世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

お勤め、頑張ってください。

2008年04月14日 | Weblog
祖母が他界した。
95歳。

1912年7月5日から始まり、明治・大正・昭和・平成を生き抜いた彼女のストーリーは、今朝、8時23分で幕を下ろした。

「おばちゃん、亡くなったから」

知らせは母からの電話だった。
普段、私は電車内では携帯を取らない。
今朝は電車遅延で、周囲の乗客も携帯で話していた。
私は、あまり後ろめたさを感じずに、そして少しだけ嫌な予感を持って電話に出た。

おばちゃんが死んだ
おばちゃんが死んだ

彼女はもうこの世にいない。
その実感をいまだに自身の中に介入させることができない。

今日は溜まった稟議決裁の処理を淡々とこなした。

気を紛れさせようと手元の書類に没頭しようとするが、気づくとおばちゃんのことばかりを考えていた。

「お勤め、頑張ってください」

10年前、私がバイトに行くときも、彼女は玄関先までそう言いながら送り出してくれた。

そんな彼女だから、きっと

「おばちゃんのことはいいから、お勤め、頑張りなね」
と言うに違いない。
負の自分を何とかして奮い立たせた。

明日が通夜、明後日が告別式。

私は経費のデーター加工をするべく出社し、午後過ぎに宇都宮に帰る。

おばちゃんの死に顔が、どうか安らかでありますように。
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できたこと

2008年04月13日 | Weblog
クラシア〇が帰っていったあと、DAISOに行った。
薬の管理を積極的にしてみようと、ピルケースを買いに行ったんである。
ピルケースだけではなく、他のものもついでに購入してしまった。
先日、ブラジャー用洗濯ネットを紛失した。

「大丈夫じゃね?」
と洗濯機に放り込んだ。
しかし、出てきたブラジャーはワイヤーが微妙にずれてしまったらしく、私の胸を刺すんである。
その違和感たるものは女性にしかわからないと思う。

その日に洗ったブラジャーは全てワイヤーが曲がり、まさかの全滅。
今日はそのときの教訓を活かして、ブラジャー用洗濯ネットを購入した。

話がズレた。

ピルケースである。
数ある中から選んだものはシンプルなピルケースだ。
でもあまりにも可愛いさに欠けていたので、帰宅後、クマシールとクローバーシールを貼付してみた。

前にあるクマ缶には、ソラナックスと胃薬と痛み止。主に外出用。

今日買ったピルケースには主に自宅用の薬を入れて管理することにした。

これだけでかなり充実した一日となった。

「今日、できたことを数えましょう」
という認知行動療法を、私はクマ医師により教えてもらった。

こんな小さなことをも、できたこととしてカウントするのには、最初、物凄く抵抗があった。
しかし、これが私の生きる速度なんだと今は思える。

ゆっくりと。
ゆっくりと。
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黴とPRADAと男運

2008年04月13日 | Weblog
排水溝の詰まりについては、一ヶ月前から気になっていた。
我が家はユニットバス。

るるる~♪
と鼻唄まじりでシャワータイムを堪能していると、排水溝から汚水が静かに逆流してきて、辺りが水浸しになっていた。

「何とかしなけりゃなあ」
とは思っていた。
原因が抜けた髪の毛だということは察しがつく。
私の毛量は半端無い。そして長い。
いくら「髪の毛あつめてポイ」(小林製薬)を排水口に貼付しようが、髪の毛が詰まり、毎年一回は「クラシア〇」の世話になる。

昨晩、排水溝から溢れ出した汚水が台所まで浸水しているのを見て、「クラシア〇」を呼ぶことにした。

そして、深夜に大掃除。
水垢、黴、毛髪…本当に汚いユニットバスを無心で洗う。

つまらない。
非常に楽しくない。

「物事の7割ができたら上出来じゃないですかー」
心療内科のクマ医師のアドバイスを思いだし、途中で辞めた。

今日の正午過ぎ、クラシア〇の業者さんがやってきた。
生瀬勝久そっくりの眼鏡殿方である。

白の花柄ワンピにバッチリ化粧、ナゼか巻き髪で迎え撃つ私。
玄関にはPRADAの香水を強烈に散布しておいた。

PRADAの香りが漂っていながらも、黴が点在するユニットバスに彼を通す。
状況を確認してもらった。排水溝から溢れ出す汚水を見て、彼は納得していた。
そして、彼は蛇口の劣化に気づいたらしく、
「直しませんか?」
と提案してきた。
蛇口とは意外な盲点であった。
水漏れがするんだそうだ。
「まあこの際だから」
と、見積もり金額を確認した上でお願いした。

