世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

春の雪

2010年03月09日 | Weblog
またしても東京に雪が舞った。
これぞまさしく、「春の雪」か。
映画「春の雪」の清顕(妻夫木聡)を思い出す。連れ込み宿にて清顕は聡子(竹内結子)と密会するんだが、そんときの清顕、あろうことか裸にサスペンダーといういでたちだった。真面目で綺麗なシーンだったのに、あのシーンの滑稽さが全てをぶち壊しにした。三島由紀夫があの映画を観たらどう思うんだろう。

そんな(?)春の雪が降る中の心療内科デー。

待ち時間25分。4年の通院歴の中で一番短い。わ~い!
今日のクマ医師は、風邪を引いたっぽかった。鼻をズビズビズババしちゃって。医者の不用心かしら。
「最近どうですかー?」
という声も鼻にかかっていて可愛い。風邪クマー。ついでにニットにできた3段腹のシワも可愛いぞ。

今日の診察は、主に点検って感じだった。生理前なのでイライラしている旨を報告。
前回のチョコレートによる頭痛のことも聞かれた。彼によるとワインとチーズも頭痛を引き起こすらしい。どっちも好物なんだけどなあ。

…ワインとチーズを頬張るクマ医師を想像してニヤニヤしてしまった。
グラスは勿論、石原裕次郎が持っているような大振りのワイングラス、そして羽織っているものはガウン。
膝にはゴージャスなペルシャ猫。

彼もそんな夜を過ごしているのだろうか。

そう言えば、クマ医師のプライベートを私は全く知らない。
生年月日も出身地も現住所も。
前に勤務していた病院名と出身大学しか知らない。
そんな得体の知らないクマ医師に、あっけらかんと生理予定日等を語ってしまうことの不思議さを今になって改めて感じる。

他は、会社の人間関係のことを聞かれて終了。
待ち時間も短かったが、診察時間も短かった。

隣の薬局で薬剤師さんと語らう。
クマ医師同様、彼女とも4年ぐらいの仲である。
かなりのマブ。
彼女曰く、私が心療内科に着く前、心療内科に救急車が来たらしい。
恐らく患者さんがODしちゃったのでは?とのこと。

ODね。最近はしないけれども。昔はやったなあ。辛くてね。生きるのが。

4年半前の、あんな不遇の時代からしたら今はパラダイスである。パラダイス銀河。

今思うと、あの暗い時代は「春の雪」だったのではないだろうか。
冷たいけれども、三寒四温のせいで翌日には跡形もなく溶けてしまう淡い春の雪。

不遇の時代もいつかは終わる。

桜は冬の寒さを味わないと綺麗に咲かないらしい。
辛いこと苦しいことに溺れる月日は、その後、綺麗に生きる為の準備期間。
そう言い聞かせて、過去を見つめ、今を、明日を生きる。


明日は晴れるらしい。
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