4CC 男子の表彰台

2011年02月19日 | マイブーム -

客席がガラガラ・・・台湾で開催されているフィギアスケート大会:4CC:
「四大陸選手権」の男子フリーが終わり、やきもきした結果がやっと出た。

参加選手としては、やはり地味めな感は否めないが・・・
その中でも、日本勢が1位&2位を独占!

高橋大輔選手の久しぶりのノーミスのショートプログラムが観られた。
当然のことのように誰もが期待したシーズン初頭・・・
高橋選手は、納得する結果が、なかなか出てこなかった。
おそらく本人も不本意だったかも・・・。
やっと「ここ」に来て、やってくれましたぁ~、「パーフェクトSP」を。
ショートもフリーも、構成を見直したことが良い方向へ導いてくれたようだ。
また、昨年は、ちょっと気落ちしてしまう調子の悪さがずっと続いていたので、
ファンとしては「やっとノーミスが見られた」ということで、「前進した」と
位置づけてはいるが・・・・・まだまだ課題は多い。
フリーの四回転ジャンプ (4T) は、またもや失敗。
来月の世界選手権では、ぜひとも、ショート&フリーともに「ノーミス」で
あればよいのにと思ったりはしている。
久しぶりの東京開催のワールド大会だ。
体調もやっと戻ってきたのだから、もうひとふんばりだ! 
彼は、記念すべき100回目の選手権「世界王者」なのだから・・・。
二連覇は、そうたやすいことではないからこそ、心から応援したいと思う。
本人の自覚と、やる気次第だから・・・よそ見をしないで、せめて今年は、
来月まででも良いから「気を抜かないで、後悔をしないようにしてほしい」。
そして、「歴史をつくってほしい」・・・と、勝手に応援している。
やめることも、あきらめることも、すぐに出来ることだけれど・・・
こんな貴重なチャンスを棒にふるのは、もったいない。
結果だけを期待しているのではないが、やはり満足したい気持ちがあることは
認めざるを得ない。素晴らしい完璧な演技を見たいのだ。
高橋選手は、あらゆる壁を克服して、新しい自分自身と出会ってほしい。
たとえワールドで優勝できなくても、納得のいく結果でありますように!!
とにかく、今回の優勝、おめでとうございます。



今シーズンの男子の収穫は、羽生結弦選手のシニア参戦!
素晴らしい成長だった。今大会も二位になった。
16歳の若さは、これからの大きな希望を背負って、躍進するのみ!
羽生選手は、素晴らしいスタイルと、技量と、「華」をもつ注目株だ。
今大会は、練習時も本番も、きれいな4回転とトリプルアクセルを成功している。
日本男子フィギアS界は、今後、彼がひっぱっていきそうな印象がするぐらいだ。
過去の例を見ても、(もし怪我に苦しめられ、競技生活を休まなければ・・・)
平均して18歳から25歳ぐらいまでが、フィギアSの黄金期だと思う。
基礎体力とテクニックをつけて、高橋選手の後を追いかけ、追い抜くぐらいの勢いで、
今後は「努力して、輝いてほしい」と、心から感じる存在になった。
羽生選手は、まだ身長が伸びそうな気もするが、たとえ背が高くなったとしても、
現在の身体的バランスと、今のスタイルを維持してほしいものだ。
野球のイチロー選手のように、すべてに対する「ストイックで、強靭な意志力」は、
必ず、最終的には、素晴らしい結果をもたらしている。
お酒が大好きな高橋選手のように、年々身体をしぼることに苦労しないように、
「気力」と「体力」、そして、「アスリートの自覚」だけは常に持っていてほしい。
羽生選手は、若いながらも、とてもスマートで、賢明なコメントが目をひく。
人間的にもメンタルの強さを感じるし、より成長しそうな選手だと思うので、
非常に魅力的だ。
今シーズンも、シニアデビュー以来、回を重ねるたびに、どんどん成長していった。 
実際は、いかにも「子供を卒業した少年」だけれど、今はそこが良かったりもする。
村上かなこちゃんと一緒で、本当の大人になっていく過程を見守りたい逸材だ。
また・・・来シーズンが凄く楽しみになってきてしまったネェ!

とにかく、お二人の表彰台! おめでとうございます。

   ※結局、女子の表彰台も、1位&2位が日本人。
    3位は、アメリカ国籍の日本人。独占状態だった。


クロード・モネ

2011年02月19日 | 人物 -


数日前、昨年から東京:渋谷で開催されていたモネとジュベルニーを題材とした
展覧会が、ついに幕を閉じた。

モネとは、もちろん「クロード・モネ」。
印象派の巨匠で、数多くの作品を残している画家である。

モネが晩年を過ごした「ジュベルニ―」にある家は、管理団体が保全しながら、
彼が愛してやまなかった庭園を、専門的な技術をもって、一年中手入れしている。


私が、モネのジュベルニ―の家を訪れようと思ったのは、日本びいきだった彼が、
「浮世絵に傾倒していた」という事実があったからだ。
アトリエは広く、まさに多くの画材や作品をおさめておくには適していたが、
自宅の部屋は(比較的)こじんまりとしていて、各部屋には浮世絵が飾られていた。
それらの浮世絵は、とりあえず額には入っていたが、保管状態が悪く、しみがあったり、
色落ちがひどかったり、日当たりのよい場所に(無造作に)飾られていたりして・・・
浮世絵を愛する者にとっては、少しばかりショックな状態ではあった。しかし、
彼が日本の浮世絵に影響をうけて、手元においていたことが、日本人の私としては
うれしいことだと感じながら、ゆっくりと部屋を一つ一つ見て回ったのを覚えている。
モネは、浮世絵を各部屋に飾り、ごく日常的にそれらを眺めていたことを思うと、
非常に有難く思ったし、彼らの生活に溶け込んでいたことで日本との強い縁を感じた。

