「恐怖の報酬(1953)」
原題:LE SALAIRE DE LA PEUR
1953年 フランス/イタリア 148分
■監督:
アンリ=ジョルジュ・クルーゾー
■出演:
イヴ・モンタン
シャルル・ヴァネル
ペーター・ヴァン・アイク
フォルコ・ルリ
●あらすじ
南米の油田で発生した大火災を消火するため、
ニトログリセリンをトラックで運ぶ四人の男を描いた傑作サスペンス。
中盤からクライマックス、次々と襲いかかるトラブルをとてつもないサスペンスで描き出した
クルーゾーの演出はそれだけでなく、男たちの人物描写にも最大限の効果を発揮し、
吹きだまりに生きる男たちが一獲千金を夢見て危険な仕事に挑むという図式を克明に映し出している。
(allcinemaより)
★感想など
前に観たウィリアム・フリードキン監督の作品はリメイク版。
そしてこちらがオリジナル版になるんだが、個人的にはリメイク版の方が圧倒的に面白かった。
オリジナル版の方を評価している人も多いけど、まず冒頭のドラマ部分が冗長でかったるかった。
そりゃマリオとジョーの二人の関係が、トラックに乗ってから逆転するので、そこを生かすためだというのは分かるが
それでも何も起こらない日常を50分近く続くのは、ちょっと苦痛だ。
そしてようやくトラックに乗る事になってからは、今まで散々イバっていたジョーがどんどん落ちぶれていく。
正直そこまでじゃなくてもと言うくらい、相棒のマリオからひどい扱いを受ける。
道中のニトロが爆発するかものサスペンス性も、リメイク版の方が遥かに上。
と言うよりリメイク版はオカルト映画風の要素も入れている風だしな。
とまあウィリアム・フリードキン監督のリメイク版と比べると大人しい感じは受けるが
1953年の映画だけあって、冒頭の村の貧しさの描写とか、人間ドラマのドロドロさなどは完全にオリジナル版の方が上。
そこに加えてさらに各運転手たちの結末についても、こちらのオリジナル版の方がヒドイ事になっているので
リメイク版とあわせて、是非両方とも観てみる事もオススメしよう。