コレクションのフィルムカメラはもう増やすまいと思いながらもついついまたひとつ購入してしまった。機種はミノルタのXD-S。70年代後半、一眼レフカメラのAEは絞り優先かシャッター速度優先かで世間を二分していた。ミノルタは1977年にあっさりと両優先機能を搭載したこのXDを発表し業界がざわついた。余談になるがミノルタはこの8年後の1985年にはAF搭載のα7000を発表しカメラ業界に「αショック」を生む。老舗でありマーケットチャレンジャーであるこのメーカーは常に時代の一歩先を走っていた。XDであるが個人的見解としてミノルタのフィルムカメラでは一番完成された機種であると思っている。操作部の質感も高くシャッターフィーリングは重厚。特に黒ボディーのブラックアルマイト処理はライカを彷彿とさせ高級感が漂う。販売途中でCIがありペンタプリズムのミノルタロゴは変更になった。断然、旧ロゴが精悍でお洒落。当時、新ロゴになって悪い冗談かと思ったものだ。実は20年前にもXDを白黒2台所有していた。今回はファインダー視度調整機能が追加された上位機種のXD-Sの精進となった。XDには両優先AEの他に「サイバーネーションシステム(GGG)」も特徴として挙げられる。撮影モードをシャッター速度優先の「緑」側を選び、速度ダイヤルは1/125(後期モデルは緑色)にセット。レンズを最小絞りの緑色まで絞り込めばプログラムAEとして撮影できた。このカメラが販売されていた当時、110フィルム用にはミノルタ110ZOOM SLR MARK IIという機種もあった。造りの質感はXDそっくり。こちらは絞り優先AE機ながらペンタプリズムにレフレックスミラー搭載。マクロ付きズームレンズ。露出補正ダイヤルにバッテリーチェック機能もある本格一眼レフ。下手な135フィルムの一眼レフ機より高価だった。
2001年にOH作業したときのミノルタ110ZOOM SLR MKII修理記録画像
内部に一軸回転式のミラー搭載
内部機構は一眼レフそのもの
親指の爪ほどの小さなスクリーン
光学ガラスプリズム。なんとファインダーにはシャッター機構搭載
こんなにも機能てんこ盛りのお遊び機種の開発販売が許された大らかな時代だった。
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