「愛すること」の大切さ

2011年02月09日 | 自分 -

その人は、今年で70歳になる。
非常に感性が豊かで、繊細でありながらも、同時に、
武道の達人であり、男らしい正直な人である。
古くからの知人でもあり、仕事関係者でもあるが、
付き合いが長いので、私にとってはフランクに話せる人だ。

その彼が、今日、「特別な一日」を過ごした。
珍しく、とても興奮していて、とても感動していた。

そして・・・
彼は、真顔で・・・こう言った。
「今日は、愛されることよりも、愛することの大切さを
 教えてもらった。本当に、鳥肌がたつことばかりだった。
 私は、これからの10年間で、愛することを考えながら、
 生きていこうと決心したよ!」

70歳になっても、彼のように「感動」を感じることができ、
人生に大きな影響を与える「変革(事柄)」と出会うことが
できるのだという事実は・・・ 私にとっても、非常に
素敵なことだった。

その感動の一つ一つを、あったかい湯気があがっている状態で、
彼から(直接)話を聴くことができて、私は幸福者だと思う。
その雰囲気と、事実の凄さが・・・手に取るように伝わって、
私も泣きそうになる瞬間が(何度か)あった。
人が経験したことなのに、まるで自分のことのように感動でき、
その感覚を分かち合える喜びは、本当にたまらないことだ。

今日の彼は、終始、笑顔で、とても幸せそうだった。



おいしいお茶を飲みながら、仕事の打ち合わせをした後は、
彼の「特別な一日」をお祝いする食事会をした。
彼を含めて、たった4名の小さな宴席だったが・・・
久しぶりの(彼の)満面の笑顔を見ていると、とても気持ちの良い
長年の苦労を吹き飛ばしてくれるような出来事だったのだろうと、
容易に想像できた。


楽しく感動的な食事会の後、別れ際のことだった。
いつも彼の滞在先ホテルのロビーで別れるのに、彼は・・・
帰路につく私たちを(わざわざ)見送ってくれた。
ロビー階からエスカレーターに乗って、一階下まで降りて、
寒いのに・・・出口から外に出て、笑顔でずっと見送り、
私たちの姿が見えなくなるまで、ずっとずっと玄関先で立ち、
見送ってくれたのだ。手を振りながら・・・。
しばらくして振り返ってみると、彼はまだ、立って見送ってくれていた。
これは、なんとなく胸が熱くなる光景(出来事)だった。
自分よりも目上の人に、そんなことをされると、本当に・・・
恐縮してしまう。
そして、私自身が感動してしまう。
言葉に窮する行為だ。
これは、まさに、彼の言っていた「愛」が感じられる行為だと思った。

単純なことだけれど、「愛」を分かち合うことは、人々にも
変革を与えることでもあると、そう感じた。

偽りのない「愛」にあふれた行為は、波及していく。
そして、いつしか周囲の人々を、巻き込んでいくのだろう。



彼は、言っていた。
「こういう特別な日に、古くからの知り合いの人と、
 こうして美味しい食事と、素敵な時間が過ごせるのは、
 素晴らしいことだよ」
その言葉は、私にとっても素晴らしい感情を呼び覚ますもので、
感謝の気持ちと、人とのネットワークの有難さを感じた。


私も、いつも、「愛を感じてもらえる人でありたい」と、
心から思っているので・・・・ 今日は、満足感と充足感で
満たされた時間を過ごした。
彼と、彼の経験した事実と、今日という日に、心から感謝する。