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イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

疾風 切札 水中花

2010-04-28 14:18:28 | 朝ドラマ

『仮面ライダーW(ダブル)』3132話エクストリーム進化篇と言えば特筆せずにいられないポイントがもうひとつ。

Bパート、例のダム上の、エクストリーム降臨前の再変身のくだりのアフレコ、役者さんたち燃えただろうなあ。

 特撮には、映像芝居と、映像ができた後に役者さんがつける声のアフレコ芝居との2段階があります。今エピ、Wのスーツアクター高岩成二さんが、“独走でパワーアップした右半身に、ついて行けない左半身(←31話)、左半身のために力をセーブしようとしてうまくいかない右半身”“「セーブしなくていい、全開で行け、耐えて見せる」と右半身に請け合う左半身という、脳味噌爆発しそうな難業アクションを現実に演り、演出監督、撮影班もそれに応えて撮ってくれたのです。変身前の、“人格担当”の俳優さんたちが見て、意気に感じないわけがない。

「やはり力を抑えるのは難しい…」のフィリップ菅田将暉さん、「遠慮するな、俺がついて行くから!」の翔太郎桐山漣さん、アフレコルームでスタンドマイクどれくらいの距離感だったのかしら。手を伸ばせば届く距離かな。

…なんだか腐女子思考だな。

ひとつの画面、ひとつのシーンから、“物語上の燃え”で熱くなり、然る後に、“作る人たちの、作る過程の燃え”に思いを致して再びヒートアップこれぞ特撮鑑賞の醍醐味。

いや、特撮に限らず、実写ドラマでも、時代劇でも事件ものでも、観客が観て熱くなれる出来ばえの作品は、作る人たちも必ずや熱いに違いないのですが、特撮ワールドは“この時間帯の、ここにしか存在しない”という、“結晶度”“自立自足度”の極めて高い物語世界です。

人物たちが「このワールドだけで生き、戦い、泣き、笑う」「死ぬときも滅びるときもここあるのみ」という一期一会感、裏返しの孤絶感。だから一層、“虚構として作り上げて行く体温の熱さ、集中力”に、観るほうも想像力フル回転で追いついて燃えたくなるのです。実生活実社会と地続きの“いわゆるリアリティ”の中に終始する実写トレンディお仕事ドラマや家族ドラマのたぐいには、この角度の燃えはないでしょう。

いやホント、絵を見て、台詞を聞いてひと燃え、アフレコ想像してもうひと燃え、というこのひと粒で二度美味しい感覚を堪能させてもらったのは、ここで何度も書いている、何度書いても飽きない『剣(ブレイド)』38話=レンゲル挑発→ブレイドキングフォーム化→暴走→ワイルドカリス参戦寸止めのくだり以来でした。『剣』のライダーたちはアンデッドという、人類生存のアンチである生命体の力と融合して機能するヒーローでしたから、それぞれが(人間であれ間であれ)人のためのヒーローでなくなる、ギリのところにいるときがいちばん燃えましたね。

さて、『ゲゲゲの女房』は安来篇のこまやかな家族の心情交流世界を離れて東京篇に入りひと休みといったところです。

“田園風景”とは言え調布も東京、しかも夫は堅気の仕事ではなく漫画家とあって、安来にいた頃なら信じられない、良く言えば新鮮、悪く言えばわけのわからない人々との出会いが布美枝(松下奈緒さん)に続々。

週明け早々、おめかしショッピングみたいなお洒落ハンドバッグで、茂(向井理さん)の(絵描きの手になるとは思えない!)超アバウトな地図を頼りに地元の商店街に夕食のおかずを買いに出た布美枝、手つきがあまりにおっとりのんびりさんなのでヒヤヒヤしていたら、案の定置き引きに遭ってやんの。期待と不安に胸ふくらませてやってきた新居はどえらいボロ家だわ、原稿料が入るまで無一文だわ、失業中の兄貴一家は子連れで貰い風呂に来るわ、相談しようにも旦那さまは仕事部屋に籠もりっきりで話し相手すらいないわで四面楚歌の布美枝、火事場のガイなチカラを発揮するのはいつの日か。

出会いがしらで置き引きを、大きな風呂敷包みで阻止してくれた通りすがりの貸本屋女主人役で松坂慶子さん登場。昨クール『宿命 19692010』の政治家夫人役でお見かけしたばかりですが、セレブお着物でない下町おばさんルックでも、映った途端画面がパッと明るくなる華やかさにやはり脱帽です。1952年生まれ57歳、すっかり年相応(以上?)の体型になられても、“華”のある人はとことんあるものなのね。いまだに化粧品、スキンケア品のCMキャラが成立する、抜けるようなお肌の白さとツヤのせいもあるかもしれない。顔と首と手の色白さが、ナチュラルに一貫している。きれいに見せることが仕事の女優さんでも、若くても、そうはいないですよ。顔単体で見れば隙がなくても、首・手と下りていくと“色ムラ”が目につく人が多い。

立てば芍薬座れば牡丹、歩く姿は百合の花…と言うには最後の一項目がいささかヴォリュームオーバーですが、この御年で「大輪の花」と揺るぎなくお呼びできる女優さんはそういないでしょう。今作では特に、“人情と元気担当”のようなポジションだからか台詞のお声もワントーン高めで、置き引き犯を追いかけてきての2ショットになると、驚くことに25歳とふた回り以上若い松下奈緒さんのほうが地味に見えました。

安来篇での古手川祐子さん、竹下景子さんも含め、昭和の美人女優アイドル女優の皆さんがしっかり“脇でもいける”“親世代も演れる”重鎮に入っておられるのですから、コッチもトシとる道理だわ。

もう、そうこうする間に布美枝7歳役・ドリームメルヘンな菊池和澄さんは『かりん』当時の細川直美さんのような感じで、10歳役・体当たり演技派佐藤未来さんは『私の青空』の田畑智子さんのような感じで朝ドラヒロイン役登場するかもしれません。「○年前はヒロインの子供時代役だったので、ヒロイン役は実質2回めです」なんて報道されたりして。光陰矢の如し。

コメント
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