白き駿馬に
新玉を出でし月日も奔り行くものみなすべて目まぐるしくも
幾千の眠れぬ夜をやりすごしはるばる来つる古稀という道
又も来る眠れぬ夜のつれづれに旅立つ意識恣意の国へと
覚醒と反覚醒のはざまにてさ迷いながらことだま探す
薄明の靄の中なる言霊は姿を変えて白き駿馬に
あるいはと吹雪く未明の道の辺に邂逅願う我が優駿に
騎乗して遠駆けさらに思いせずただただ逢瀬望むばかりの
まぼろしは幻しのまま逢えずして無明の闇に駆け下りて往く
逢いたしと募る輪廻のかざぐるま眠りの中の深い漆黒
あの人もまたあの人も消えて行く地平はいつか霞がつつむ