世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

「ありがとう」

2010年03月08日 | Weblog
小学生のときの私。
成績も下位の方でおとなしい子だった。
親も心配するぐらい、ぼんやりしている子だった。
授業内容は上の空だったが、一つだけ忘れられない先生の言葉がある。
朝礼のときの、他のクラスの先生の話。
あのときのあの初老の女性教諭の語り口調までも克明に思い出せる。

彼女も小学生のとき、引っ込み思案な子だったらしい。
そんな彼女は川で遊んでいて、誤って溺れてしまった。
そのとき近所の青年が泳いで彼女を助けてくれたそうだ。
でも、如何せん、先生は照れ屋だったので「ありがとうございました」が言えなかった。
青年はその後、すぐに徴兵されて戦死してしまったとのこと。
お礼を述べる機会を永遠に逃してしまった。

「命を救ってもらったのにお礼を言えなかった」

先生は、その後悔を背負って生きることの辛さを切々と語っていた。

なんでだろう。
最近、あの言葉の意味することを何度も何度も自身の中で反芻することが多い。

まだ言っていない「ありがとう」を逃してはいないだろうか。


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世間に見捨てられた日

2010年03月08日 | Weblog
運気が、ある時点を境にして急に悪くなることがある。
それまでは順調だったのに、ある点から後に発生することがダメポってなことがある。
歯車が狂う、と世間ではそう言うのだろうか。

今日はまさにそんな日だった。

「嗚呼、今日も恙無く終わりそうだ」
と思っていた午後。

紙やトナーの納品があった。
まあここまでは普通。

当社には業者が月2で訪れて在庫を確認し、発注までをしてくれている。
先週在庫確認した営業マンのミスなのだろうか…なぜか某部署に大量の紙が納品されたと電話があった。
ちょうどうちのフロアに納品をし、今まさに去り行こうとするドライバーを追って、私は問うた。
「どういうことですか?」と。
やる気がなく人相の悪いドライバーは以下のように冷たく述べた。
「私は決められたことをしているだけなのでそれ以上のことは分かりません」

なんなのー!
私、客。
あなた、サービスする人。

Do you know?

…ぶちぎれ。

「けっこうです」
と言い放ち、鼻息荒く電話にて営業マンに大量に納品された件と、ドライバーの非常識な言及を洗いざらい報告した。
「大量に納品された分は、無償でいただけるのでしょうか」
という天然厭味も忘れない。


それだけではない。

下のフロアから、「他の階には納品があったのに、うちのフロアの納品が遅れている、どういうことか?」との問い合わせが来た。

あなたたちは、救援物資を待つ難民ですか?

落ち着いて待ってろ。
今、納品になっから。

あまりに苛々したせいで歯を食い縛りすぎ、歯茎が痛くなった。
歯医者に予約を入れようと電話をするも今日は満員で無理とのこと。
帰りに食事をしようと椅子に座れば、隣の人の癖のある口調がいらつく。


もう、いい。
諦めた、今日という日を。
私は闇に葬ることにした。
今日は世間に見捨てられた日なのだ。きっと。

帰りは「刺されないだろうか」と周囲をキョロキョロしながら歩く始末。

これからまた不幸が我が身に降りそうで怖い。
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