
「狙撃者」
原題:THE SNIPER
1952年 アメリカ 88分
■監督:
エドワード・ドミトリク
■出演:
アドルフ・マンジュー
アーサー・フランツ
ジェラルド・モーア
マリー・ウィンザー
●あらすじ
女性を憎悪する男が些細なことを理由に
ライフル銃で連続殺人事件を起こして人々を恐怖に陥れていた。
一方、彼には忌まわしい過去があり、
本人も殺人への衝動を抑えられないことに苦悩しているのだった。
(Amazon Prime Videoより)
★感想など
時代を先取りしたテーマの映画。
根本的に女性嫌いですぐにカッとなり、衝動的に女性を殺してしまうが
後からそんな自分を嫌悪し反省して、警察に自分を捕まえて凶行を止めてほしいとお願いする。
そんな犯人像は、今見ても結構新鮮である。
まあ今みると、女性嫌いと言うよりかは、童貞を拗らせて女性との付き合い方が分からない男に見えるが。
内容はかなりハードなはずなのだが、制作された時代背景なのか、
犯罪を行うのも捜査をする警察官のどちらの描写も、何かのどかな感じ。
犯人がライフルで狙撃をする場所も、被害者に非常に近い場所に陣取ったり
人から目撃されやすい場所だったりと、あまり深く考えていなさそうな辺りが最高だ。
まあその辺の緊張感はいささかユルイが、カメラワークだったり町の風景とかは最高に美しい。
特にラスト付近の、犯人とそれを目撃するトンネルに登っている男とのカメラワークは、
非常に斬新でかつスタイリッシュだった。
ラストのオチも、こういった作品としては非常に珍しいと言えるが
だがこの犯人像からすると、ちゃんとしっくりするようになっている辺りも脚本が素晴らしいと言える。
決して観た方がいいとは言えないが、観ても損はしないだろうとも言える作品である。