フィギュアスケートの競技で水玉模様のコスチュームって、初めて見たかもしれません。NHK杯女子ショートプログラム(22日)の村上佳菜子選手。黒地に濃淡のピンクドット、シミチョロみたいな見せインナーのレースも薄ピンクなら、ポニーテイルに結んだシュシュもドットとコーデの桃色で、真っ向からアイドル全開。
演技後ジャージに着替えると、結構荒川静香さん系のキリッとオリエンタルなお顔立ちですけれど、この手があったか!という感じですね。フィギュアスケートって王侯貴族時代の欧州由来の競技なので、どうしても観るほうも“クラシック音楽に乗って舞うバレリーナ”ないし“ブロードウェイ発洋舞ダンサー”の延長線上で翻訳鑑賞してしまい、日本人選手はこの点においてあらかじめ不利でした。ジャンプなど個々のワザは遜色なくても、体形、顔のつくりが(個人差はあれど)、やっぱりそれ系の衣裳・それ系のヘアメイク映えするようにできてないじゃないですか。明治維新時の鹿鳴館の恥さらし再びというか、どこか田舎臭かったりサーカスの猿芝居っぽかったり。
しかし、クラシックバレエやモダンダンスの伝統はなくても、日本には世界に冠たる“アイドルおたく文化”があります。もっとざっくり分厚く言えば、日本にはアキバがある。“萌え”がある。
“すごく洗練されていて、身体能力が超高いアイドル”を“氷上でスケート履いて演じる”とイメージして、組み立てていけば、出来映えにおいて欧州由来の正統バレリーナ系をしのぐこともじゅうぶんできるのではないかと思います。フィギュアスケートって、ある意味“嘘くささ、作りモノくささとの戦い”で、特に東洋人が演るといやが上にも目立ってしまう作りモノくささを、どこまで美しさとか優雅さとか愛くるしさに変換して押し通せるかの勝負ってところがある。いまの日本人がいちばん掌中でコントロールできる、コントロールしやすい“作りモノ”と言えば、そりゃもう“アイドル”にとどめをさすでしょうから。
村上選手15歳、振り付けやヘアメイク、衣裳プレゼン考えるコーチングスタッフも含めて、「攻めているなあ」という印象です。この路線で結果が出せれば、日本のフィギュア界、将来明るいよ。能力、資質単体では断然ワールドクラスだったはずの浅田真央選手は、バンクーバーでキム・ヨナ選手に“強気なアジアンガールの背伸びしたお色気”という最終兵器で先を越され、いまは運動選手としての持てる能力と、“正統”“大人の品格”表現との間で苦闘をかさねているわけです。
村上選手、すでに“氷上のあやや”との呼称もあるそうで、ピンク系の似合う肌ツヤなど、資生堂ティセラのCMに出ていた頃の松浦さんに確かに似てますな。いちコロベリーにちやほやチェリー。スケーターに“コロ”は禁句か。
佳菜子さんだから“かなな”でいいじゃないですかね。それにしても、Wordで佳と菜と子のカナコって、微妙に変換が手間だな。
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