「台所の蛇口も劣化してますよ」
彼の指摘に私は若干疑問を持った。

台所の蛇口は、あまり使わない。

黴が生息して黒くなっているのは、水漏れが原因ではなくて単に使わないからだということは住人である私が一番知っている。

「ああ、こっちの蛇口は使わないのでいいです」

「綺麗にしたら使いたくなりますよ」

「なりません」

押し問答の末、私、勝った。

数分後、作業が終了し、詰まっていた髪の毛を見せてもらった。
軽くホラー。貞子とかこの排水溝にいる?っつーぐらいのおぞましさであった。

そして新しい蛇口。
なんか透明で気恥ずかしいぐらいの初々しさである。

「水回りを綺麗にすると男運がアップするんですって」
帰り支度をする彼に言ってみた。

「もう男運がついていますよ。…だって、既にワタシが来ているじゃないですか?ふふ」

おもしれー。

この人、おもしれー。
おもしれー彼は、大量の私の抜け毛を持って、爽やかに帰っていった。

PRADAの香りが残る台所で、汚い蛇口を取り替えれば良かったかな?と少し思った。
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「タイマ」 嶽本野ばら

2008年04月13日 | Weblog
うっかりしていた。
今月初旬に行われた嶽本野ばら先生のサイン会を忘れていた…。

でもって、今日「タイマ」を購入。

さっそく読み始めたんだが、これ、舞台にしたら面白いんではないかと思った。

大麻を所持し、捕まって尋問されて、捜査官に奇異の目で見られて…でも、まだまだ罪の意識を実感していない「僕」。
これから恋人との別離があるっぽいんだが、どうなることやら。
勿体ないので、ちびりちびりしか読めない。
本当は「ビーっ」と読みたいんだけれども。

フィクションなのかノンフィクションなのか、解らない。

私はそんなの、どうでもいいと思う。

嶽本作品にはリアリティを求めていない。

その流れるような文体の独特の香り、孤高の精神に溺れたいだけなのである。

今回は、大麻所持で捕まった彼の経験が、どんな風に加工されて本作品に活かされているかも見ものである。


☆表紙には捕まったときの新聞記事が…!

ぎゃあ~

2008年04月12日 | Weblog
なんか今、テレビをぼんやりと見ながら寝煙草していたら…クマ医師が!

健康番組に出演して、うつ病について熱く語っているぽ。
ネクタイ着用しているぽ!
髪型が整っているぽ!

テレビの前で正座して顔を赤らめるチキンな私がいるぽ!

嗚呼、びっくりした。
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僕が抜いてあげる

2008年04月12日 | Weblog
最近、吉熊がコンセントを抜いてくれるようになった。
強迫性障害を患う者としては大変ありがたい。

お利口さん、吉熊。
頼りにしているよ。
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できない

2008年04月12日 | Weblog
薬の管理ができない。
複数の薬を飲むようになり、その管理が難しいということを知った。
単に私がだらしがないんだと思うが、他の皆さんがどんな風に管理しているのかが知りたい。

ちなみに私の場合、
ソラナックス…朝昼晩
パキシル、パリエット、大建中湯…夜
デパス、マイスリー…就寝前

雑誌「美的」の付録ポーチに入れて持ち歩いているんだが、がさばる。

マイスリー(睡眠導入剤)とパリエット(胃薬)は、フォルムが似ていて、たまに間違える。
就寝前、コンタクトレンズを外して、ぼんやりとした視界で見る二つの錠剤はまるで同一だ。

よって何時になっても眠れない。

どうしたものか。
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似ているらしい

2008年04月12日 | Weblog
あまり飲まなかったのに、この脱力感は何なんだろう。
パキシルの飲み忘れで頭の中がシャンシャンする+二日酔いで、今、廃人。ずっと横になっていた。

ついでに化粧をしたまま寝たので、マスカラとかが目脂と素敵なコラボをして、なんか非日常性を醸し出している。
化粧をしたまま寝ると、肌年齢が10日分歳を取るらしい。怖い。

