181027 西行展 他
少しばかり関係している西行学会が、今年の大会を和歌山市で開催した。
期間は10月27日と28日。国文学のそうそうたる研究者が集う大会でもある。
その開催と機を一にして、和歌山県立博物館では西行生誕900年と銘打った
「西行展」を開催中である。期間は10月13日から11月25日まで。
博物館での、この西行展を見るために、10月27日と28日に一泊で和歌山に
行ってきた。
27日、和歌山に到着してすぐに博物館に直行する。博物館は和歌山城の隣の敷地である。
垂涎の的ともいうべき、非常に貴重な、たくさんの西行関係資料が
展示されていて圧倒される思いであった。非常に充実した、二度と見ることが
叶わないような展観であると思う。
ただ残念なことに、その場で貴重な資料を読むだけの視力が私にはない。
見て回るだけで疲れもする。しかしそれは心地よい疲れだ。
ある程度見てから博物館を辞す。もちん図録は買い込んで、送ってもらう。
博物館を出てからJRを利用して紀三井寺まで行く。次に行く和歌の浦の近くなのだし、
紀三井寺を見逃すという選択肢はない。
紀三井寺は初めて行くお寺である。早咲きの桜があるので、桜の開花情報では
おなじみのお寺だ。えらく急な坂のあることに思いを新たにする。
紀三井寺を一通り見終えてから歩いて和歌の浦に向かう。
和歌の浦は紀三井寺からそれほど遠くない場所にある。
ここにある「玉津島神社」とセットになって、古典和歌の世界では有名すぎる所だ。
この和歌の浦も、もちろん平安時代とはすっかり様相を異にしているのだが、
そのことは置くとしても平安和歌を勉強しているものとしては一度は
尋ねを入れる場所であることは間違いないのだろう。
はじめに「玉津島神社」「塩釜神社」を見てから海の方に向かう。
「片男波」には万葉館もあるのだが海岸沿いを歩いて、和歌の浦港から
雑賀崎の方に向かう。その頃になると日も落ちて、徐々に暗くもなりつつあったので、
見つけたバス停から和歌山市内に戻る。その夜は親しくしていただいているY氏と歓談。
切り上げてから安宿に投宿。
和歌山(紀州)の地名入り西行歌は多い方なのだが、藤原俊成との贈答歌を二首。
五條三位入道のもとへ、伊勢より濱木綿遣しけるに
浜木綿にかさなる年ぞあはれなるわかの浦波よにたえずとも
(藤原俊成歌)(岩波文庫山家集240P聞書集104番)
はまゆふに君がちとせの重なればよに絶ゆまじき和歌の浦波
(岩波文庫山家集239P聞書集103番)
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