家に飾られていた浮世絵は、モネの作風から想像して「花鳥風月」かと思いきや・・・
人物画の浮世絵が多く、非常にユニークな構図のものや、有名絵師の作品もあって、
とても興味深かった。
モネや、奥様の部屋など、どの部屋にどのような浮世絵を飾っていたのか・・・という
こともまた、面白い事実だった。
私は、各部屋にどのような浮世絵が飾られていたのかを、メモを取ったのだけれど、
その量は、なんとノート4枚に及んでいた。
すごい数だというのが分かっていただけると思う。



彼の自慢の「庭」は、本当に素晴らしいもので、あの連作「睡蓮」の池や、
数多くのバランスの良い花々が、訪れる者を迎えてくれた。

私が「ジュベルニ―」に行ったのは、5月ごろだったと記憶している。
モネの家の庭は、本当に美しかった。
気持ちの良い風が庭園全体に吹き通って、睡蓮の池も風情があった。
「彼が、ここに画材を置いて、あの絵を描いていたのか」と想像すると・・・
本当に不思議な感覚に襲われたのを、はっきりと覚えている。


モネが残した作品は、パリの幾つかの美術館などでたくさん鑑賞した。
その後にジュベルニ―に出かけたので、私の想像力は、より膨らんだのだと思う。



以前、こんなことがあった。
日本の有名画家のアトリエを(特別に)見学させていただいたことがあったのだが、
そこは亡くなった時のままの状態に維持(保管)されており、絵の具がそのままで、
書きかけの未完成の絵が、椅子の傍にはおかれていた。
青い線で、輪郭が描かれていて、・・・その部屋には神聖な空気が感じ取れた。
そして、部屋に入った途端、私はすぐに鳥肌が立って、すごい感動を覚えたのだ。
素材としていた花が、花瓶の中で枯れてしまっていたが・・・
その空間(アトリエ)には、恐れ多くて、何とも言えない雰囲気が漂っていた。



もちろん、モネのジュベルニ―のアトリエは、すっかりとかたずけられていて、
モネの息使いなどは感じられないぐらい補修が加えられていたが、
実際に「その場所で暮らしていた」という事実だけは、感じ取ることができた。

現地の説明して下さる方によると、個々の部屋の壁の色などは「そのまま」だと
いうことだったが・・・これがまた、其々ものすごい鮮やかな色使いばかりで、
なんとなくビックリするぐらいのパワフルな部屋が多かった。
家の外装も、内装も、「モネの色(感性)」そのものだったのだろう。

庭も、部屋の壁色も、・・・ 色彩にこだわったモネらしい家だった。

モネの家のウリは、やはり庭園だ。
季節が違えば、別の花が咲いているために、「雰囲気は違う」と教えられ、
今度訪れるときは「秋」に行ってみたいと、私は(当時)思ったものだ。
おだやかな気分になれるであろう秋は、落ち着いた雰囲気が感じられそうで、
今の私には(さらに)興味深いと思う。




日本にいても、マスターピースには出会えるし、観賞する機会もある。
しかし、創造者が「そこにいて、生きていた」という実感のようなものは、
日本にいるだけでは決して味わうことができない。
やはり、その場に、この足で立つことが、何よりも確実な感覚を得られる
唯一の方法だと思う。


最近は、出かけるのが億劫になってしまった私だが・・・
もう少ししたら、「時間を気にせずに、また放浪する旅」に出発したい。
いつになるかはわからないけれど・・・・
必ず、出かけてみたいと思っている。



ジュベルニ―も、少しは変化しているのだろうか。
モネの家は、たとえ二度目でも「感じる雰囲気」は、違うことだろう。
また、出かけてみたいものだ。

そこには、画家が残した絵画鑑賞から得られる芸術性だけではなく、
人物想像という“おまけ”がついた環境鑑賞がある。
私は、こういう何気ない「想像遊び」が好きな人のようだ。

魅力ある人には、必ず、それなりに面白いエピソードが存在する。
だから、想像を飛び越えて、時々(突飛に)妄想したりするのもまた、
楽しいことだったりするのだ。
タイムトラベルが本当にあったとしたら・・・そんなことを空想すると、
余計に面白い時間が過ごせることがあるが、これって、一種の「変な人?」。
それでも、昔からやめられないのは、それなりに楽しいからだ。
想像力の発達や、脳機能の熟練にも、役に立っているとは思うのだが、
はたして実際はどうなのだろう(笑)。

  芸術は、常に、想像することからはじまるものだ!


     ※写真は、ジュベルニ―のモネの家