昨夜は某プロジェクトの打ち上げだった。
私はノータッチであったのに、ちゃっかり参加。

「えどはるみ」という人に似ていると指摘されたが、NHKしか見ない私には解らぬ。

「イェーイ!ってやってみて」
と言われて律儀に
「イェーイ!」
と実行したら、みんなが笑った。
吉熊上司なんか笑いすぎて、酸欠した金魚みたいに呼吸困難起こしてしまっていた。

そんなに私に似ているのか?えどはるみ。何をやっている人なんだろう。さっぱり解らない。


某課長(味噌汁)に、なんかマジで怒られたんだが、目の前に出された蟹が美味しくて爽やかにスルー。
飲み会の席で、くだらないことについてマジで怒り、シラケさせるって、大変大人気ない行為と思う。
また、いつも怒られ役になる自分のアイデンティティにもうんざりだ。

しかし、蟹は美味しかった。

画像は昨夜の私。
部分モザイクに耐えられず、全体にモザイク処理をしてみた。
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シャンビリ

2008年04月11日 | Weblog
おっはーでマヨチュチュ♪
ただいま通勤途中。
昨夜はバタンQ…コメントをくれている皆さん、しばしお待ちくだされ。

パキシルを飲み忘れ、現在シャンビリ中(頭がシャンシャンビリビリする)。
あの薬の離脱作用をまざまざと感じている…。

今日は会議一件、飲み会一件、そしてキャビネの整理…なんだか忙しくなりそう。

やけにハイなこの気持ちで乗りきろう。
イェイ!

男と女

2008年04月09日 | Weblog
思ったときにしか書けない。
だから思った今、思ったことを書いておこうと思う。

私は他人から受ける恋愛感情が怖い。
他人との密接な距離感が苦手なのもあるが、今の気ままな生活スタイルを崩したくないのが主な理由だ。

相手が小室哲哉でも鷲津政彦でも私は変わらないと思う。

相思相愛で恋愛をすると、この大切な生活スタイルが崩壊するということはおおよそ検討がつく。

会社帰りに珈琲を飲みながら本を読み耽り、週末は気の向くまま出掛けたい。
もちろん一人で。

掃除や洗濯はやりたいときに最低限やる。できればメイドが欲しい。

残業が終わり、職場のタイムカードを押した瞬間から、あまり人と喋りたくないし、好きなことしかやりたくない。

たまに恋をする。
しかし、妄想を逸脱することは近年ない。
現実化を目指したり、アクションを起こすことはない。
自分の生活スタイルの崩壊に繋がりかねないからである。
妄想ほど楽なことはない。
妄想内で、私は憧れの君と京都の古い寺でデートをしたり、モンマルトルの丘で語らうことができるのだから。

「あ、風呂入ろう」
と思ったら、妄想を切りやめて東京の我が家の風呂にすぐに入ることができる。
そんな時空を越えた恋愛を度々して考察したことは、

私は
「京都でデートを楽しむ私」
「モンマルトルをバックにして、彼に見られている私」
が好きだということだ。

そんな私が
「君の手料理が食べたい」
とか言う殿方に遭遇すると
「嗚呼、この人とは一生深く交わることがないだろう」
と思う。

「好き」
ならまだ分かる。
「手料理が食べたい」
は、もう狂おしいほど絶望的だ。

元々食には興味がない私。
どうして他人の為に料理という労働、しかも無償行為をしなければならないのだろうかと思う。

評価と賃金が発生しない労働にも興味がない。

私が女性だから彼はそのような欲望を抱いたんだろう。
そういう欲望を当たり前のように抱き、そして口にすることができる彼の本質と私という人間の本質の狭間には果てしなく深い溝を感じてしまうんである。

「私、それをするために生まれてきたわけではありません」
ときっぱり言おうかとも思ったんだが、発言するのも面倒なので辞めた。

彼とは良い友達でいたいと思う。
彼の欲望が私の生活圏に侵入しなければの話だが。

性差ほど煩わしいものはないと思う。

三十路に入り、その思いは濃くなった気がする。

それが今日思ったことだ。
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桜と吉熊

2008年04月09日 | Weblog
日曜日、Iさんに撮影してもらった吉熊。
やっぱりプロに撮ってもらうと違う!
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「いつも何度でも」

