イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

怒る阿呆に脱ぐ阿呆

2007-01-02 12:26:04 | テレビ番組

紅白でのDJ OZMAとダンサーのパフォ問題で、いちばんイヤだなあと思ったのは、抗議殺到後のNHK側のアナウンス。「最終チェックであるリハーサルではあの衣装ではありませんでした」って、要するに「不心得なアーティストが勝手にやったことで、ウチらはあずかり知らなかったんだよ」「責任問われても迷惑なんだよ、知らなかったんだから」ということですよね。この文脈、近年飽きるほど聞いた言い回し。「一社員が勝手にやったこと」という不祥事会社の経営トップ、「秘書が独断で…」という汚職代議士、「信者が暴走して…」という宗教団体教祖、みんな同じです。

「今年を代表する楽曲、世代を超える歌の表現者として、君らが相応しいと思ったから選ばせてもらったよ。ウチの局、受信料問題や不祥事でいま逆風なんだけど、こんな時代の大晦日に出来るだけ多くのお客さんが喜んでくれるような、楽しく面白い番組を作りたいから、一緒に知恵と力を貸してくれよな」という、出演者をリスペクトしサポートし、表舞台も裏方も一緒になって盛り上げようという姿勢が全然感じられない。これじゃいくら何日も前からさんざん番宣したって口先だけで、ヘンな顔ぶれ、聞いたことない曲、寒い応援合戦のスカスカな番組しか出来ないわけだな、とあらためて納得してしまいました。

かと言って、画像サイトでくだんのパフォを見ると、「DJ OZMA、何者か知らんがよくぞやってくれた。痛快あっぱれ、拍手喝采」ともほど遠い。

ひと言で言えばこの記事のタイトル。

思い切り大雑把に言えば、たとえば「子供が観る時間のTVはエロ厳禁であるべし」といったような“良識”“規範”を振りかざす側と、それらを諷刺し揶揄しおちょくることで突き崩そうとする側とだったら、月河は断然後者支持です。なぜなら前者のほうは常に“出来上がった権威”“支配し管理する側”と結びついているので、相撲の横綱と同じくあらかじめ絶対強いに決まっているから。

しかし、今回の騒ぎは、“権威と伝統に裏打ちされた威風堂々たる良識”vs.“(世間から眉をひそめられる少数派だが)若々しく活力に満ちた反骨”の図式にはどうしても見えません。

空疎で痩せ細った“良識”しかないから、“反骨”も低レベルで軟弱なものしか出てこない。

月河としては、いつでも反骨側に頑張れと言いたいのですが、その前に「良識しっかりしろ」と言わなければならない。実につまらん。…いま、プロ野球でかつて“アンチ巨人”“打倒巨人”で燃えてきた人たちのむなしさがわかるような気もします。

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