天女さんちのある集落では、
はるか昔から1月の第三日曜日(カレンダーにより第二日曜日のこともある)に
「餅撒き」を行っています。
コロナでやめた集落も多いようですが、この町内は頑迷に続けています。
厄年の男性(数えで25歳、42歳、61歳)が厄落としとして餅撒きを行うのですが、
年によっては厄年で餅撒きをする人がいない、もしくは少ない場合があるので、
町内の5軒が順番に当番制で餅撒きをする習わしになっています。
昔は80軒以上あってたので当番になるのは15年に1回程度だっらのですが、
今は件数が激減したうえ、おばあさんだけの家や餅撒き当番を拒否する家もあって
(というのは、当番になると2万円以上の出費となるからです。)
天女さんちが以前に当番になってから10年でした。
厄年の男性は、25歳は最低半俵、42歳と61歳は1俵の餅を撒くならわしなので、
1俵の餅を撒くためには、糯米代15,000円に搗き賃6万円以上、合計75,000円以上かかります。
それ以外に、厄年の人は25才ならほぼ3万円
(2人で5万円とケチった人もいますが・・・表札にずっと残るので恥ずかしい限りです。)
42歳と61歳は5万円を神社に寄付するならわしです。
今年は25歳と42歳がそれぞれ一人しかいなかったので
当番がそれぞれ撒く半俵を合計して4俵の餅を撒きました。
ちなみに、当番は町内を回って餅代とお賽銭を集めるのですが、餅代はほぼ5万円ほど
という事で、今年の当番の支出は1戸当たり20,500円でした。
右側から42歳、25歳、当番2軒
こちらは当番3軒
この前に陣取っているおばさん約10名は、
拾った餅をかき餅製造会社に売るために来ているプロ集団で
町内とは何の関係もなく、お賽銭さえ出さずに餅を大量に収奪する一団です。
(反対側にもほぼ同数の一団が来ていました。)
一斉に撒き始まる前の写真です。
上にぶら下げている飾り餅から投げ下ろし、時々小餅を撒き・・・
拍子木を鳴らして、直径40~50㎝のお重ね餅を撒き、
それからは一心不乱に餅を撒くので、その時の写真はありません。
昔はこの境内にあふれるほど人が集まったのですが、今はせいぜい70~80人
餅の重量でいえば300㎏あったはずなので、一人平均4㎏程度の「収穫」
一円の負担をしていない「プロ」にとっては「丸儲け」の絵図です。
(ちなみに天女さんちのこの50年間の餅撒きだけの費用を計算すると、
今のお金に換算して1年あたり約7,000円となりました。)
錆鉄人は、このプロ集団を除外することを主張しているのですが・・・
まあ、そのうちにそういう人には「神罰」が下るのではないかと思っています。