2008年04月08日 | Weblog
「いつも何度でも」木村弓

呼んでいる 胸のどこか奥で
いつも心躍る 夢を見たい
かなしみは 数えきれないけれど
その向こうできっと あなたに会える

繰り返すあやまちの そのたび ひとは
ただ青い空の 青さを知る
果てしなく 道は続いて見えるけれど
この両手は 光を抱ける

さよならのときの 静かな胸
ゼロになるからだが 耳をすませる
生きている不思議 死んでいく不思議
花も風も街も みんなおなじ

呼んでいる 胸のどこか奥で
いつも何度でも 夢を描こう
かなしみの数を 言い尽くすより
同じくちびるで そっとうたおう

閉じていく思い出の そのなかにいつも
忘れたくない ささやきを聞く
こなごなに砕かれた 鏡の上にも
新しい景色が 映される

はじまりの朝の 静かな窓
ゼロになるからだ 充たされてゆけ
海の彼方には もう探さない
輝くものは いつもここに
わたしのなかに
見つけられたから

苛々

2008年04月08日 | Weblog
朝から大雨&強風。

無心で駅まで歩く。
こういう日は僅かなことにでも腹が立つ。

電車内で喚く子供を車内から放り投げそうになったり、改札でトチる前のおっさんの頭を傘で「頑張れー」と突っつきたくなる。

苛々する。

東京の朝、みんなせかせかしている。

私もその中の一人だ。

そんな暗黒の通勤風景で唯一輝いている存在がいる。…新入社員だ。

彼らは見るからに普通の社員と違う空気を持っている。
着なれていないスーツ、真新しい鞄と靴、そんなものから新入社員オーラをビンビンと放出しているんである。

研修中は本社で研修を受けていた当社の新入社員たち。
彼らは今日、各店舗に巣立っていった。
私は偶然その光景を見ることができた。
雛鳥が巣を立つ瞬間に非常に酷似していて、なんだか少し感動的だった。
私は制服の試着会でしか新卒たちとは接触しなかったんだが、何人かの子たちとは親しくなった。


「制服、どの種類だった?」
「〇〇〇色の方。もー最悪ぅー」

という新卒の会話を階段で聞いてしまった。

〇〇〇色の制服作成は、私が総務部に来てから吉熊上司と一番最初に手掛けた仕事である。生地選びからデザイン、ポケットの位置を業者と打ち合わせをして半年ぐらいかけて仕上げた。たしか、社長の奥さまも誉めてくれた制服である。


「じゃあ、着なくて良いよ!!あんたら!」

という台詞を飲み込むのに必死だった。

嗚呼、苛々する。
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準備

2008年04月07日 | Weblog
新卒用制服配布の準備で忙しかった。
また明日の会議の会場設定など、体力を消耗した日だった。

祖母の様態がまた悪化し、呼吸も弱くなたと本日付き添った母から聞いた。

母が祖母の口許に携帯電話を近づけて、弱々しい呼吸を聞かせてくれた。

ふぅ…ふぅ…

聞き漏らしたら、もう二度と祖母の声を聞くことができないかもしれない…私はぎゅっと携帯電話を握りしめた。
汗ばんだ携帯電話の向こうで、祖母は必死で生きようとしていた。

もう、いつ、何が起きても仕方がない状況まで来ていることを悟った。


残業をして、いつ仕事を休んでも大丈夫なように後輩に引き継ぎをした。

そんな私は薄情な孫だろうか。

どうしても準備できないもの…それは、祖母の死を受け止める心だ。
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見納め

2008年04月06日 | Weblog
桜、見納めだからね。
しっかりと見ておくのよ、吉熊。


食事をしたあと、Iさんと別れた。

電車に乗り、祖母の入院している病院に向かう。

病室には、妹と両親、従兄弟とその娘がいた。
祖母は一昨日見たときよりも様態が悪くなっていて、もう目を開けてはくれなかった。

「亮子だよ!」
耳元で言ったら、小さな声で
「ああ…」
と答えてくれた。

祖母が来年の桜を見ることはないだろう。
今年が最後の桜。

だけど来年も再来年も、桜は春になればきっと咲く。
何食わぬ顔をして咲くんだろう。

幾千年も前から、桜が咲くように、人も生まれては死んでいった。

なんて無情なのだろうか。

駅から病院に向かう一本道。
道路沿いに咲く桜を見ながら、そんなことを考えていた。