は多い。
だがアッシャー家にやってくるフィリップの性格が自己中心的過ぎて、観ていて辟易してしまったが。
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憲兵と幽霊

2024年01月31日 18時43分47秒 | 怪奇/スリラー/幻想

「憲兵と幽霊」
1958年 日本 73分
■監督:
 中川信夫
■出演:
 天知茂
 中山昭二
 久保菜穂子
 三原葉子

●あらすじ
軍の機密文書が何者かに盗まれた。
波島はそれを田沢の仕業であると断定、田沢は無実にも関わらず自白を強要された末射殺される。
だが全ては田沢の妻に目を付けた波島の謀略であった。
田沢は亡霊となって甦り、その怨念に悩まされた波島は破滅の道を歩んでいく。
(TSUTAYA DISCASより)

★感想など
「憲兵とバラバラ死美人」とあわせて、新東宝憲兵二部作と言われている作品。
一般的にはこちらの「憲兵と幽霊」の方が評価が高いようだが、
私は「憲兵とバラバラ死美人」の方が好みであった。
まずストーリーや話の構成は、圧倒的に「憲兵と幽霊」の方が上。
話の骨格がブレてなく、一本道のストーリーは観ていて安心感がある。
また前作ではチョイ役だった天知茂が、今回は最初から最後まで出ずっぱりなところもポイント高し。
ただ随分と小物な悪役だが、それでも本作の話の中心に座っているのは、天地茂で間違いない。
タイトルにあるような幽霊物としては、結構弱いかなと言う気はする。
だがラストの墓場でのシーンは、公開当時としては相当怖かっただろうなとは思う。
何せ1958年と言えば、まだ昭和33年だからね!
昭和33年当時の本物の国鉄列車が走る街並みで撮影されている本作。
それだけでも堪らん魅力だが、中国の街を再現したセットも中々雰囲気が出ていて
話がきちんとまとまっているから、安心して楽しめる一本と言える。
ただ前作の「憲兵とバラバラ死美人」が持つ荒々しさとか、結果的に複雑化したプロットとかの
怪しげな雰囲気も、捨てがたい魅力がある。
果たしてどちらの方が良いのかは、それぞれ見比べてみて下さい。
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