世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

芋虫の如く

2010年03月26日 21時49分39秒 | Weblog
母ヨーコたんと電話で会話。
昨日母は私の高校時代のときの担任・クラタ先生とスーパーマーケットで遭遇したらしい。
先生のご自宅と私の実家は至近距離にあるので、このように母はよく先生に遭遇する。
卒業してからも先生とは年賀状と暑中見舞(from尾道)のやり取りをしている。
3年半前の同窓会で会ったときも彼は相変わらず飄々としていた。
「亮子さん、お元気ですか?…結婚だけが人生じゃありませんからー」
と先生は母に述べたらしい。

なんだか微妙に慰められた感がありありなんだが。
気のせいか?

「…それって私がしなけりゃならないことなのかしら?」と言い続けていたせいか、家の者は私に対して誰も婚姻を推奨してこない。
ただ、母は「一人で生きるのならば、頼るべきものはお金だからね、亮ちゃん」と指南する。
なるほど。納得。

先日、江戸川乱歩の「芋虫」を読んだ。この夏公開予定の映画「キャタピラー」の原作である。
戦争で手足を失った軍人(性欲食欲はモリモリ)が嫁に苛められる話だ。
もしも自分が、…例えば老いなどで、こんなふうに寝たきりの身になってしまったら、いっそ死にたいと何の躊躇もなく思う。

シワが増えた、シミが濃くなったというレベルを遥かに超越した「老い」というものへの不安が、静寂なる真水に垂らした一滴の墨汁のように、広がっていく。

そして、先日の心療内科デーでクマ医師に言われた「先々の事を考えるのはよしましょう」という言葉と、「未来を案じなさい」という母の言葉がミックスされて私の中で芋虫のように蠢いている。

生きるのって難しい…。
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