イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

果てな?マーク

2010-10-08 16:46:08 | 昼ドラマ

こんなに長い期間、昼帯ドラマとノー接点なのは10年以上ぶりかもしれません。20011月期の『女優・杏子』以来、特にフジテレビ系東海テレビ制作の帯ドラマは、留守録画を併用しつつ、放送期間中第1週に少なくとも一度はチェックし、作品によって嵌まったり、嵌まらなかったりしてきました。

本編はもちろん、放送前予告も、OPも楽曲も、単話本編終了後CM明け次回予告も、一度も目にしない、見たのは制作発表のスポ紙報道とネットの番組サイトだけというフジ系昼帯ドラマは、この10年あまりで、現行放送中『天使の代理人』が初めてです。

報道では高畑淳子さん、市毛良枝さん、床嶋佳子さんと、アイドルでもタレントでもない本格的な専業女優さんが珍しく大挙して名を列ね、読んだことは無いけど原作モノ(=山田宗樹さん)だし、脚本チームのいずみ玲さんは『杏子』でも旧知だし、なかなか充実作の予感はあったのですが、すみません。望まない妊娠したとかしないとか、中絶するとかしないとか、本当に純粋に興味ないんですもん。ドラマのテーマとして重いとかイヤだとか嫌いだとかすら感じない。ひたすらどうでもいい。

人それぞれ。結論、それでたくさんじゃないか。妊娠するもしないも、したらしたで、しないならしないでどんな所感を持ちどう取り扱うか、それぞれの良心や境遇の要求に従ってそれなりに対処すればいいだけの話で、当節の厳しいドラマ制作予算を費やし綺麗で達者な女優さんを数々動員してドラマに仕立て上げるほどの意味はないと思う。

そもそも人間という、哺乳動物の一種にすぎないものの、いち個体が、命を得てこの世に生まれることにも、命を失うことにも、さほどスペシャルな意味や価値はないのです。

せっかくレコーダー起動して予約セットして、ちゃんと録れてるかわくわくしながら、深夜の貴重な自由時間を注ぎ込んで再生視聴するんだから、もっと虚構として興味惹かれるお話じゃないとね。

星野真里さんもアイドル時代から結構好きな女優さんで、『ゲゲゲの女房』ではユキエ姉ちゃんがお嫁に行ってしまってからの担当で出番が少なかったので、こっちでより濃い演技が見られるかもと思っていたのですが、出演俳優さんに贔屓がひとりふたりいるという動機“だけ”でドラマの視聴をはじめると、ほぼ例外なく挫折するんですよね。昼帯ではまたの機会ということで。

さて、そうこうするうちに、この枠の11月からスタートする新作の情報もリリースされています。『花嫁のれん』928日にいち早く掲載された東京中日スポーツの記事によれば、金沢の老舗旅館女将野際陽子さんと、夫に失踪されたアラフォー元バリキャリ女性羽田美智子さんとの嫁姑バトルものの様子。

野際さんは『ゲゲゲ』の登志おばばで、顔出し退場こそ早めでしたが、見えんけどおるヒロインの見守り手視点ナレーション担当として全篇を通して存在感を発揮してくれたばかり。羽田さんはそのひとつ前の朝ドラ『ウェルかめ』でヒロインのお母さん役でしたね。NHK朝と民放昼との、ショートスパンでの人材交流というか、地殻変動流動化も本格的に進んできました。

それはともかく、構造的に言わば“ヒロインの親世代と祖親世代”がダブルヒロインをつとめるわけで、高齢化日本をかなり如実に映し出すお話のようです。人生の岐路、決断の時期、「これからひと花」という“ヒロインたり得る”局面が、だんだん後倒しになったり、一度決めた人生の後半戦になって二度め三度めが訪れる、そういう時代になってきたということかもしれません。

演技歴豊富なおふたりに続いて、キャストを読んでいくと、烏丸せつこさん、山本圭さんのベテラン陣、やはりNHK朝ドラ(『どんど晴れ』)OBの内田朝陽さんに混じって、女将孫娘役らしいポジションで“里久鳴祐果”さんという珍しい名前を発見。

……里久鳴祐果。

おお、なんと非の打ちどころのない“どこで切れるか悩む系”のお名前でしょうか。八反安未果さん安良城紅さん仲里依紗さんらに堂々肩を並べて、並ぶ間もなく差しかわし1馬身2馬身突き放す級の、すがすがしいまでのどこで切れるかわからなさです。

“りきゅう・なゆか”なのか“りくなり・ゆうか”なのか、はたまた“さとひさ・めゆか”なのか。月河の知り合いの知り合いのそのまた知り合いで、男の赤ちゃんに“果”1文字で“みのる”と読ませて一発で出生届通過させたツワモノもいますから、女の子なら1文字で“みのり”もあり得る。そうなると名字は“りくなゆ”か“りくめう”か。“りくなゆ・みのり”か。

ここまで心地よく、どこで切れるかわからないの迷路に浸り切ると、もう検索エンジンとか使って簡単に“正解”をつかむのがもったいなくてしょうがありませんな。心ゆくまでこのどこで切れるかわからなさを掌中でコロコロころがして楽しみたい。

役どころとしては、羽田さん扮する東京から来た元バリキャリ嫁に対抗心を燃やし女将の座をゲットしようとする、野際さん孫娘にして羽田さんのライバルという、昼帯的には伝統のあるヒロイン敵役ポジションらしいですよ。ひとつ上、ふたつ上の世代がぐっと渋く、知的な感じで固めているので、ぜひキャピキャピ汁っけの多い“憎らし可愛い”=“憎カワ”路線のライバルで行ってほしいですね。昼帯ドラマはある意味、“人の人生のあらゆる局面を対立葛藤の図式で捉える”という構造を持つ世界ですから、敵役次第で精彩を帯びもするし、ダラけもする。

画像検索も先の楽しみにとってあるので、お顔もまだ存じ上げませんが、“里久鳴祐果”さん、期待してますよっ。

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